都道府県別「デジタル度ランキング」宮城が最下位から急浮上、岐阜・徳島はトップ10入り。コロナ禍で地方のDX化が加速

デジタル化 スマホ 電子決済

コロナ禍で日常生活のデジタル化が全国的に進展。特に、立ち遅れていた地方のデジタル化が加速した。

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オンライン会議、オンラインショッピング、電子決済 ── 。コロナ禍の影響を受け、日常生活のさまざまなシーンでデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいるが、実際にはどの程度の広がりを見せているのだろうか。

実はこの1年で、地方におけるデジタル化が大きく進展したことが、最新の調査で明らかになった。

まずは、以下の表を見てほしい【図1-1〜1-3】。

2021年7月に野村総合研究所が調査した都道府県別「デジタル度」をランキング化したものだ(分析手法などの詳細はリンクを参照)。

デジタル度ランキング2021 1〜10位 東京

【図表1-1】「都道府県別デジタル度ランキング」1〜10位。

出所:野村総合研究所「DCIにみる都道府県別デジタル度」都道府県別DCIスコア(2021年7月)より筆者作成

デジタル度ランキング 2021 11〜30位

【図表1-2】「都道府県別デジタル度ランキング」11〜30位。

出所:野村総合研究所「DCIにみる都道府県別デジタル度」都道府県別DCIスコア(2021年7月)より筆者作成

DigitalRank_fig1-3re

【図表1-3】「都道府県別デジタル度ランキング」31〜47位。

出所:野村総合研究所「DCIにみる都道府県別デジタル度」都道府県別DCIスコア(2021年7月)より筆者作成

野村総研は都道府県別のデジタル度を可視化するため、DCI(デジタル・ケイパビリティ・インデックス)という指数を2019年に開発。以降、毎年「デジタル度」の調査(推計)を行っている。

2021年7月の調査で最もDCIスコアが高かった、つまり住民のデジタル活用能力やデジタル環境の点で最も優れていたのは、東京都。続いて、神奈川県、埼玉県と、経済規模が大きく、「デジタル」に触れる機会の多い首都圏の自治体がトップ3を占めた。

コロナ禍で外出する機会が大幅に減ったことでデジタル化は全国的に進み、1年前の2020年7月に比べ、ほぼすべての自治体のスコアが上昇。各都道府県のスコアを個別に見ると、地方におけるデジタル化が加速している実態が明らかになった。

それを示しているのが、次の【図表2】だ。縦軸を見ると、各都道府県のスコアが1年前と比べて何ポイント上昇(低下)したかが分かる。

デジタル度 ランキング 2020年とのスコア比較 宮城

【図表2】2020年7月の調査と比較したDCIスコアの変化。1年前と比べ、各都道府県のデジタル化がどの程度進んだかを示している。

出所:野村総合研究所「DCIにみる都道府県別デジタル度」2020年から2021年へのDCI変化度

最もスコアを伸ばしたのは、宮城県。2020年1月の調査で最下位、同7月の調査でも最後から2番目の46位だったが、今回の調査では24位に急浮上した。

また、2020年7月に39位だった岐阜県は8位、35位だった徳島県は9位と、一気にトップ10に食い込んだ。

ランキング上位には入らなかったものの、高知県、岩手県、宮崎県、北海道、秋田県、青森県もスコアを10ポイント前後伸ばすなど、地方におけるデジタル化が進んでいることが分かる。

地方躍進の大きな要因は、マイナンバーカードの取得やオンライン公共サービスの利用の広がりだ。

野村総研が2021年7月から8月にかけて実施した「日常生活に関する調査」結果によると、マイナンバーカードの取得率は、富山県では15%から34%、福井県では13%から32%に増加。今回最下位となった青森県も、例えば国税電子申告・納税システム(e-Tax)の利用率を見ると7%から14%に上昇している。

その結果、東京の“一人勝ち”状態が軽減され、地域間格差が縮小してきた。

今回と2020年の調査を比較すれば、その傾向が見て取れる(【図表3】は2020年1月、【図表4】は2020年7月の調査結果)。

デジタル度 ランキング 2020年1月

【図表3】2020年1月時点の都道府県別デジタル度ランキング。

出所:野村総合研究所「社会のデジタル度を可視化する」都道府県別DCI(2020年1月時点)

デジタル度 ランキング 2020年7月

【図表4】2020年7月時点の都道府県別デジタル度ランキング。

出所:野村総合研究所「社会のデジタル度を可視化する」都道府県別DCI(2020年7月時点)

今回の調査では、高速通信回線普及率や情報端末保有率などの項目をスコア化した「コネクティビティ」が、地域間格差の最大の要因であることも明らかになった。

調査をまとめた野村総研未来創発センターの森健グローバル産業・経営研究室長は、「コロナ禍によるテレワーク制度の浸透は、地方への『ヒトの誘致』の可能性を広げたという点で大きな意味がある」と指摘。

さらに、コネクティビティを改善することで、住民の利便性が上がるだけでなく、大都市圏からのテレワーカーやワーケーション需要を取り込める可能性も出てくると話す。

「(今回トップ10に入った)徳島県の神山町は、高速通信インフラを整備してIT企業のサテライトオフィスを誘致しましたよね。

そこまで大がかりではなくても、ITスキルの高い人たちが拠点として利用できる環境を整えれば、それが地域の『デジタル度』の底上げにつながる。その意味で、今後はコネクティビティの改善がとても大切になってくると思います」(森氏)

(取材、文・湯田陽子

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