COP26が歴史的な大失敗に見える理由…最大の排出国の首脳が欠席、先進国も成果を上げられず

COP26に出席したアメリカのバイデン大統領。

COP26に出席したアメリカのバイデン大統領。

Evan Vucci/Pool via REUTERS

  • イギリスのボリス・ジョンソン首相は、グラスゴーで開催されているCOP26サミットでの気候変動対策に関する合意について、慎重ながらも楽観的だと述べていた。
  • そのような合意に至らなければ、COP26は歴史的な失敗と見なされることになりそうだ。
  • 中国を含むいくつかの国が新たな目標への署名に消極的であることは、気候サミットを失敗に導くかもしれない。

スコットランドで開催された気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)は、初日と2日目に参加した各国首脳が不在のまま、その作業を続けることになった。

まだ会議は終わったわけではないが、方向性は決まっており、決定的な行動を起こすチャンスは、参加国の大統領、首相、閣僚たちとともに去っていったと思われる。現状では、この会議は失敗したように判断されても仕方ないだろう。

最も熱心な提案者であるイギリスのボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相でさえ、変化が訪れることを「慎重かつ楽観的」に見守っているに過ぎなかった。

ジョンソン首相はサミット開催前、気候変動の危機は、世界が5対1で負けているサッカーの試合のようなものだと語っていた。

11月2日に、メタン排出量の削減、森林破壊の防止、気候変動対策のための資金提供などの発表が行われ、スコアは5-2または5-3に近づいたというが、負けていることに変わりはない。

各国は、地球の気温上昇を産業革命前と比べて1.5度以内に抑えるための合意にまだ達していない。これは、地球に取り返しのつかないダメージを与えるのを防ぐために、科学者たちが重要視している基準だ。

しかし、COP26が成功したと言える唯一の指標であるこの合意への期待は急速に後退した。

中国は、世界の二酸化炭素排出量の約30%を占め、他のどの国よりも多くの二酸化炭素を排出しているにもかかわらず、習近平国家主席が今回のサミットに出席しなかったことで広く批判された

同様に重要なのは、中国が1.5度を目標とする取り組みに消極的なことだ。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、1.5度を達成するためには、2050年までに世界各国の炭素排出量を正味ゼロにする必要がある。

中国の気候特使の解振華は、中国はこの目標に「反対ではない」と述べたが、コミットすることは拒否している。中国の賛同が得られなければ、2度を達成するのが精一杯だと考えられている。

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