アメリカのトランプ前大統領(2021年9月21日、フロリダ州)。
AP Photo/Rebecca Blackwell
- アメリカ、カリフォルニア州のある中学校では、トランプ前大統領が今も大統領だと教えた歴史教師が学校から追放された。
- この教師は、バイデン大統領の息子ハンター・バイデン氏が「自分の姪と性交渉をしていた」とも主張したという。
- 教師は、教室内での自身の発言について「深い反省」を示していると、 VC Starは報じた。
アメリカのカリフォルニア州では、トランプ前大統領が今も大統領だと生徒に教えた歴史教師が学校から追放された。
この女性教師(名前は明らかにされていない)は、バイデン大統領の息子ハンター・バイデン氏や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンについても持論を展開したという。
CBS New Yorkによると、アナカパ・ミドルスクールで働いていたこの教師は録音された音源の中で「例えば、ハンター・バイデンは中国やウクライナと取引をしていて、不法に資金をつぎ込んでいます。彼のノートパソコンには、児童ポルノも保管されています。彼は自分の姪と性交渉をしていました」と述べている。
「病院に自分の子どもがいても、あなたがワクチンを接種していなければ病院は子どもを返そうとしません」
「これは完全な権力による統制の脅威です」
この教師がアナカパ・ミドルスクールを監督するベンチュラ統一学区(Ventura Unified School District)によってまだ雇用されているかどうかは分かっていない。
この歴史教師の授業を受けた後、8年生(日本では中学2年生に相当)のある男子生徒は母親に、新型コロナウイルスのワクチンは絶対に打たないと話したと、CBS New Yorkは報じた。それから男子生徒は母親に、トランプ前大統領が今もアメリカ大統領だと知っていたかと尋ねたという。
「子どもたちでいっぱいの教室で、なぜこんなことを言わなければならないんですか?」と母親は語った。
「わたしは彼女が歴史に関する事実を息子に教えてくれると信じていました。それを彼女は講壇に立つ伝道師のように熱弁を振るったんです」
Insiderはベンチュラ統一学区にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
ただ、Ventura County Starに対する声明で広報担当者は、この教師の発言が録音された音源を10月18日に受け取った後、学校はこの件について調査を開始したとコメントしている。
その上で、教室内での「教育に関係のない議論を(学区は)容認しない」とも述べた。
歴史教師は、教室内での自身の発言について「深い反省」を示していると、 VC Starは報じた。
しかし、保護者はそれでは不十分だと話している。今では新型コロナウイルスのワクチンを打つのを怖がっている8年生の母親は、教師の発言のせいで、息子と夫の関係が損なわれたと話している。
学校でどんなことを学んでいるのか父親に尋ねられた男子生徒は、自分はこの教師の言うことを信じると話したという。
「車に乗ってきた息子は『父さん、先生たちは何でも知っているんだ。彼女は正しい。父さんが間違ってる』と言いました。息子はダメージを受けました。傷つきました。怖くなったんです。今では自分の両親を信用していません。息子はわたしたちが嘘をついたと思っているんです」と母親はCBS New Yorkに語った。
(翻訳、編集:山口佳美)