新型AirPodsレビュー:手に入れたらまず最初に試すべきたった1つのこと

新AirPods

10月26日に発売された新型AirPods。価格は税込2万3800円。

撮影:伊藤有

ファーストモデルの発売から5年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型「AirPods」が手元にやってきた。

上位機「AirPods Pro」より7000円弱安く、上位機と比べてノイズキャンセリング機能はないものの耐汗耐水機能や、Apple Musicなどで採用が進む立体音響「空間オーディオ」に対応するなど、2021年水準の最新仕様へと「アップデート」された点が見どころだ。

実機はAirPods Proとどこが違うのか。また、iOS 15世代になったiPhoneで最初に確認しておくべき「設定」も含めてレビューしてみよう。

AirPods ProとAirPodsのデザインの違い

新AirPods

左がAirPods Pro、右が新型AirPods。比べてみると全然ケースの大きさが違うが、デスク上にケースをぽんと置いておくとどちらかわからなくなるくらいには似ている。

撮影:伊藤有

実機がやってきて気になったのは、発表時の記事で挙げた6つのポイントのうち、特にサイズと音、装着感が実際にはどうだったか?だ。

発表時の写真でケースはAirPods Proより少し小さいことはわかっていたが、実物はサイズ以外は本当によく似ている。

ひとまわり小さいが、並べて置かないとどっちがどっちかわからない。

実際、レビューのために聴き比べをしていて、デスク上にバラバラにおいてあると、どちらのケースが一瞬わからなくなる。

新AirPods

左が新型AirPods。白いボディーに、センサー部や耳の中の音響をモニターするマイクなどは黒い網、という基本デザインは踏襲。それでも、細部には違いがある。

撮影:伊藤有

AirPods ProのケースにAirPodsを入れた

無理矢理、AirPods Proのケースに新型AirPodsを入れてみたところ。充電は当然できず、蓋も閉まらない。似ているようで、形は全然違うこともわかる。

撮影:伊藤有

実物を触ると、発表時の製品写真だけでは実感できなかった「違い」もわかった。

デザインのイメージは、確かに「AirPods Proからシリコン製のイヤーチップを省いたような外観」だが、それはあくまでデザインのテイストの話。

実物を比較すると、当たり前の話だけれど、形がかなり違う。

Proからイヤーチップを省いただけじゃなく、耳に載せた時に安定するよう「新しい形」になっている。新型AirPodsのほうが、ふっくらとした丸みがある印象だ。

従来のさらに手頃な価格の第2世代AirPodsも併売されているが、両者を見比べてみると、見た目の新しさではやはり新型のほうがはっきりと上質感はある。

「耳に載せる」装着感

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それぞれ装着したところを撮影。ほぼ間違い探し状態だが、イヤホンの上部にも黒い網のパーツがついているのが新型AirPodsだ。

撮影:伊藤有

ノイズキャンセル機能が省かれたことに伴い、「装着感」と「音質」はどう変わったか?

これは最も気になる部分の1つだ。

装着感については、初代AirPodsが登場したときから、さまざまな評価がある。人によっては「外れやすい、走れない」という人もいるし、また逆に「耳が痛くならなくて快適」という人もいる。

つまり、かなり「耳の形による」個人差が大きい。

筆者の場合は後者で、初代AirPods、AirPods Proともに装着感に問題を感じたことは一度もなかった。だからか、新型AirPodsも快適に装着できた。歩いていると落としそうな不安定感もない。

特に装着感については、やはり初代AirPodsの延長線上にある気がする。

AirPods Proほど「耳に押し込む」ような感覚はない一方で、開放型のため遮音性はほとんどない。

だから、2-3時間装着しっぱなしでも耳が疲れるような感覚にはならない。とはいえ、ノイズキャンセル機能のあるProをすでに持ってることもあり「電車で新型AirPodsをあえて使おう」という気にはならない。

遮音性を求めるなら、やはりProだ。

音質にはAirPods独特の良さはある

気になるのは、音質がどうなのかということ。開放型なので遮音性は皆無だが、静かな部屋で聞く分に違いはあるのか?

これは意外なことに、わかるレベルの差があった。

静かな室内で、ノイズキャンセル機能をオフにしたAirPods Proとポップス曲で比較すると、おもしろいことに音のクリアーさは新型AirPodsの方がやや良好ではないか?と思えた。AirPods Proの音から、薄い「もや」が1枚とれたような印象がある。

ただ、これは「音質的に優位な差がある」というよりも、2つを取っ替え引っ替え聴き比べればわかる、というレベル。Proから買い換えるほどのものではない。

また、この程度の違いは騒音が多い環境にいくと、Proのノイズキャンセル機能のメリットが大きく勝ることになる。だから「音質差は参考までに」程度に考えておくほうが良い。

そのほかの「注目機能」は……

新型AirPodsの発表時に言及されていた機能には、ほかにも耳の中で響く音をモニタリングして自動調節する「アダプティブイコライゼーション」や、耳から外してポケットに入れても「装着中」と誤認識されないための「肌検出センサー」などもある。

前者については、AirPods Proにも搭載されていた機能ということもあってか、AirPods Proとの比較ではわかりやすい良し悪しを感じることはできなかった。

肌検出センサーは新型AirPodsの新機能ではあるものの、ポケットの中で鳴りっぱなしで困った経験がないので、こちらも到着2日目時点では特筆すべきところはなかった。

なお、磁石で吸着してワイヤレス充電できる「MagSafe対応」なのは、iPhone 12以降を使っている人にはうれしい点かもしれない。

新型AirPodsを買ったら最初に体験すべき「空間オーディオ」とは

レビューした印象を平たく言うと、「スタンダード機として、しっかりつくり込まれた良い製品ですね」という評価だ。さすが、世界で一番売れている完全ワイヤレスイヤホンシリーズというところだろうか。

さて、ここまでのレビューの評価以上に、とても大事なことを1つ。

従来のAirPodsから買い替えて、iOS 15にアップデートしたiPhoneを使っている人は、必ず「空間オーディオ」の設定が有効になっているか確認してほしい。

new_AirPods-10

iPhoneの画面右上から下にスワイプしてドロワーを表示→AirPodsの音量調整を長押しする表示されるメニュー。この画面で、「オフ」以外に設定すると、通常のステレオ音源も空間オーディオを使って再生される。

撮影:伊藤有

正直なところ、AirPods ProとAirPodsの音質差のちょっとした違いよりも、この機能のオンオフの方が体験には大きなインパクトがある(また、旧型AirPodsでは使えなかった機能でもある)。

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