NFTとメタバースの関係は?…ユーザーを「所有者」に変えるための鍵

フェイスブックはメタバースに力を入れることになる。

フェイスブックは今後、メタバースに注力するだろう。

Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images

  • NFT(非代替性トークン)がメタバースの鍵を握っていると専門家は述べている。
  • NFTによって、人はインターネット上で単なる賃借人ではなく、所有者になることができる。
  • 暗号資産に関するポッドキャスター、アンドリュー・スタインウォルドは、「世界はまだメタバースのごく初期の段階にある」と述べている。

「メタバース」という言葉はあっと言う間に主流になった。

ソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)は2021年10月28日、Web3.0あるいはメタバース(metaverse)と呼ばれるインターネットの未来に向けて、社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表した。

現在、メタバース、ブロックチェーン、NFTなどの見出しがニュースを席巻しており、これらがどのようにつながっているのか気になっている人も多いだろう。

しかし、まずは基本的なことから始めてみよう。そもそもメタバースとは何か?

あなたの周りにあるもの、あなたが接する物や人といった物理的な世界を考えてみてほしい。そして、その物理的な世界をデジタルに置き換えてみる。そう、それがメタバースだ

メタバースの「ゴッドマザー」と称されるキャシー・ハックル(Cathy Hackl)は2021年9月、Vogueのインタビューでメタバースについて「インターネットが我々の手の中、机の中、壁の中にある長方形の箱から飛び出し、我々の周りを取り囲むことだと言える」と述べている。

多くの人が幼いころから遊んできたゲーム「シムピープル(The Sims)」のようなものだが、それよりも優れている。暗号資産に関するポッドキャスト「Zima Red」のホストを務めるアンドリュー・スタインウォルド(Andrew Steinwold)によると、ディセントラランド(Decentraland)やクリプトボクセルズ(Cryptovoxels)といったプラットフォームは、ある意味すでにメタバースのソーシャルメディアになっているという。

そこでは「ギャラリーを作ったり、通常のソーシャルメディアのように自分の写真を載せたりすることができる。思い通りにクリエイティブになれる。社交的にもなれるし、近所の人に話しかけたり、イベントに参加するといったこともできる」。

でも、NFTや暗号資産がメタバースにどう関係する?

すべてにおいて関係する!

NFTとはメタバースの世界の扉を開くデジタルの鍵だと、ポリゴンのNFTおよびゲーム部門の責任者で、シュリアンシュ・シン(Shreyansh Singh)は、Decryptに寄稿した記事に記している。

NFT(非代替性トークン)は、ブロックチェーンに唯一無二のアイテムとして保存されているデジタル資産のことで、ビットコインなどの暗号通貨を支えるのと同じ技術が用いられている。このトークンはユーザーにデジタルの世界での所有権を与えるものだ。

「これはちょうどパズルの欠けたピースのようなものだった」とNFTに特化した企業、スフェルミオン「Sfermion」のマネージングパートナーでもあるスタインウォルドは言う。

「NFTが利用できるようになった今、メタバースは実現しつつある」

待って…どういうこと?

例えば、あなたがフォートナイト(Fortnite)のスキン(ゲームのキャラクターのデジタル衣装)を持っているとしようと、スタインウォルドは言う。相当な時間を費やしてそれを手に入れたとしても、あなたが実際に所有しているわけではない。フォートナイトを作っているエピックゲームズ(Epic Games)が所有者だ。

「これをどう扱うかについては、エピックゲームズにかかっている」とスタインウォルドは語っている。

「もし彼らが私のアカウントを削除したければ、できる。『アンドリューが今朝、"エピックゲームズをやっつけろ"とツイートしたので、彼の記録をすべて削除する』と言えばいいんだ」

ユーザーがシステムに価値を与えても、何の見返りも得られないという意味では、共産主義的なシステムだとスタインウォルドは言う。NFTによってインターネットはより資本主義的になり、「時間とお金をかけた努力が、所有権という形で実際に報われる」ようになる。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み