2021年11月15日、インド、ニューデリーのインド門。スモッグに包まれている。
Amal KS/Hindustan Times via Getty Images
- インドのニューデリーでは、この2週間、大気汚染のレベルが危険なほど高くなっている。
- 学校は11月15日から1週間閉鎖することになり、建設作業は3日間禁止された。
- デリー首都圏当局は、市民にリモートワークを義務付け、週末にはロックダウンを実施する予定だ。
インドの首都ニューデリーを管轄するデリー首都圏当局は、世界で最も汚染されている首都の大気汚染対策として、新たにロックダウンを実施する。
ニューデリーの一部の地域では、この2週間の間に何度も大気汚染レベルが異常に上昇した。2021年11月16日の空気質指数は、500点満点中437点(5段階で最も深刻なレベル)だった。
AP通信によると、インドの都市は長い間、大気汚染に悩まされており、特に毎年冬になると、農家による野焼きの煙と、自動車や工場からの汚染物質が混ざり合い、大気汚染レベルが急上昇するという。
11月16日の緊急会議でデリー首都圏当局は、この問題に対処するために週末のロックダウンとリモートワークの義務化を計画していると述べた。
「我々は週末のロックダウンを提案しており、その準備はできている。我々の戦略は裁判所の指揮にかかっている」と、デリー首都圏当局のゴーパール・ライ(Gopal Rai)環境・森林・野生生物担当大臣は、地元テレビ局のNDTVに語った。
Times of Indiaによると、この発言はデリー首都圏当局の11月13日の発表を受けたものだ。発表では、学校は11月15日から1週間閉鎖され、建設作業員は11月14日から3日間自宅待機しなければならない。
ロイター通信によると、インドの最高裁判所は11月15日、当局に対し、デリー市内及びその近郊での不要不急の移動を禁止し、市民にリモートワークを義務付けるよう勧告したという。最高裁はどのような措置を講じるかについて今後決定する予定だと、NDTVが報じている。
ニューデリーでは新型コロナウイルス感染予防のためのロックダウンを5月に終えたばかりだが、また新たなロックダウンが行われることになる。
先週イギリスで開催された「第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)」で、インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、2070年までにインドの温暖化ガス排出量をネット・ゼロにすることを約束し、当初は賞賛された。だが、石炭の使用計画を「段階的に廃止する」から「段階的に削減する」に変更し、気候変動活動家や政治家らの怒りを買った。
[原文:Authorities in India are planning a new lockdown not to combat COVID-19, but air pollution]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)