アマゾンのCEO、アンディ・ジャシー。
Mike Blake/Reuters
- アマゾンは、行動に焦点を当てた厳しい面接で知られている。
- 2021年10月に行われたパネル・ディスカッションで、3人の現役社員が面接を受けるときのポイントを語った。
- アマゾンの信条「リーダーシップ・プリンシプル」を知り、データを使って自分のスキルを証明すべきだと彼らは述べている。
アマゾン(Amazon)の信条である「リーダーシップ・プリンシプル(leadership principles)」に留意しながら、データを使って自分のスキルを証明し、質問をすること。これはアマゾンの社員3人が披露したこの巨大テック企業の面接で成功するためのアドバイスだ。
アマゾンは、「バー・レイザー(bar-raisers)」(選考基準を高く保つ役割を持つ社員)が選考に加わる方針で知られている。アマゾンによると資格よりも特性を重視し、候補者は行動に焦点を当てた一連の質問を通じて面接で審査されるという。
2021年10月19日に開催された「ブラック・テック・フェスト(Black Tech Fest)」では、パネリストたちがアマゾン本社で働くことの現実について語った。この3日間のイベントは社会的に受け入れられていない背景を持つ人をテック業界に取り込むために活動するイギリスの非営利団体「カラリンテック(Colorintech)」が主催した。
このパネル・ディスカッションでは、アマゾン社員が自らのキャリアを語り、アマゾンの面接の準備をするための最高のアドバイスを求められた。ここでは2人のアマゾンの上級社員と1人の実習生からの最良のアドバイスを紹介しよう。
「リーダーシップ・プリンシプル」をよく読む
アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のグローバル・スポーツ&エンターテインメント担当のシニア・マネージャー、アンドレ・キャンベル(Andre Campbell)は、アマゾンに長年に渡って掲げてきた信条「リーダーシップ・プリンシプル」の各項目は、アマゾンやAWSのビジネスの指針になっていると述べた。その中には「顧客中心(Customer obsession)」「学びと好奇心(Learn and Be Curious)」「オーナーシップ(Ownership)」 などが含まれており、2021年の初めにはさらに2項目が追加されている。
キャンベルは、「このリーダーシップ・プリンシプルをしっかり読んで、自分をかき立てることを見つけ、面接の前にいくつか項目を明確に取り上げたキャリアストーリーや経験を作り上げておくことをすすめる」と話した。
「STAR 」メソッドを活用する
AWSの実習生でソリューションアーキテクトのレッティ・ヌドロブ(Lettie Ndlovu)は、「STAR」メソッドを活用すれば、面接時にキャリアストーリーを作るのに役立つと述べている。
「STAR」の意味は以下の通りだ。
- あなたが対処しなければならなかった状況(Situation)
- 与えられた仕事(Task)
- 両方に関連してあなたがとった行動(Action)
- 起こった結果(Result)と、そこから学んだこと
これは、面接での質問に答えるための一般的なテクニックで、自分のスキルが職務内容にいかにマッチしているかに焦点を当てるシンプルなフレームワークとして作られている。
ヌドロブは、3つから5つの例を用意することを勧めている。
「もしネガティブな事例があったとしても、最後には必ずポジティブな要素を入れて話し、どのようにいい結果を得たのかを説明したほうがいい」
自分の言葉を裏付けるデータを用意する
アマゾンはデータを重視する組織であるため、自分のキャリア、経験を語る際は、「定量的な話が高く評価される」とキャンベルは説明する。
「例えば、『イベントの参加者数を30%アップさせた』というように言えばいい」
未経験者でもクラブやサークルの活動で差別化できる
「もし未経験の場合は、どうすればアマゾンが求めるスキルをアピールできるかを考えてほしい」とヨーロッパ、中東、アフリカ地域の学生プログラム・キャンパスアトラクション・エンゲージメントのリーダー、グレース・アックア(Grace Acquah)は述べている。
「あなたが所属しているクラブやサークルの中で、仕事に活かせるリーダーシップやチームワーク、スキルを証明できるものがあればリストアップしてほしい」とアックアは話す。それにはボランティア活動も含まれるという。
事前に社員と接触する
「リンクトイン(LinkedIn)を使って、アマゾンですでにその仕事をしている人とつながり、どのような仕事なのかを聞いてみるといい」とヌドロブは言う。
「人脈作りは、アマゾンのリクルーターが推奨していることだ」とアマゾンの元MBAリクルーター、トム・ローランス(Tom Lawrance)は以前Insiderに語っている。紹介があれば、採用される可能性が高まるという。
質問し、どのように自分が役割を果たせるかを考える
「面接の最後には、職務に関する質問をするように促される」とキャンベルは言う。
「その質問を事前に考えておき、職務やチーム内の活動を知るために活用してほしい」
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)