大型ハリケーンや海面上昇に耐えられる海上都市を建設へ…韓国・釜山で

オセアニックスによる海上都市の完成予想図。

オセアニックスによる海上都市の完成予想図。

Oceanix

  • 韓国は、国連が支援する海上都市のプロトタイプの建設を受け入れる。
  • このプロジェクトの設計者は、食料と水を自給自足できる、洪水に強い都市の建設を念頭に置いている。
  • プロトタイプは港湾都市の釜山で建設され、2025年までに完成する予定だという。

2年以上前、建設者、エンジニア、建築士のグループが国際連合(国連)に集まり、「洪水や津波、最大級のハリケーンなどの自然災害に耐えうる海上都市を作る」という野心的な構想について話し合った。

このアイデアは斬新なものではない。建築士やデベロッパーは、何十年も前から水上に人工島や都市を建設することを夢見てきた。およそ1300年前、古代ギリシアの詩人、ホメロスも、浮かぶ都市について考えていた。

しかし、こうした構想を進めるのは非常に困難だと思われてきた。もっとよいウォーターフロントの活用法があるのではないかという理由で、行政当局が提案に同意しないことが多かったからだ。

国連が支援する今回のプロジェクトはそのハードルを乗り越え、2021年11月18日、設計担当のオセアニックス(OCEANIX)と国連人間居住計画(国連ハビタット)の協力のもと、韓国の釜山市と海上都市を建設することで合意した。他の多くの沿岸都市と同様、釜山も海面上昇の脅威にさらされている。

「釜山はこのプロトタイプを展開するのに最適な場所だった」と、オセアニックスの共同設立者であるイタイ・マダモンベ(Itai Madamombe)はInsiderに語っている。

「しかしこれは、世界中のすべての沿岸都市、そして海面上昇で危機に直面しているすべての沿岸コミュニティに役立つものであると期待している」

洪水に強い海上都市は2025年に完成予定

オセアニックスの海上都市は、基本的に六角形のプラットフォームを海上にいくつも浮かべたものでできている。

六角形は、空間と材料の両方を節約できる、最も効率的な建築の形と考えられている。蜂の巣も六角形が網の目のように規則的に組み合わされている。

海上都市のプラットフォームは、コンクリートの2倍から3倍硬い石灰岩で覆われているが、浮力もある。この石灰岩は、海中の鉱物に電流を流すことで作られる。この技術によって、時間の経過とともにプラットフォームの強度が増し、自己修復も可能になるため、厳しい気象条件にも耐えることができる。

プラットフォームの下で行われる「海洋農業」のイメージ図。

プラットフォームの下で行われる「海洋農業」のイメージ図。

Oceanix

このプロジェクトでは、海面の高さに合わせて上昇し、食料、エネルギー、水を自給自足できる、洪水に強い都市を開発することを目指している。プラットフォームの下に設置されたケージではホタテや昆布などの養殖ができ、アクアポニックス(野菜と魚を一緒に育てる食料生産技術)によって魚の排泄物を植物の肥料として利用する。

しかし、設計はまだ確定しておらず、都市のサイズも決まっていない。マダモンベは、韓国の建築家と協力して、現地の環境に合わせたプロトタイプを作る予定だと述べている。

オセアニックスは、検討の成果を2022年4月に開催される第2回の円卓会議で発表し、その後、プラットフォームの設計を開始し、建設の承認を得る予定だとしている。

費用は、最終的なデザインや素材によって変更される可能性があるが、推定2億ドル(約230億円)とされている。

「すべてが完成するまでに3年かかる」とマダモンベは言う。

「2025年までには、このプロトタイプが海に浮かぶのが見られるだろう」

台風による浸水の被害を受けやすい釜山

海上に浮かぶプラットフォームの模型。

海上に浮かぶプラットフォームの模型。

Oceanix

人口340万人の釜山市は、世界有数の港湾都市であり、地元の建設業者やエンジニアは海辺での建設経験が豊富だとマダモンベは言う。

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