- この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「フィンテック・アクセラレーター(Fintech Accelerators)」のプレビュー版。
「アクセラレーター」とは、金融機関などの既存企業がフィンテックなどのスタートアップ企業にノウハウを提供したり指導したりすることで、製品開発を支援し、会社の成長を後押しするプログラムのことを指す。期間が設定されており、複数の企業が参加するコホート型である場合が多い。
※この記事は2021年4月30日に公開した記事を一部編集して再掲載しています
既存銀行とフィンテック、それぞれにメリットがある
アクセラレータープログラムの参加者が得られるメリット。「他の起業家との横のつながり」「メンタリング」「財務、法務、マーケティング等のスキル強化」などが挙げられている。
Business Insider Intelligence
もともとは、アクセラレータープログラム運営を専業とする企業によって生み出された仕組みだったが、金融サービスのデジタル化の必要性が高まってきたことで、銀行も独自にプログラムを提供するようになった。各行がデジタルトランスフォーメーションを加速させているなか、この重要性は増している。また、先端的なデジタルトレンドを押さえ業界の変化にいち早く対応できるようにもなる。
スタートアップにとっては、プロダクトやソリューションを開発するためのノウハウの提供や指導を受けられるという利点がある。
大手3行のアクセラレータープログラムを紹介
シティのアクセラレータープログラムに参加したAlkymi社。データの自動抽出によって金融機関の事業運営を効率化する。
Business Insider Intelligence
インサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「フィンテック・アクセラレーター」では、大手銀行(ウェルズ・ファーゴ、バークレイズ、シティ)のアクセラレータープログラムについて解説。各行の担当者に取材し、どのようにプログラムを運営しているのかを聞いた。
本レポートでは、アクセラレータープログラムがスタートアップ企業のソリューション開発をどのように支援しているのかを明らかにする。また、各行のプログラムを経て成長したスタートアップの事例を見ながら、フィンテックと既存銀行それぞれが、プログラムからどのような恩恵を受けているのかを示す。
最後に、各行のアクセラレータープログラムに新型コロナウイルスのパンデミックが与えている影響について触れる。コロナ下において、効果的なプログラムを運営する方法を探る。
本レポートで言及される企業:
Alkymi, Ascent RegTech, Bank of England, Barclays, Citi, ChargeAfter, Coinbase, Cover, Cyberwrite, Flux, Kasisto, Lloyds of London, Roostify, Simudyne, Stripe, Techstars, Wells Fargo, Waffle, Y Combinator
本レポートのキーポイント:
- 銀行(ウェルズ・ファーゴ、バークレイズ、シティ)によって運営され、長く成功を収めてきた3つのアクセラレータープログラムを紹介する。
- ウェルズ・ファーゴのプログラムは、バーチャルで提供されているという点で他行のものと大きく異なる。参加者は同行の拠点に集まる必要がない。ウェルズ・ファーゴは「いかに自社の運営の効率化に貢献できるか」を基準に、プログラム参加者を選定している。スタートアップはメンターシップだけでなく、出資を受けられる可能性もある。
- バークレイズはテックスターズ(Techstars)と共に立ち上げたアクセラレータープログラムを、ニューヨークとロンドンの拠点で運営している。採用されたスタートアップは、同行とその提携企業からメンタリングを受けられる。さらに同行からの資金提供の可能性や、プログラム外で同行とのパートナーシップを組むチャンスもある。
- シティのアクセラレータープログラムは、2013年にイスラエルのテルアビブで「シティ・イノベーション・ラボ」の一環として始まった。スタートアップがプログラムに参加するには、ピッチ・イベントなどで審査をくぐり抜ける必要がある。選ばれた企業はメンターシップや資金調達のための支援を受けられる。
本レポートの完全版では:
- 銀行とフィンテックそれぞれにとって、アクセラレータープログラムのメリットを明らかにする。
- 世界トップクラスの銀行による、3つのアクセラレータープログラムを紹介する。
- スタートアップによるソリューション開発を後押しするため、銀行がどのような支援を行なっているのかを詳細に解説する。
- 過去に各行のアクセラレータープログラムに参加したフィンテックにスポットを当て、プログラムからどのような恩恵を受けたのかを示す。
- 個々のプログラムに対するコロナの影響と、各行の対応について解説する。
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(翻訳・野澤朋代)