2019年5月14日、ニューハンプシャー州コンコードのコーヒーショップを訪れたジョー・バイデン。当時は民主党の大統領候補だった。
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- ジョー・バイデン大統領は、連邦所得税を支払っていない企業をツイートで批判した。
- バイデン大統領は、インフラ投資の支出を補うために法人税率を引き上げることを提案している。
- バイデン大統領は、法人税が0ドルの企業を3ドルのコーヒーと比較した。多くの人は期間限定ドリンクにもっと支払っている。
ジョー・バイデン大統領は、内国歳入庁(IRS)への納税額を、朝のカフェイン飲料と比べ、企業が所得税を納めていないことを改めて非難した。
バイデン大統領はツイッター(Twitter)に次のように書きこんだ。
「もしあなたが今朝のコーヒーに3ドル使ったとしたら、その金額は大企業55社が近年支払った税金の額よりも多い。これは間違ったことであり、変えなければならないことだ」
民主党は、インフラ投資法案の最終的な党内合意を目指しているが、その財源は企業や富裕層への増税で賄うことになるだろう。バイデン大統領の辛辣な発言はそのような状況下で発せられた。
もしあなたが今朝のコーヒーに3ドル使ったとしたら、その金額は大企業55社が近年支払った税金の額よりも多い。
これは間違ったことであり、変えなければならないことだ。
彼は法人税に関してお気に入りの論点を引き合いに出している。それは所得税をまったく支払っていない多国籍企業のことだ。左派系の非営利のシンクタンク、 税・経済政策研究所 (Institute on Taxation and Economic Policy)が2021年4月に発表した報告書によると、ナイキ(Nike)やフェデックス(FedEx)などの企業55社は、2020年の利益に対して連邦所得税を支払っていないことが判明した。税引前利益を405億ドル(約4兆6000億円)近く計上したにも関わらずだ。
TikTokで有名になったスターバックス(Starbucks)のカスタマイズしたホワイトモカ(white mocha)のグランデサイズを注文した場合、約7ドル(約800円)になる。この価格はそれらの企業が支払った所得税よりも高額なのだ。もっとシンプルに、普通のスターバックスラテ(latte)を注文したとしよう。スターバックスのアプリによると、マンハッタンにあるいくつかの店舗では4.75ドル(約514円)で販売されている。これはオーツ麦のミルクにカスタマイズしていない場合のスターバックスラテの価格である。オーツミルクにカスタマイズすると価格はさらに高くなる(完全菜食主義者にとっては残念なことだが)。ちなみにミレニアル世代の象徴とも言えるパンプキン・スパイス・ラテ(pumpkin spice latte)は1杯5.25ドル(約600円)だ。
バイデン大統領は2021年4月、「不公平だ。アメリカの残りの納税者にとって不公平なのだ。我々はこの問題に終止符を打つつもりだ」と述べ、法人税を21%から28%へ引き上げることを提案した。
「お金を彼らから巻き上げるのではない。28%にする。お母さん、お父さん、警察官、消防士などは皆、所得税でそれに近い額を払っているはずだ」
しかし、そうではない人でも0.99ドルのガソリンスタンドのコーヒーを買えば、企業が支払った税金以上の金額を支払うことになる。
民主党の最新の提案は、法人税率を26.5%に引き上げるもので、500万ドル(約5億7000万円)以上の収入がある企業にのみ適用される。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)