※本記事は、2018年10月16日に掲載した記事の再掲です
David Ibekwe
- 中古車情報サイト「アイシーカーズ・ドットコム」は2年間にわたって2400万台の新車の販売状況を分析。購入後、最もリセールされている車を明らかにした。
- 同社が分析したのは2015~2017年に販売された車。リセール率は、リセール台数を各車の新車販売台数で割ったもの。
- メルセデス・ベンツとBMWのリセール率が極めて高くなった。アメリカで最もリセールされている車、上位11台のうち6台はメルセデス・ベンツかBMW。
- 「理由はどちらも、とても高価な車だからだろう」と調査会社ガートナーのシニアアナリスト、マイク・ラムジー氏はBusiness Insiderに語った。「購入後の維持費の負担が大きく、すぐに売らざるを得なくなったのだと思う」。
車の購入は、個人にとって最も大きな投資の1つ。だが、買ってから後悔することは誰にでもある。そして他の車に比べて、より高い割合でリセールされている車がある。
購入後に最もリセールされている車を調べるために、中古車情報サイト「アイシーカーズ・ドットコム(iSeeCars.com)」は2年間にわたって新車2400万台の販売状況を分析。
対象にしたのは2015~2017年に販売された車。リセール率は、リセール台数を各車の新車販売台数で割ったもの。また調査から走行距離が500マイル(約800キロメートル)以上の新車、走行距離4000マイル(約6400キロメートル)以下の中古車は除いた。
アイシーカーズ・ドットコムの調査によると、平均リセール率は1.5%。だが、ある種の車は著しく高くなった。メルセデス・ベンツとBMWだ。
事実、最もリセールされている車トップ11台のうち6台がメルセデス・ベンツかBMWとなった。
メルセデス・ベンツとBMWが“悪い買い物”というわけではない。メルセデス・ベンツもBMWも高級車であるため、購入者の期待も他の車より高くなり、ミッドクラスのセダンとは違って、簡単には満足できない可能性もある。
ガートナーの自動車アナリストでシニア・リサーチ・ディレクターのマイク・ラムジー(Mike Ramsey)氏によると、コストも大きな要因。
「理由はどちらも、とても高価な車だからだろう」と同氏はBusiness Insiderに語った。
「購入後の維持費の負担が大きく、すぐに売らざるを得なくなったのだと思う」
アイシーカーズ・ドットコムのCEO、フォン・リー(Phong Ly)氏は別の見解を持っており、リセール率の高さはメーカーとディーラーの間の意図的なマーケティング戦略が原因と見ている。ディーラーは新車を代車用に購入し、1年以内に販売している。
「つまり、オーナーは車を点検などでディーラーに持ち込んだ際に、代車として貸し出された車で新モデルに触れる。そうすることで、そのメーカーから新車を購入する可能性が上がる」とリー氏は調査結果に記した。
「さらに、それがメーカーの新車販売台数を増やし、メーカーに『トップ・ラグジュアリー・ブランド』を名乗らせることになる。BMWとメルセデス・ベンツは毎年、その名をかけて争っている」
リセール台数が多いことの他の理由としては、高級車は他のモデルに比べて価値が下がるのが早いことがあげられるだろう。
高級車は長期的な投資ではなく、単なるステータス・シンボルとして購入されているのかもしれない。また社用車として使われているのかもしれない。
「BMWとメルセデス・ベンツのディーラーの多くは、車を修理や点検に出す顧客へのサービスとして、かなりの台数の代車を保有している」とラムジー氏は付け加えた。だから走行距離の少ないデモカーを販売できる。アメリカの消費者がすぐに手放す11台を見てみよう。
11位 日産バーサ(Versa)、3.2%
Nissan
※数字は1年後のリセール率(以下同じ)
10位 スバルWRX、3.3%
Subaru
9位 クライスラー200、3.8%
FCA
8位 メルセデス・ベンツ Eクラス、3.9%
Mercedes-Benz
7位 BMW 4シリーズ、3.9%
BMW
6位 BMW X3、3.9%
BMW
5位 ダッジ・ダート(Dodge Dart)、3.9%
FCA
4位 日産バーサ・ノート(Versa Note)、4.0%
Nissan
3位 メルセデス・ベンツ Cクラス、6.1%
Mercedes Benz
2位 BMW 5シリーズ、7.1%
BMW
1位 BMW 3シリーズ、8.0%
BMW
[原文:The 11 new cars people most regularly ditch after just one year of ownership]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)