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- コーヒーと紅茶にはいくつかの健康を守る効果があることが分かっている。
- ある大規模な研究では、どちらかの飲み物を飲むと、脳の健康につながることが示されている。
- どちらか、あるいは両方の飲み物を1日2杯から3杯飲むと、脳卒中や認知症のリスクが低くなるという。
コーヒーと紅茶をよく飲む人は、これらの飲み物が長期的な脳の健康に役立つ可能性があるという最新の研究結果に同意することだろう。
査読付き学術誌「PLOS Medicine」に2021年11月16日付けで掲載された研究論文によると、中高年で1日に2杯から3杯のコーヒーか紅茶を飲む人(あるいは両方を合わせて1日に4杯から6杯飲む人)は、飲まない中高年の人に比べて、認知症や脳卒中のリスクが低いことが分かった。
研究者たちは、イギリスの中高年の健康情報を収集したデータベース、UKバイオバンク(UK Biobank)の登録者36万人以上について、10年から14年にわたって追跡調査を行った。対象者は50歳から74歳までの中高年で、すでに脳卒中や認知症を患っている人は除外された。
コーヒーを2杯から3杯、紅茶を3杯から5杯、または両方を組み合わせて飲む人は、認知症や脳卒中のリスクが最も低いことが分かった。また、コーヒーや紅茶をまったく飲まない人と比べて、2杯から3杯飲む人は脳卒中のリスクが32%、認知症のリスクが28%低かった。
またコーヒーを飲む人は、脳卒中後に認知症になるリスクも低かったが、紅茶しか飲まない人には同じ効果は見られなかった。
コーヒーにも紅茶にも、通常、ある程度のカフェインが含まれている。過去の研究では、このカフェインが脳を保護する効果があることが示されている。ただし、今回の研究で利用したデータベースでは、コーヒーを飲むグループにカフェイン抜きを好む人も含まれていた。
また、コーヒーと紅茶には、似たようなポリフェノールが含まれている。これは植物に含まれる微量栄養素の一種だ。このポリフェノールの成分、つまりコーヒーと紅茶に共通する抗酸化物質が、脳の退化やその他の健康問題に対処する役割を果たしている可能性がある。
なお、論文の著者らは、コーヒーやお茶を大量に飲んだからといって、脳卒中や認知症になるのを防ぐことはできないと注意を促している。
[原文:Drinking 4 to 6 cups of coffee and tea a day may reduce risk of stroke and dementia, study says]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)