2人の専門家によると、退職時の面接ではポジティブになることが大切だという。
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- 「よい印象で退職するために、退職時の面接で嘘をつく準備をしておこう」とある専門家は話している。
- 『Fire Me I Beg You(お願いだからクビにして)』の著者ロビー・アベッドは、退職時の面接で悪い話をしないことを勧めている。
- できるかぎりポジティブに、たとえ建設的なものであっても批判は避けるべきだと彼はInsiderに語っている。
あなたがついに上司に愛想を尽かし、記録的な数の退職者に加わったとしよう。
いい印象を残したいと思い、あなたは退職を決めてからも出社し続けて懸命に働き、引き継ぎができるだけスムーズに進むようにしていた。そんなとき人事チームのメンバーが、あなたの退職理由を尋ねるため、「退職面接」を依頼してきたとする。
その面接で、あなたは何を話せばいいだろうか。
いい条件で会社を去りたいのであれば、「まったくのでたらめ」であるとしても「いいことだけを言おう」、と2017年に出版された『Fire Me I Beg You: Quit Your Miserable Job (Without Risking it All)(お願いだからクビにして:みじめな仕事を辞めよう(リスクを冒さずに))』の著者、ロビー・アベッド(Robbie Abed)は述べている。
「自分がヒーローになろうと思う人が多い。でも、会社に変化を起こせるのなら、会社にいる間にやっているはずだ」とアベッドはInsiderのインタビューで語った。
「もし彼らが、『何か建設的なフィードバックはあるか』と聞いてきたら、『特にない』と答えるべきだ。この会社での仕事は楽しかった、将来、ここの誰かと一緒に仕事ができることを願っている、と言うべきだ」とアベッドは話す。
人事担当者は、あなたのインタビューを秘密にすることはないだろうし、ネガティブな発言はあなたや会社のためにはならず、逆にあなたの印象を悪くする可能性もあるとアベッドは言う。
「純粋に経済的な観点から言えば、悪い印象を残して退職することは意味がない。キャリア的にも、経済的にも、最も愚かな行為だ」
求人に特化した口コミサイト、グラスドア(Glassdoor)のキャリア・アドバイスの専門家、ジル・コットン(Jill Cotton)も、退社時の面接ではポジティブでいることが最善の方法で、感情を表に出さないことが重要だと述べている。
「退職面接は自分のためのものではない、ということを覚えておくことが大切だ。このような制度は、雇用主があなたの退職の意思決定の理由を理解し、あなたの洞察から利益を得るためにある」とコットンは述べている。
コットンは、ポジティブな経験の具体例をいくつか用意しておくことを勧めている。例えば、その役割の中でどれだけ多くのことを学んだか、どれだけ成長したかを説明するのだ。
「会社が正しいことをしたことを示すのは、よい振る舞いだ」とコットンは言う。また彼女は、面接がうまく進むようにメモを取るべきだとも話している。
あなたが上司を本当に嫌いで辞職する場合も
たとえ上司のせいで辞めるにしても、面接では退職理由として誰かを名指しするべきではない、とアベッドとコットンは口をそろえる。
「もっと一般的な話をして、あなたが誠実かつプロフェッショナルでいられるようにしよう」とコットンは言う。
「あなたが上司についてどんなに悪いことを言おうとも、人事はすでにそのことを知っているだろう」とアベッドは指摘する。
「上司の悪い話は人事にとっては新しい情報ではない。彼らはほかの理由でその上司をそこに配置しているのだから」
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)