アメリカ国立アレルギー感染症研究所の所長、アンソニー・ファウチ博士。
AP Photo/Susan Walsh, Pool
- アンソニー・ファウチ博士は、オミクロン株がアメリカに上陸する前に対策を「強化する」必要があると述べている。
- それには、より多くの人々へのワクチン接種と追加接種が含まれるとファウチ博士は述べた。
- 彼の発言は、新型コロナウイルスのオミクロン株が南アフリカで最初に検出され、他の国に広まったときに行われた。
感染症の専門家、アンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は、オミクロン株がアメリカに上陸する前に、備えを「強化する必要がある」と述べた。
2021年11月28日のABCのテレビ番組「This Week」のインタビューで、キャスターのジョージ・ステファノプロス(George Stephanopoulos)がファウチ博士に、国内でCOVIDの新種が検出されたかどうかを質問した。
「いいえ、まだ検出されていない。そして我々は非常に優れた監視システムを持っている」と博士は述べた。
「しかし、すでに複数の国で流行しているウイルスがあれば、必然的にアメリカ国内にも入ってくるということはわかっている。問題は、それに対する準備ができているかどうかだ。我々がデルタ株に対して行っている対策を、さらに強化する必要がある」
ホワイトハウスの首席医療顧問でもあるファウチ博士は、ブースターショットを含め、より多くの人々にワクチン接種を行うことが、オミクロン株に備えるための効果的な方法になるだろうと述べた。
「もし、それがいつやってきてもいいように、我々の力を結集して、それに備えなければならない。ワクチン接種やマスク着用など、やるべきことはすべてやるべきだ」
「必然的に、それはやってくるだろう。問題は、我々にその準備ができているかということだ」
アンソニー・ファウチ博士はステファノプロスにこう語った。
「いつ、どのような形であれ、オミクロン株がアメリカに到達するならば、医療プロトコルは 『強化』されるべきだ」
世界保健機関(WHO)は、11月26日にオミクロン株を「懸念される変異株(VOC)」に指定した。この変異株は南アフリカで最初に検出され、ボツワナやベルギーなど他の国にも広がった。また、イギリスの保健当局によると、27日にイギリスで2名の患者が見つかっている。
Insiderがすでに報じているように、アフリカ南部からの渡航制限を行う国が増えている。アメリカも8カ国からの渡航を制限する予定だ。ファウチ博士は、渡航禁止は「事態を遅らせる」ことはできるが、「国内に入ってくるのを完全に防ぐ」ことはできないだろうと述べている。
「我々にできるのは、準備を整えるために十分な時間を稼ぐことだ。今、渡航禁止措置をとるのであれば、その時間を不足しているものを補うことに活用してほしい」とファウチ博士はインタビューの中で語っている。「そして、ウイルスについての知識を深め、ワクチンによって誘導される抗体との関係を学び、何よりもこの時間を利用して、人々にワクチンを接種してもらい、必要ならば追加接種をするべきだ」
さらに、「この情報を迅速に提供してくれた南アフリカの透明性には敬意を表さなければならない。彼らは我々に、よりよい準備をするための時間を与えてくれているのだ」と付け加えた。
[原文:Fauci says health preparation needs to be 'revved up' before Omicron variant hits the US]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)