アメリカン・ロボテック社には4つの配膳ロボットがある。購入する場合は、最も高いもので1万7800ドル。
American Robotech
- 人手不足のレストランでは、配膳ロボットをはじめとするテクノロジーや自動化の導入が進んでいる。
- アメリカン・ロボテック社は、アメリカで4種類のロボットを販売していて、最も高いモデルは1万7800ドルだ。
- ロボットが料理を運んだり、テーブルを片付けたり、客を席に案内する様子が動画で紹介されている。
アメリカ国内のレストランは人手不足に悩まされており、人材確保の問題を解決するために、テクノロジーや自動化を利用するケースが増えている。
よりよい賃金、福利厚生、労働条件を求め、記録的な数のアメリカ人が仕事を辞めている。その結果、人手不足が深刻化し、特にレストラン業界が大きな打撃を受けている。
レストランではスタッフが見つからず、人件費が高騰していること理由に営業時間を短縮したり、客席を閉鎖したりしている。また、レストランのオーナーからは、サービスの提供が遅くなりがちで、残っているスタッフは過労になっているとの声も聞かれる。
多くの店ではスタッフを集めるために賃金を上げたり、福利厚生をさらに充実させたりしているが、中には技術的な解決策に頼っているところもある。
それには配膳ロボットも含まれている。
アメリカン・ロボテック(American Robotech)社は、料理をテーブルに運ぶ、汚れた皿を片付ける、客を席に案内する、「ハッピー・バースデー」を歌うなどの機能を持つ4種類のロボットを販売している(製造は中国のPudu Robitics)。
アメリカン・ロボテック社には4種類のロボットを販売している。
American Robotech
ジャッキー・チェン(Jackie Chen)CEOがInsiderに語ったところによると、テキサス州に本社のある置く同社がロボットの販売を開始したのは2021年初頭で、ちょうど企業が人員不足を訴え始めた頃だという。
ダラスにあるラテンアメリカ料理レストラン「ラ・ドゥーニ(La Duni)」は、アメリカン・ロボテック社の顧客で、3台のロボットを1日15ドルでレンタルしている。このレストランのオーナー、エスパルタコ・ボルガ(Espartaco Borga)は、CNNの取材に対し、ロボットを使うことは、働きすぎのスタッフを救済するためには「当然のこと」だと語った。
チェンCEOは、レストランがアメリカン・ロボテック社のロボットを導入する主な理由は人手が足りないからだが、一部のレストランではライバル店との差別化を図るためにロボットを使用していると述べている。
チェンは、ロボットは「人の代わりにはならない」と言う。ロボットは、スタッフが1日に何百回も行う反復的な作業を代わりに行うことを目的としているとチェンは話している。ロボットはそのような仕事を人間よりも上手にこなすことができる、と彼は付け加えた。
ロボットはテーブルの上に料理を置くことはできない。その代わり、ロボットにはトレイが付いていて、その上に厨房のスタッフが最大10枚のプレートを置けるとチェンは言う。これをロボットがテーブルに運び、客か店員が料理をテーブルに置くのだ。
スタッフがテーブルを片付けるときには、同じことが逆に行われる。
同社のロボットには音声認識ソフトも搭載されている。
アメリカン・ロボテック社によると、同社のロボットはフル充電で10時間から24時間働くことができるという。
ロボットには2つの主駆動輪と、最大で8つの補助輪がある。
チェンによると、これらのロボットは自律走行車と同じように、カメラとLiDARによって「常に」周囲の環境をスキャンしており、誰かが邪魔をしてもすぐに立ち止まることができるという。
レストランはロボットを使い始めてから売り上げが急増したと話しているという。
企業はロボットを購入するかレンタルするかを選択できる。購入する場合は、一番小さいケティボット(KettyBot)が1万800ドル(日本での販売価格は税抜158万7000円)、一番大きなホラボット(HolaBot)は1万7800ドル (日本での販売価格は税抜278万3000円)で、これにサービス使用料が上乗せされる。
彼のクライアントのほとんどは、2000から4000平方フィート(約185から371平方メートル)といった中規模から大規模のレストランで、通常、ロボットは1台だけ使用しているという。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)