イギリスのアトム銀行は週休3日制を試験導入した最新の企業だ。
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- イギリスのアトム銀行は、430人の行員に対して週4日労働制を導入したと発表した。
- 1週間の労働時間が37.5時間から34時間に短縮され、追加の休日は任意に決められる。
- 他の企業は一部地域のオフィスや部門でそのような試験を行っているが、アトム銀行の場合は全社的なものだ。
あるイギリスの銀行が、430人の全行員に週休4日制を適用した。同行は、生産性を維持しながら労働者のストレスを軽減できるかどうかを検証するため、労働時間の短縮を実験する企業のトレンドに加わった最新の事例になった。
2014年に設立されたデジタル専業銀行であるアトム銀行(Atom Bank)は、2021年11月23日にこの方針を発表し、この週休3日制は任意であり、給与にも影響しないと述べている。多くの有名企業が、特定の部署や地域で週休3日制を試行しているが、アトム銀行は社内の全員を対象としている。
労働時間は従来の週37.5時間から34時間に変更され、休日を増やしたい場合は、一日に少し長めに働くことになる。アトム銀行は、ほとんどの社員が月曜か金曜に休みを取ることを想定していると、フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)に語っている。
また、遅くまでオフィスにいたくないのであれば、週5日の勤務を続けることができるが、その場合でも週労働時間短縮の恩恵を受けることができるという。この方針は11月1日から開始されたと、同行のウェブサイトに掲載された声明で述べられている。
同行はこの施策について、従業員のワーク・ライフ・バランスを改善してメンタルヘルスとウェルビーイングの向上へ注力し、環境への影響を軽減するためだと述べている。
「『会えないと思いが募る』と言われるが、この2年間は、愛する人と充実した時間を過ごすことがいかに大切かを教えてくれた」とアトム銀行は声明で述べている。
「加えて、パンデミックの中で仕事をすることによる余計なストレスは、我々の多くに仕事と私生活の関係を見直すことを強いるものだった」
アトム銀行のマーク・ミューレン(Mark Mullen)CEOは、生産性や顧客サービスの質の低下は見られないが、「人々が適応するには時間がかかるだろう」とCNN Businessで述べている。
「同じやり方で20年過ごしてきたのに、突然新しいやり方をやれと言われたら、金曜日の朝起きたときに、『この時間をどうしよう』と思うだろう」
ユニリーバ・ニュージーランドや日本マイクロソフトなど、他の企業でも週4日勤務制をテストしている。マイクロソフトは、この実験によって生産性が40%向上し、会議がより効率的になり、労働者がより幸せになることがわかったとしている。
一方、アイスランドは2015年から2019年までの週労働時間の短縮の試験で「圧倒的な成功」を宣言し、スペインは2021年初めに、テストする意欲のある200社に資金を提供するパイロットプログラムを発表した。
インサイダーはアトム銀行にコメントを求めている。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)