カリフォルニア州の普通高校で、トラック運転の選択科目が取れるようになった。
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- カリフォルニア州のある高校が、職業訓練校以外で初めて、トラック運転を学べる選択科目を提供している。
- 全国的なトラック運転手の不足は、サプライチェーン問題を引き起こす主な要因となっている。
- 小売業者が商品を配送する運転手の確保に苦労していることから、トラック運転手の給与は高騰している。
トラック運転手の不足が全米のサプライチェーンの問題を悪化させる中、カリフォルニア州のパターソン高校では、トラックの運転が学べる選択科目を設け、若者がトラック業界で働くことに魅力を感じてもらえるような取り組みを行っている。
公共ラジオ局のNPRによると、職業訓練校以外でトラック運転の授業を提供するのは、パターソン高校がアメリカで最初であり、最上級生には実地訓練も行うとしている。
「この授業を選択する生徒の多くは、トラック運送業を仕事として考えたこともないような子どもたちだ」とインストラクターのデイブ・デイン(Dave Dein)はNPRに語っている。
「トラック運送業はあまりよい評価を受けておらず、運転手が実際にどのようなことをしているのかについての誤解もある」
よくある誤解は、トラック業界は危険で、運転手の給料が少ないというものだという。
この授業では、商用免許を取得する方法や、プロのトラック運転手が直面する可能性のある問題をどのように乗り越えるかについて学ぶ。
授業時間数は180時間で、それに加えて30時間の実習もあり、実際にトラックを運転する経験を積むことができるとNPRは報じている。ただし、プロとしてトラック運転手を目指す場合、18歳になってから追加の訓練を受ける必要がある。また、州境を越えて運転できる資格が得られるのは、21歳以降だ。
NPRによると、卒業直前に商用運転免許証を取得する生徒もいるという。
電子商取引の売り上げや小売店の需要が急増する中、サプライチェーン危機が発生し、店舗から商品が消えたり、配送が遅れたりするのは、トラック運転手の不足が大きな要因となっている。
トラック業界はパンデミック以前には苦境に立たされていた。製造業が低迷して数百の企業が倒産したことに伴い、数万人の運転手が業界を去ったのだ。離脱した運転手の多くはトラック業界に戻らず、建設業で働いたり、ウーバーイーツ(UberEats)や食料品配達業のインスタカート(Instacart)といった企業でドライバーをするようになっている。また、ストレスやホームシックが原因でトラック業界を去る者もいる。
パンデミックで企業は雇用を確保するのに苦労し、トラック運転手に高い給与を支払うようになった。しかしそれでも、急増する電子商取引の需要を満たすほどの人員を確保できていない。
[原文:A high school is teaching teens to drive big rigs during the nationwide trucker shortage]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)