「フェイスブック(Facebook)」から「メタ(Meta)」に社名変更し、デジタル仮想空間「メタバース(Metaverse)」に注力する方針を発表したマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)。険しい道のりが見えてきた。
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フェイスブックの従業員たちはザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)はじめ経営陣に対する信頼を失いつつあり、直属の上司に対する満足度は高まっているにもかかわらず、「引き続き会社にとどまる意思がある」従業員は半数にも満たないことがわかった。
Insiderが独自に入手した社内調査の結果から明らかになった。
社名を最近「メタ(Meta)」に変更したソーシャルメディアの巨人フェイスブックは年に2回、「パルス(Pulse)」と呼ばれる定期社内調査を行い、従業員の感情把握に努めてきた。
Insiderはこのたび、2021年11月に社内共有されたばかりの最新調査結果を入手した。
フェイスブックは元幹部フランシス・ホーゲンによる内部告発と米上院公聴会での証言をはじめ、数年来くり返されたスキャンダルを経たいま、人材の大量流出危機に直面していると言われる。
会社の将来を「楽観」する声も半数を切りそう
調査結果の第1セクション「フェイスブック従業員は直属の上司についてどんな感覚を抱いているか」では、「仲間」(84%)「コラボレーション」(83%)「チームへの影響力」(85%)と、好意的な回答が圧倒的多数を占めた。
しかし、このあとの「フェイスブックについて従業員はどう感じているか」や「会社での個々の経験についてどう感じているか」の項目では、好意的な回答は直属の上司に対してより少なかった。
第2セクション「フェイスブック従業員は会社についてどんな感覚を抱いているか」では、好意的な回答内容が65%。2021年上半期に行われた前回調査から2ポイントのダウンだった。
詳細をみると、
- 従業員の「経営陣に寄せる信頼」について、好意的な回答は上半期から7ポイントダウンの49%だった。
- フェイスブックにこのまま「とどまる意思」について、好意的な回答は上半期から2ポイントダウンの47%にとどまった。
- 会社について「楽観」としたのは上半期比11ポイントダウンの51%、「誇り」と回答したのは同7ポイントダウンの55%だった。
第3セクション「フェイスブック従業員は個々の経験についてどんな感覚を抱いているか」では、好意的な回答が上半期より1ポイントアップして61%となった。
詳細をみると、
- 「ワークライフバランス」については、上半期との比較では5ポイントアップだったが、割合としては46%で過半数に届かなかった。
- 「(楽しんで働ける)仕事の強度」については、好意的な回答は42%にとどまった。
フェイスブックの広報担当に上記の調査結果についてコメントを求めたところ、以下のような回答があった。
「フィードバックは当社のカルチャーの中核をなす取り組みです。うまくいっている点や改善すべき点を把握するため、全従業員を対象に定期的な社内調査を実施し、好意的な回答が減った項目については、あらためて従業員の声に耳を傾け、フィードバックを真摯(しんし)に受けとめた上で確実に行動に反映させるようにしています」
(翻訳・編集:川村力)