3割が「通夜葬式の最中」4割が「セックスの直後」にチェック。驚愕の米スマホ利用実態調査「トイレ」は9割

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スマートフォンの利用実態に関して、納得の調査結果がアメリカのあるウェブサイトで発表された。

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もはや世界の日常生活を支えるインフラとも言えるスマートフォン。

その利用実態について、3割の人が「セックスの最中にプッシュ通知が届いて気が散ったことがある」、4割が「セックスのあとにすぐスマートフォンをチェックする」など、一風変わった、しかし納得の調査結果が、アメリカのあるウェブサイトで発表された。

調査したのは、世界的に知られるトランプゲーム「ソリティア」を無料オンライン提供する米人気サイト「ソリティアード(Solitaired)」。世界中のメディアが調査結果を引用して紹介し、SNSなどで話題になっている。

調査の動機について、同サイトはこんな味わいのある文章をブログ投稿している。

「これからの歴史家たちが過去をふり返るとき、かつて存在した『退屈』なるものは、2010年前後に地球から消滅したと結論するだろう。

スマートフォン、数えきれないほどのアプリやゲームの登場、常時接続。それらの登場により、われわれは昼夜を問わずスケジュールのあらゆる隙間を埋める手段を手に入れた。

私たちの運営するサイトは、楽しいやり方で世界の人々を接続するゲームを生み出すことを目標としてきた。そしてそうした取り組みの傍らには常に、人々は私たちのつくったゲームを楽しむ時間をいつどこで確保しているのか、人々は普通どんなふうにスマートフォンを使っているのか知りたい、そんな好奇心がついてまわった」

そんな動機にもとづいて行われた調査の詳細な結果をさっそく見てみよう。

なお、調査は2021年10月8日〜9日の両日、アメリカの同サイト利用者を対象に行われた。回答者は1098人、性別比率は女性51:男性49、年齢は18歳から68歳まで(平均30歳)とされている。

アメリカでの調査とはいえ、日本でも状況はそんなに変わらないのでは…多くの人がそんな感想を抱くこと請け合いだ。

「宗教的儀礼の最中にスマートフォン」が6割も

最初は『ヒマつぶしにスマートフォンを使ったことがあるのはどんなとき?』との設問に対する回答だ。下の【図表1-1】【図表1-2】を見てほしい。

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【図表1-1】設問『ヒマつぶしにスマートフォンを使ったことがあるのはどんなとき?』の回答結果、1〜10位まで。

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【図表1-2】設問『ヒマつぶしにスマートフォンを使ったことがあるのはどんなとき?』の回答結果、11位以下。

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上位に並ぶ『テレビを見ているとき』(99%)『行列待ちをしているとき』(98%)『公共交通機関やライドシェアを使った移動中』(98%)は誰もが身に覚えのある行動だろう。

同サイトが「最も驚くべきトレンドのひとつ」と特筆したのが、『歩道を歩いているとき』(88%)『犬の散歩中』(84%)という回答の多さ。歩きスマホはすでに日常茶飯事。

別の設問で『スマートフォンを見ていて(穴に落ちたり、何かにぶつかったり)ケガをしたことがある』との回答が42%もあったのも納得できる。

さらに、同サイトが「もはや神聖な場所などないのだ」と嘆くのが、『宗教的儀礼の最中』(60%)『結婚式の最中』(50%)『通夜あるいは葬式の最中』(31%)との結果。『瞑想の最中』と回答した人も37%いたようだが、これはどんな状態なのか不明だ。

この設問から派生して、『1日の最後にするのはスマートフォンのチェック』と答えたのは全体の86%。『1日の最初にするのはスマートフォンのチェック』と答えたのも82%。誰もがスマートフォンにどっぷり浸かって生きている。

「トイレとスマートフォンは鉄板の組み合わせだ!」

次に『スマートフォンのコンテンツが絶対必要不可欠なのは?』との設問に対する回答が下の【図表2】だ。

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【図表2】設問『スマートフォンのコンテンツが絶対必要不可欠なのは?』の回答結果。

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運転あるいは通勤』と『エクササイズ』がともに60%。音楽を聴きながらの運転・通勤とか、YouTube動画を参考にしながらの運動とかだろう。『掃除』も51%と過半数を占めたが、これも退屈な日々の家事を音楽でまぎらそうということか。

この設問から派生して得られた発見として、同サイトは「驚くべきことに90%の人が普段からトイレでスマートフォンを使い、75%がしばしばスマートフォンに夢中になって想定以上に長い時間をトイレで過ごしてしまうと答えた」としている。

「トイレとスマートフォンは鉄板の組み合わせだ!」という同サイトの叫びには納得させられる。

続いて、下の【図表3】は『(プッシュ)通知が届いたあと、スマートフォンを見ずにどのくらい我慢できますか?』との設問に対する回答。

1分以内』(18%)『数分以内』(24%)だけで半分近くを占める。

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【図表3】設問『(プッシュ)通知が届いたあと、スマートフォンを見ずにどのくらい我慢できますか?』の回答結果。

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興味のないニュースなど不要の通知がたくさん来て集中できないから無視する、通知をオフにしている、というまっとうな声も世のなかには多いとは思うが、少なくともこの調査に関する限り、いわば「通知中毒」が慢性化していると感じられる。

次は意地悪な設問だ。『思わずスマートフォンを見てしまうのは誰と話しているとき?』の回答結果が下の【図表4】。

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【図表4】設問『思わずスマートフォンを見てしまうのは誰と話しているとき?』の回答結果。

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まったく知らない他人』(28%)は、まあそうだろう。『親友』と答えた人が21%もいるのも、良いほうに考えれば、気楽に過ごせる相手だからこそなのかもしれない。

上司』との会話中にスマートフォンを使う人はさすがに4%にとどまった。食い扶持は大切だ。

なお、誰かと話している最中にスマートフォンを見ることを、いまでは英語で「ファビング(Phubbing)」と言う。ここ10年ほどで定着した新たな単語だが、スマートフォンの普及はそのくらい急速に人々のコミュニケーションのあり方に変化をもたらしている証左とも言えるだろう。

人間の営みの最も「深い」部分にまで……

最後に、図表はないが、同サイトが「私たちの生活の最も“深い”部分にまでスマートフォンが侵食していることを残念ながら報告せねばならない」として特筆しているのが、性生活とスマートフォンの関係だ。

今回の調査を通じて、3人に1人が『セックスの最中にプッシュ通知が来て気が散ったことがある』と回答。さらに、『セックスの直後にまずやることは?』との設問に対して、40%がスマートフォンのチェックをあげたという。

最新のテクノロジートレンドはもはやスマートフォンではなく、VRヘッドセットなどを使って実現される仮想現実「メタバース(Metaverse)」だ。

思考や視野の向かう先が現実空間でなくなるときに、人間の行動がどう変わっていくのか、まったく想像も予測もできない。「もはや神聖な場所などないのだ」という嘆きが、至極名言に思えて仕方がない。

(文・川村力

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