衆院選の投開票日(10月31日)まで残りわずか。「誰に入れたらいいかわからない」「特に支持する政党・候補者はいない」という方が、一票を投じる上でヒントになるサイトを紹介します。
ntv.co.jp、digital.asahi.com、nhk.or.jp、japanchoice.jp、https://mezase75.jp
第49回衆院選の投開票日(10月31日)まで、残りわずかとなりました。
国政・地方問わず、選挙のたびに投票率の低さが懸念されて「投票に行こう!」という呼びかけがなされますが、一方で「誰に入れたらいいかわからない」「これといって支持する政党や候補者はいない」という声があるのも事実です。
今回は、自分の一票を投じる先を決める上でヒントになるサイトをご紹介します。
よかったら投票の参考にしてみてください。
「誰が立候補しているの?自分と考え方が近い人は誰?」がわかるサイト
・zero選挙×JX通信社「2分でわかる!あなたの考え方診断」
「2分でわかる!あなたの考え方診断」より
https://www.ntv.co.jp/
新型コロナ対策への考え方や選択的夫婦別姓への考え方など、アンケート形式で11個の質問に答えると自分の政治意識や考え方を簡単に可視化できるサイトです。
実はこのアンケートでは、全ての小選挙区の候補者にも同じアンケートを実施。
政党やマニフェストに縛られずに、どの候補者が自分の考え方と近いかひと目でわかります。
また、同年代の人たちや異なる世代の人たちの考え方と自分の考え方も比較できます。
サイトに携わったJX通信社の衛藤健さん(23)はBusiness Insider Japanの取材にこう語ります。
取材に応じるJX通信社の衛藤さん。
撮影:吉川慧
選挙は民主主義の根幹です。だからこそ時代に合わせて、選挙に関する情報の伝え方も進化していかないと……とも思います。
公選法があるとはいえ、これまでの新聞やテレビの報道では選挙期間に入ると「情勢報道文学」と言われるような紋切り型の表現になりがちですよね。
自民党の中でも選択的夫婦別姓制度に関して意見が分かれるなど、「政党」というラベルだけではその人の「政策」を判断できないことも多くなってきました。比例では政党名を書きますが、小選挙区では「候補者個人」の名前を書いて投票する。選ばれるのは一人だけですから。
このサイトでは各政党や各候補者の政策やポイントを知ることができます。自分の地元の候補者の政策や考え方、そして同じ世代の中で自分の考え方はどの位置なのか。自分と自分の世代、選挙区の候補者との「価値観」を比較することもできます。
そういった情報にアクセスできるようになれば「誰に入れたらいいかわからない」という状況も、ほんのちょっとは変わるかもしれません。若い世代にも使ってもらいやすいよう、UI/UXデザインも工夫しました。
今回の取り組みが選挙や投票に興味を持つきっかけになればいいなと思っています。
「自分の選挙区に誰が立候補しているかわからない……」という場合も、位置情報で選挙区と候補者を教えてくれるので心配ありません。
もし位置情報を使用したくない場合は「選挙ドットコム」が郵便番号や地図から選挙区と立候補者を教えてくれます。参考にしてみてください。
「消費税引き下げ、選択的夫婦別姓、同性婚…個別の政策で立候補者の考え方は?」がわかるサイト
・NHK 衆院選2021「候補者アンケート」
NHK 衆院選2021「候補者アンケート」
https://www.nhk.or.jp/
NHKのサイトでは、選挙の争点や個別の政策の考え方を全選挙区の各候補者に聞いたアンケート結果が公表されています。
選挙区を選択すると、その結果を見ることができます。
消費税の引き下げは必要か、選択的夫婦別姓や同性婚を可能とする法改正への賛否、再生エネルギーを今後普及させるべきか……など、個別の政策についての姿勢がわかりやすくまとめられています。
・朝日新聞デジタル「朝日・東大谷口研究室共同調査」
朝日新聞デジタル「朝日・東大谷口研究室共同調査」
https://digital.asahi.com/
朝日新聞・東大谷口研究室の共同調査サイトでも、9割以上の候補者の政治・政策スタンスがわかります。
また、重視する新型コロナ対策の項目や憲法改正への賛否も同時に見られます。
「各政党はどんな政策なの?」がわかるサイト
・JAPAN CHOICE「政策を比較する」
・投票率75%プロジェクト「争点への政党の回答」
・zero選挙×JX通信「候補者アンケート 政党別で比べる」
・NHK 衆院選2021「各党の公約」
japanchoice.jp、mezase75.jp、ntv.co.jp、nhk.or.jp/
衆院選では自分が暮らす選挙区から一人を選ぶ「小選挙区」と、政党を選ぶ「比例代表」の2枚の投票用紙があります。
比例代表は各政党の得票数に応じて議席が配分されます。簡単に言えば、政党の人気投票に近いものです。
新型コロナ対策、給付金、経済政策、消費税や所得税の取り扱い、ジェンダー政策、高等教育の授業料や奨学金……。
各政党のマニフェストを見比べると、政党によって選挙の争点や個別の政策の考え方には大きな「違い」があります。
そんな「違い」を知れば、投票の参考になるはずです。
この他にも、今回の衆院選では各政党への政策アンケートがたくさんあります。
たとえば「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト -衆議院選挙2021-」では、19項目67問の政策姿勢を問う質問への各政党の回答を公開しています。
また「移住者と連帯する全国ネットワーク」では各政党に移民政策への姿勢をアンケートで質問。国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」も、人権問題に関する政策の姿勢を聞いたアンケートの結果を発表しています。
こうした個別の政策に焦点を当てた調査を参考にするのも、投票先を考える手段の一つです。
朝日・東大谷口研究室共同調査「あなたにマッチする政党は?」などでも、自分とマッチングする候補者・政党がわかります。
選挙に興味を持ってこの記事を読んでくれたあなたに、もう一つ伝えたいサイトがあります。
・Yahoo!JAPAN「聞こえる選挙」
ここまで紹介した選挙情報サイトは、全て文字・画像で情報を伝えています。
ところが、視覚障がい者の方にとって、選挙情報サイトからは情報を得にくい状況があるのです。
選挙では、視覚障害者にとって「見えない格差」が存在します。
Yahoo!JAPAN「聞こえる選挙」
https://kikoeru.yahoo.co.jp/
こうした中でYahoo! JAPANが「聞こえる選挙」というサイトを設け、選挙公報の情報を読み上げソフトに対応した形で順次掲載しています。
弱視の方にも読みやすいように黒背景で白文字のレイアウトも特徴です。
日本視覚障害者ICTネットワークは「選挙への参加は私たち全員の非常に大切な権利です。この取り組みで社会の理解が進み、誰でも同様に選挙情報にアクセスできることが制度的に保証され、『誰一人取り残さない』選挙の実現につながることを切に願います」とコメントを寄せています。
投開票翌日(11月1日)以降、得票数や当落結果などの情報も掲載予定としています。
「議席を増やしてほしい人・政党を能動的に選んで投票する」という視点でも良いですし、「消去法で自分の票を投じない人・政党を選ぼう」という視点でも構わないと思います。
4年ぶりの国政選択選挙です。ぜひお気軽に投票に行ってみてください。
(文・吉川慧)