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日産が目指す「本当にサステナブルなEV」とは? 欧米にバッテリー二次利用拠点新設、V2X商用化を発表

日産 長期ビジョン

日産が長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を発表。

提供:日産自動車

バッテリーを中心とする循環サイクルを通じて、電気自動車(EV)を真に持続可能なものにしていく――。

日産自動車が11月29日、YouTubeで中継した長期ビジョン発表。

EV投資額や全固体電池、コンセプトカーに注目が集まったが、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)、アシュワニ・グプタ最高執行責任者(COO)両トップの会見は「本当にサステナブルなEV」に対する「日産の自信」を伺わせる内容でもあった。

YouTubeで中継された長期ビジョン発表会見。

出所:日産自動車「【中継】日産の長期ビジョンについての発表会見」

日産は世界初の量産型EV「日産リーフ」(初代リーフ)を発売した2010年、住友商事と車載バッテリーの二次利用を行うフォーアールエナジーを設立。初代リーフの中古バッテリーが増えることを見越し、2018年には福島県浪江町に使用済みリチウムイオンバッテリーの再利用・再製品化を行う日本初の工場を稼働させた。

日産は今回、フォーアールエナジーを通じて培ってきた経験と、バッテリーの状態を診断する性能測定技術を生かし、海外にもバッテリー二次利用施設を新設すると発表。2022年に欧州、2025年にアメリカに設立する。

世界的なEVシフトが加速する一方で、その流れに急ブレーキをかけているのが、バッテリーの原材料となるリチウムやコバルトといった天然資源の不足と価格高騰だ。

そのため、自動車・電池関連メーカーなどさまざまな企業が、使用済みバッテリーのリサイクル・リユースに力を入れている。

国際エネルギー機関(IEA)が5月に発表した報告書によると、寿命に達したEVバッテリーが2030年以降に世界で急増。2040年にはバッテリー全体の12%がリサイクルで賄われると予測している。

IEA EVバッテリー リサイクル需要 見通し

IEAが公表したEVバッテリーのリサイクル需要の見通し(持続可能な開発シナリオにおける選択された鉱物の一次供給要件の削減へのバッテリーのリサイクルと再利用の貢献、2030-2040)。

出所:Contribution of recycling and reuse of batteries to reducing primary supply requirement for selected minerals in the Sustainable Development Scenario, 2030-2040

日産は今回、EV単体だけでなく、生活や社会のなかでバッテリーを活用する「EVエネルギーエコシステム」の構築にも力を入れていくことを強調。

クルマとあらゆるモノを無線通信でつなぐ「V2X(Vehicle to X)」を、2020年代半ばに商用化することを打ち出した。

日産は2011年、EVを「移動式の蓄電池」として、バッテリーに蓄えた電力を供給するV2Xモデルを構築。現在、世界各国でV2Xの実証試験が行われているが、その7割以上で日産リーフが使用されているという。

日本では、地球温暖化対策や災害時の緊急支援として日産リーフを活用する「ブルースイッチ」活動を進めており、地方自治体など150を超えるパートナーと協定を締結。その数は今も増え続けている。

(取材、文・湯田陽子

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