モデルナのCOVID-19ワクチン。
Rick Bowmer/AP Photo
- モデルナの最高医療責任者は、2022年初頭までに最新のワクチンをリリースする可能性があると述べた。
- ワクチンをアップデートするというニュースは、新しいオミクロン株が世界的に広まり始めたときに発表された。
- ファイザーとジョンソン&ジョンソンは、オミクロン株に対する現行ワクチンの有効性をテストしているという。
モデルナ(Moderna)は、2022年初頭までにオミクロン株と戦うためのCOVID-19ワクチンをリリースする可能性があると述べた。
同社の最高医療責任者、ポールバートン(Paul Burton)は2021年11月28日、イギリスBBCの番組「Andrew Marr Show」で、「現在のワクチンで防御できるかどうかは、今後2、3週間で分かるはずだ」と述べた。
「もし、新しいワクチンを作らなければならないとしたら、それが大量に入手できるようになるのは2022年初頭になる」とバートンは続けた。
この最新のワクチンについての発言は、南アフリカで検出されたオミクロン株が、世界中に容易に広がる可能性があると科学者や保健関係者が警告する中で行われた。Insiderがすでに報じているように、この変異株はイスラエルやベルギーなど、いくつかの国に広がっており、ヨーロッパ、アジア、北米では相次いで渡航制限が行われている。イギリス保健省の担当者によると、27日にはイギリスで2例が検出されたという。また、アメリカの感染症の第一人者、アンソニー・ファウチ(Anthony Fauci)博士は、すでに上陸している可能性もあると述べている。
この変異株には複数の変異があり、COVID-19ワクチンを接種した後に体内にできた抗体を回避しやすくなる可能性がある。また、この変異は、ワクチンを接種した人の間でも、感染が広がりやすい原因になるかもしれない。
世界保健機関は、オミクロンを「懸念される変異株(VOC)」に指定した。これは、最も脅威的なコロナウイルス変異株に与えられる種別だ。2021年に流行したデルタ株は、最後にこの指定を受けた変異株だった。
既存のCOVID-19ワクチンがこの変異株を防御できるかどうかは明らかではない。 しかし、ワクチンメーカーはすでに選択肢を検討し始めている。
モデルナは26日のニュースリリースで、現在のワクチンをオミクロン株に対してテストしていると述べた。
「2021年に入ってから、モデルナは懸念される新しい変異株に対する包括的な戦略を進めてきた」と同社は述べている。
「当社は、60日から90日で新しいワクチンを臨床試験に進める能力を繰り返し実証してきた」
一方、ファイザー(Pfizer)は、オミクロン株が現行のワクチンに耐性を示すことが判明すれば、新しいワクチンを100日以内に製造・配布できるという。同社の広報担当者がロイターに語ったところによると、同社は2週間以内に、この変異株が現在のワクチンに耐性を持つかどうかを確認する予定だという。
「ファイザーとビオンテック(BioNTech)は数カ月前から、変異株が見つかった場合には6週間以内にmRNAワクチンを適合させ、最初のバッチを100日以内に出荷できるようにしている」と同社は声明で述べた。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、オミクロン株に対するワクチンの有効性の試験を開始した。
[原文:Moderna says it might release a modified COVID-19 vaccine for the Omicron variant by early 2022]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)