ベンチャーキャピタルの影武者「スカウト」。知られざる“目利き”は有望なスタートアップをどう探し出すのか?

エンジニアリング・マネジャーのジャムシド・ヴェスナ(Jamshed Vesuna)はこの1年半、友人や同僚が起業していたこともあってスタートアップ企業への投資を始めていた。彼らのビジョンや創業の背景を聞くのは楽しかったし、そんな彼らの目標達成の一助となるべく、エンジェル投資家として自分のお金を投じてきた。

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アクセル・スターターとして活動するジャムシド・ヴェスナ。

Jamshed Vesuna

2021年の初めにベンチャーキャピタル(VC)のアクセル(Accel)に転職した元同僚と久しぶりに話した際に、エンジェル投資家をやっていると話したところ、「スターター・プログラムに興味はある?」と誘われた。

アクセルには「アクセル・スターターズ」というスカウトのプログラムがあり、それに参加すれば、自腹で出せる金額よりもはるかに大きな投資ができる。ヴェスナはその誘いに飛びついた。どんな体験ができるのかを考えたら、断るなんてもってのほかだ。

VCの世界は、部外者の目には敷居が高くて複雑そうに映るが、将来VCの仕事で成功することを夢見るなら、スカウトプログラムが一番の近道だ。

一流のVCにはたいてい、そういったプログラムが用意されている。多くの場合、スカウトたちは会社が出す決まった額の資金(シード資金など)から一定額を割り当てられ、投資先候補となる起業家やスタートアップ企業を自由に探して、ペアを組むVCのパートナーやアドバイザーにプレゼンを行う。

本稿では、VCの現役スカウトとして活動する4人と、ライトスピード(Lightspeed)、アクセル、セコイア・キャピタル(Sequoia Capital)でスカウトとして最近まで活動していた人たちから話を聞いた。

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