浸水したベネチアのサン・マルコ広場(2021年11月5日、イタリア)。
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- 11月上旬、イタリアのベネチアが再び浸水した。10月から1月にかけて、ベネチアでは「アクア・アルタ」と呼ばれる高潮のシーズンが続く。
- カメラは色とりどりのレインブーツを履いて広場を歩く人や、浸水したカフェで食事をする人の姿を捉えた。
- 専門家は高潮の頻度と激しさが増していると話している。
ベネチアでは毎年10月から1月にかけて「アクア・アルタ」と呼ばれる高潮のシーズンが続き、広い範囲が浸水することも。
スーツケースを持って運ぶ女性(2021年11月5日)。
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ラグーナ・ヴェネタという潟に位置し、橋で結ばれたいくつもの小さな島々からなるベネチアでは、強風と高潮が重なるとアドリア海から水が流れ込んで洪水が起こる。
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2019年11月には市の75%が水に浸かり、過去50年で最も深刻な被害が出た。高潮は毎年のこととはいえ、専門家は気候変動による海面上昇で、その頻度と激しさが増していると指摘する。
浸水したサン・マルコ広場(2021年11月7日)。
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写真のサン・マルコ大聖堂はベネチアの中でも最も海抜の低い場所の1つで、浸水被害に遭いやすい。例年、アクア・アルタで浸水被害に遭うのはベネチアの10%だ。
浸水したサン・マルコ広場のカフェ(2021年11月5日)。
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ベネチアは写真のサン・マルコ広場にあるような、「ギャングウェイ」と呼ばれる歩道橋のような通路を作ることで、浸水に適応してきた。店などは水門やポンプを使って、浸水を食い止めている。
サン・マルコ広場の「ギャングウェイ」を歩く人々(2021年11月5日)。
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浸水したカフェや広場に入るため、観光客の中には簡易的なレインブーツを履く人もいれば、裸足で歩く人もいる。
浸水したサン・マルコ広場(2021年11月7日)。
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ベネチアの人々にとって先週のアクア・アルタはさほど驚きではなかったが、8月に起きたようなオフシーズンの高潮は「水上都市」の未来に対する不安をかき立てた。
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さらに悪いことに、ベネチアはその地盤の弱さとプレートの沈み込みによって徐々に沈み続けている。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、2050年までに2019年に発生したような深刻な洪水が100年に1度ではなく、6年に1度繰り返されるようになる可能性があるという。
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Source: The Washington Post
先週、ベネチアで撮影された写真は、多くの観光客が洪水に動じることなく、人がまばらなカフェを楽しんだり、友人と写真を撮るなどしてこの現象を記録する様子を伝えている。
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水に浸かったサン・マルコ広場をパトロールする警察官の姿もあった。アクア・アルタはベネチアの未来と、住民や観光客が今後どう適応していくかを垣間見せている。
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[原文:See tourists wade through Venice's flooded squares and cafes as 'acqua alta' tides hit again]
(翻訳、編集:山口佳美)