Courtesy of Einride
- アインライドがこのほど、アメリカで自動運転の完全電動トラックを発売した。
- 同社のトラック「ポッド」は、リモート・オペレーターが同時に10台を監視することができる。
- トラックの運転をデスクワークに変えるかもしれない、未来の乗り物を見てみよう。
スウェーデンの運送会社が、トラックの運転をデスクワークに変えようとしている。
アインライド(Einride)が11月上旬、アメリカでのサービスを開始、ブリヂストン(Bridgestone)、GEアプライアンス(GE Appliances)など数社と契約した。EVトラック運用がヨーロッパ最大級の同社は、アメリカでもテストを行っていると述べた。これには、無人EVトラックの「ポッド(Pods)」や、オペレーティング・システムの「サガ(Saga)」が含まれる。
ポッドは、洗練された斬新なビジュアルだ。ドライバーのためのスペースも存在しない。
Courtesy of Einride
アインライドによると、アメリカ仕様の車体は、公道を走る世界初の完全自動運転、完全電動のトラックになる可能性がある。
アインライドの創業者兼CEO、ロバート・ファルク(Robert Falck)は「アメリカのイノベーティブ・スピリットは世界の基準であり、その輸送市場は世界最大だ」とプレスリリースで述べている。
「我々には、100年前にディーゼルトラックが導入されて以来の大きな変化をもたらすことができるテクノロジーとソリューションがある」
まずは、貨物置き場内での使用から運用が始まるという。徐々に公道やハイウェイへと移行する計画で、それには数年かかると同社は述べている。
無人トラックのメーカーは、法的にも技術的にも、多くのハードルに直面している。国の規制の多くは、無人トラックの公道での走行を禁じている。 さらに、ほとんどの自動運転トラックは運転免許を持つオペレーターを必要とし、ベテランのトラック運転手を補えるような高度な技術はまだない。
Courtesy of Einride
アインライドによると同社はポッドやインテリジェントOSのサガを、アメリカの道路、規制、天候に合わせたという。また、インターモーダル輸送やコンテナ輸送に対応した平台車両も保有している。
Courtesy of Einride
ポッドの車内には運転手用のスペースがないため、世界で初のリモート・トラック・ドライバーが必要になる。同社によると、今後5年以内にリモート・ドライバーを含めて2000人を雇用する計画だという。
トラックは自動走行だが、リモート・ドライバーがトラックを監視して、緊急事態や事故および工事現場といった特殊な状況に遭遇した場合など、必要に応じて介入する。リモート・ドライバー1人で10台ほどを同時に監視できるようになるという。
リモート・オペレーターは小さなつまみをひねってトラックをコントロールし、パノラマ・ビューでポッド周囲の状況をリアルタイムで判断することができる。
Courtesy of Einride
アインライドの自動運転トラックはアメリカ市場の利益となる可能性がある。輸送業界は、運転手不足など、サプライチェーンにおける大きな障害の打開に苦戦しているからだ。
運転手のいないトラックの実現を目指す企業は、アインライドだけではない。ウォルマート(Walmart)は11月8日、アーカンソー州で日用品の近距離配達に無人トラックを使用していることを発表した。スタートアップのトゥーシンプル(TuSimple、図森未来)やウェイモ(Waymo)も、市場参入を検討中だ。
[原文:Take a look at the cab-less driverless 'Pods' that could one day turn truck driving into a desk job]
(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)