ソフトバンクグループがイギリスのフィンテック注目株「ゾパ(Zopa)」に出資した。同社ウェブサイトのスクリーンショット。
Screenshot of Zopa Bank website
イギリスのフィンテック企業「ゾパ・バンク(Zopa Bank)」は、ソフトバンクグループから新たに3億ドル(約330億円)の資金調達に成功した。
ゾパは2005年創業、ピアツーピア金融(=インターネット経由で資金の貸し手と借り手を結びつける)を展開。
2020年6月には英金融行為規制機構(FCA)からライセンスを取得し、フルサービスのデジタルバンキングを提供開始。預金口座やローン、クレジットカード、自動車ローンなど多様な金融商品を手がける。
ゾパのジェイディブ・ジャナルダナ最高経営責任者(CEO)はInsiderの取材にこう答えている。
「消費者の家計により大きな影響のある普通預金と借入に重心を置いている点で、私たちのデジタルバンキングは他社とは一線を画するものです。
おかげで、(決済専用の)当座預金や資金運用に重点を置く競合他社が採算をとれずにいるなか、私たちは持続可能なビジネスを展開できています」
最新の評価額についてゾパは情報を開示していないが、内情に詳しい関係者によれば、今回の資金調達を通じて評価額は10億ドル(約1100億円)を超え、いわゆるユニコーンに成長した。
ジャナルダナCEOによれば、ゾパの出資者向け提案は創業から16年間で得たインサイト、テクノロジー、カスタマーデータにもとづくもので、今後10週以内に達成が期待される黒字化を実現するのに資する提案内容という。
ゾパはソフトバンクグループの投資ポートフォリオに加わった最新のフィンテック企業で、ソフトバンクグループはこれまでにイギリスのデジタルバンク「レボリュート(Revolut)」「オークノース(OakNorth)」にも出資している。
今回ゾパが調達した資金は、規制当局から求められている資本の積み増しに充当する計画。資金調達額は累計7億3000万ドル(約800億円)超となった。
(翻訳・編集:川村力)