コロナ禍のユニバーサル・スタジオ・ジャパンに、2年ぶりのクリスマスが訪れた。
撮影:小林優多郎
感染者数が低い水準を維持し続けていることで、街や各地の行楽地には人が戻ってきている。
一方で、諸外国では新たな変異株が発見されたことを受け、岸田文雄首相が「外国人の入国について、11月30日午前0時より全世界を対象に禁止する」との予防措置を表明するなど、今後の動向に注目が集まっている。
先行きが見えない中でも、レジャーや観光ビジネスの事業者はさまざまな工夫を凝らして、各種イベントを開催している。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、USJ)は11月26日から、クリスマスイベントを開催しはじめた。プレス向けに公開されたプレビューイベントに参加してみると、そこにはコロナ禍で培ってきたさまざまなノウハウが活かされた新企画があった。
11月後半からクリスマス、年末年始、春休みの卒業旅行シーズン…‥と、平常であれば遊園地では書き入れ時が続く
メルズ・ステージでの「パワー・オブ・ポップ〜クリスマス・エディション」。
撮影:小林優多郎
多くの観光客がマスク着用で、クリスマスコスチュームを身につけたキャラクターたちと楽しい時間を過ごしていた
「ミニオン・ハチャメチャ・グリーティング 〜クリスマスver.」にて。
撮影:小林優多郎
パーク内ではマスク着用やアルコール消毒が適宜促されている
撮影:小林優多郎
クリスマスの目玉といえば、ツリー。ただし、定番の夜のイルミネーションだけではなく、日中のアクティビティーに力を入れている
グラマシーパークにて。
撮影:小林優多郎
1日3回、2022年1月10日までの間は「NO LIMIT! タイム」が開催され、エルモやハローキティ、スヌーピー、ミニオンたちとツリーの周りでダンスができる
コラボレーションショー「NO LIMIT! タイム」は、20周年記念でNiziUとコラボしたクリスマス特別仕様。
撮影:小林優多郎
印象的だったのは、「感染症対策だから」人と人との間隔を開けるのではなく、「思いっきりダンスをするために」自然に人との間隔をつくるように促されるところだ
撮影:小林優多郎
もちろん夜のイルミネーションも素晴らしい。ただし、目立ったアクティビティーはなし
撮影:小林優多郎
さらに例年(2020年は中止)とは違い、ニューヨーク・エリアの広場に移し、周囲の建物にはプロジェクションマッピングをすることで、密にならないよう360度好きなところで“映える”ツリーを用意した
撮影:小林優多郎
クリスマス限定フードも登場。2021年はジュラシック・パークをテーマにした「ディスカバリー・レストラン」に初めてクリスマスメニューが提供される。
ディスカバリー・レストランにて、「ジャングル・クリスマス・ツリーセット〜ローストビーフ&古代米入りライス」(ソフトドリンク付き1900円)
撮影:小林優多郎
「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」にあるレストラン「3本の箒」でも、クリスマス・プレート(2400円)を提供。
撮影:小林優多郎
食べ歩きメニューの「スノーマン・クリームリゾット」(750円)は、濃厚なホワイトソースが寒いクリスマスにはぴったりだが、食べ進めると驚きの内容が隠されていた。詳細は現地のメニューを完食してご覧あれ。
撮影:小林優多郎
3月にオープンした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」にも、初めて冬が訪れる
撮影:小林優多郎
アトラクションの目立った変更はないが、防寒グッズなど寒い時期を意識した商品が登場
撮影:小林優多郎
ホットドリンクメニューでは、ヨッシーが主役のアップルティーやスーパースターのゆずレモネードが新商品だ
撮影:小林優多郎
任天堂もUSJも、来場者のためにパークの隠し要素は公にしていないが、これからの来場者に向けて新要素を公表した
撮影:小林優多郎
1つはニンテンドー・ワールドに入る手前に配置された謎の数字。実はそれぞれに意味があり、例えば「198509」はファミリーコンピュータ向けの『スーパーマリオブラザーズ』の発売時期。
撮影:小林優多郎
マリオカートのアトラクションの待機列にあるこの展示は、「プレイヤー(マリオチーム)と対戦するクッパチームが、作戦会議をしている」という設定。
撮影:小林優多郎
ニンテンドー・ワールド開園直後からSNSで話題だった「ピクミン」も解禁。実はエリア内に点在しており、「マリオの世界でコインを運んだり、のんびりしている」らしい。
撮影:小林優多郎
苦難を工夫に、コロナ禍でのアニバーサリー
11月26日10時ごろの新アトラクションの待ち時間。
撮影:小林優多郎
USJのマーケティング担当者によると、「USJが最も繁盛するのはハロウィン」とのことで、9月17日開始の新アトラクション「鬼滅の刃 XRライド」では、最大で300分もの待機列ができることもあったという。
筆者の訪れた11月26日はクリスマスシーズンの初日だったが、昼頃に確認した同アトラクションの待機時間は200分前後。来場者数やアトラクションへの参加人数を制限しているとはいえ、活気が戻ってきているのを肌で感じた。
USJは2021年3月で開業20年となった。
撮影:小林優多郎
2021年3月に、USJは開業20周年を迎えた。
来たる2022年春にはポケモンやマリオも含めたパレード、2022年3月4日からは集英社・週刊少年ジャンプ連載の「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博・著)とのコラボアトラクションを予告している。
感染状況を気にかけながらのアニバーサリーという厳しい状況下ではあるが、大規模テーマパークがコロナ禍での感染対策と集客企画をいかに両立していくかは、他のさまざまな観光事業者も注視しているのではないか。
(文、撮影・小林優多郎 取材協力・ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)