ジェフ・ベゾスがCEOを務めるブルーオリジンは、宇宙飛行に行く乗客のために「アストロノーツ・ビレッジ」というキャンプ場を用意している。
Blue Origin/Joe Raedle/Getty Images
- ブルーオリジンの乗客は、打ち上げ前に同社の「アストロノーツ・ビレッジ」でエアストリームのトレーラーに寝泊まりする。
- 最初の乗客となった元NASAのクリス・ボシュイゼンは、トレーラーを見てアポロ時代を思い出したとInsiderに語った。
- ビレッジにはレストラン、バー、焚き火台があり、午後になると乗客やスタッフが集まってくる。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezo)の会社のロケットで約100キロメートル上空に向けて打ち上げられる宇宙旅行者は、まず、テキサス州の砂漠にあるキャンプ場のエアストリームのトレーラーで過ごす必要がある。
2021年10月、「スター・トレック」の俳優、ウィリアム・シャトナー(William Shatner)や他の2人の乗客とともに、ブルーオリジン(Blue Origin)の宇宙飛行に参加したクリス・ボシュイゼン(Chris Boshuizen)は、打ち上げ前の数日を「アストロノーツ・ビレッジ(Astronaut Village)」と呼ばれるキャンプ場で過ごしたと述べている。
宇宙飛行の前後にシャトナーのサポート役を務めた企業家のドン・ディコスタンツォ(Don DiCostanzo)が以前Insiderに語ったところによると、アストロノーツ・ビレッジは、テキサス州ヴァンホーンにある発射場から約24キロメートル離れた場所にあるという。
ブルーオリジンのアストロノーツ・ビレッジ。
Blue Origin
キャンプ場は長い砂利道を下ったところにあり、「厳重に警備されていた」と、ディコスタンツォは述べた。なお彼自身は近くのホテルの部屋に泊まり、その費用はブルーオリジンが負担したという。
元NASAのエンジニアであるオーストラリア人のボシュイゼンは、この僻地にあるアストロノーツ・ビレッジを「完璧な小さいキャンプ場」と表現した。
宇宙旅行者には、飛行前の宿泊用に銀色のエアストリーム・トレーラーが割り当てられる。ボシュイゼンによると、その内装は「キャンピングカーというよりホテルに近いもの」に作り直されているという。
アストロノーツ・ビレッジに並ぶトレーラー。
Anonymous
「5つ星ホテルのようなものではない」とボシュイゼンは述べ、トレーラーを見ているとアポロの時代を思い出すと付け加えた。
「それぞれの部屋のあちこちに歴史的な品々が置かれ、過去と未来がつながっている場所にいるという実感がある」
アストロノーツ・ビレッジ内の施設。焚き火台がある。
Anonymous
2021年7月、ベゾスと他の乗客もブルーオリジンのニューシェパード・ロケットでの最初の宇宙飛行に先立って、アストロノーツ・ビレッジに滞在した。
ブルーオリジンによる次の宇宙飛行には、情報番組「グッドモーニング・アメリカ」のキャスターであるマイケル・ストレイハン(Michael Strahan)、宇宙飛行士アラン・シェパード(Alan Shepard)の娘であるローラ・シェパード・チャーチリー(Laura Shepard Churchley)ほか、4人が参加することになっており、彼らも飛行の前にビレッジに滞在する。
このキャンプ場にはレストランやバーも併設されている。
アストロノーツ・ビレッジに併設されたバー。
Anonymous
アストロノーツ・ビレッジの中央には、多くの椅子に囲まれた焚き火台があり、スタッフやゲストのミーティングエリアとなっている。
「そこに座っておしゃべりしたり、トレーニングが終わった午後にお酒を飲んだりと、絆を深めるのに良い機会だった」とボシュイゼンは言う。
「宇宙飛行士の絆、そしてゲストやスタッフの絆を深められるような造りになっている」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)