無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


「ソドム」の物語は隕石の衝突から生まれた?…最新の研究が示唆

現在のヨルダンに位置していた古代都市、トール・エル・ハマムの上空で爆発する隕石の想像図。

現在のヨルダンに位置していた古代都市、トール・エル・ハマムの上空で爆発する隕石の想像図。

Allen West and Jennifer Rice

  • 旧約聖書には、堕落した都市とその住民が神に滅ぼされる「ソドムとゴモラ」の物語がある。
  • 新たな研究によれば、その物語は、古代都市トール・エル・ハマムを隕石が破壊した出来事から生まれた可能性があるという。
  • 3600年前にこの都市の上空で、直径165フィート(約50メートル)の隕石が爆発し、人々と家を焼き尽くした。

およそ3600年前、古代都市トール・エル・ハマムの住民は、いつもと同じように1日を始めた。街に立つ宮殿の壁の上には、衛兵が座っていたかもしれない。

そのとき、南西の方角から、何かが空を切り裂いて落ちてきた。

「突然、その物体が爆発し、閃光があたりを覆い尽くした」と研究者のマルコム・ルコント(Malcolm LeCompte)はInsiderに語った。

「宮殿の衛兵は、たちまち視力を奪われた。一巻の終わりだ」

巨大な爆発による熱が、衛兵の足下にあった煉瓦を溶かした。それに続く衝撃波が、宮殿の上部40フィート(約12メートル)を削ぎ取った。そしておそらく、衛兵の身体もめちゃくちゃにしただろう。

ルコントが共著者として2021年9月に発表した研究論文によれば、その爆発を起こしたのは、直径165フィート(約50メートル)の隕石だった。地面に衝突する前に爆発し、街を壊滅させたのだという。この爆発で、少なくとも8000人と動物たちが死んだ。

「要は、小さな太陽のようなものだ」とルコントは言う。「熱で死ななかったとしても、衝撃波だけでも、人間をばらばらに引き裂き、骨と何かが入った袋のようにするには十分だっただろう」

ルコントらの研究チームは、このトール・エル・ハマムの物語が、旧約聖書のソドムの伝承のもとになった可能性があると考えている。トール・エル・ハマムの災害は、「創世記」でモーセが語る内容に不気味なほどよく似ている。モーセは創世記のなかで、神が炎によって滅ぼした都市と、その罪深い住人たちの物語を語り、不道徳なおこないをしてはいけないと説いている。

トール・エル・ハマムは、現在のヨルダンの渓谷地に位置していた。この古代都市が数千年前に突如として放棄され、何世紀ものあいだ住む者のいないままだったことは、考古学界では以前から知られていた。しかし、放棄の理由については議論が続いていた。

自然災害や戦争が理由だと主張する歴史学者もいた。だが、15年にわたる発掘調査の成果をまとめた今回の最新研究は、トール・エル・ハマムとその住民が極度の高温と圧力にさらされたことを明らかにしている。

ノースカロライナ州にあるエリザベスシティ州立大学で、隕石とその衝突を研究しているルコントによれば、そうした温度と圧力を説明できるのは、地球外から飛来した物体の爆発以外にありえないという。

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み