業界を越え広がるサブスクモデル。「継続的な課金」につながる要因とは?

  • この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「サブスクリプション決済エコシステム(Subscription Payments Ecosystem)」のプレビュー版。

消費者によるサブスクリプション・サービスの利用が拡大する中、「継続的な収入」によるメリットを得ようと、サブスクリプション・モデルを採用するマーチャントが増えている。「B2CのEコマース」「動画配信サービス」「音楽配信サービスの3領域だけで、アメリカにおける2020年の決済額は540億ドル(約5兆8000億円)を超えるとインサイダー・インテリジェンスは予測する。サブスクリプション決済市場がいかに大きいかが分かる。

このほかにも「健康・フィットネス」「ゲーム」「交通」を含むさまざまな業界で、サブスクリプション・モデルが取り入れられている。マーチャントにとっては収益を得るための、サブスクリプション・ソリューション・プロバイダーにとっては決済額を増やすための機会は豊富にある。

だが、サブスクリプション・モデルには潜在的な課題もあり、マーチャントはこれに対処する必要がある。「サブスクリプション決済」とは、「プロダクト」「メンバーシップ」「サービス」などの対価として、定期的または使用ベースで繰り返し発生する支払いのことを指し、マーチャントに新規の安定した収益機会を提供する。

サブスクリプション決済では、利用者は初回に決済情報を入力し、次回以降は同じ口座に課金される。そのため、問題が起きた際に利用者による適切な対処が得られないことがある。そうなるとマーチャントや決済事業者は顧客を失い、回復が難しくなる。

※この記事は、2021年5月7日に公開した記事を一部編集して再掲載しています

3タイプのサブスク決済ソリューション提供事業者

世界におけるサブスクリプション・サービスの利用率

世界におけるサブスクリプション・サービスの利用率。

Business Insider Intelligence

ソリューション・プロバイダーは、サブスクリプション・サービスの隆盛をチャンスと捉えている。マーチャントに決済サービスを提供し、自らの成長に繋げようと考えている。

これらの企業は3つのタイプに分類される。1つ目が、StripeやPayPalなどのペイメント企業だ。以前からマーチャントの決済処理をハンドリングしていたが、サブスクリプションに特化したソリューションも提供するようになっている。

2つ目がOrdergrooveやRecurlyなどサブスクリプション・ソリューション専門事業者。決済処理自体は行わないが、支払いを含むサブスクリプション・プロセスのさまざまな段階でマーチャントを支援するツールを提供している。

3つ目が、BigCommerceやShopifyのようなマーチャント・プラットフォームだ。マーチャントに対し、複数のサブスクリプション・ソリューション提供事業者や独自サービスにアクセスできる環境を整えている。

これらの事業者はマーチャントに選ばれることで、決済処理額と収益を増やすことができる。

サブスク決済市場を分析。主な事業者や決済の仕組みを解説

サブスク決済市場

小売業者にとって、サブスクリプション・モデルは「収益性の向上」「収入増」「顧客維持率の向上」「顧客生涯価値の増大」など、多くの利点がある。

Business Insider Intelligence

インサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「サブスクリプション決済エコシステム」では、最初にサブスクリプション決済分野でのチャンスの大きさや、市場の成長を促している要因を明らかにする。

次に、サブスクリプション決済ソリューションを提供している事業者のタイプや、それぞれの強みと弱みについて解説する。さらに、サブスクリプション決済のプロセスを説明し、通常の「売り切り型」の決済との違いを分析する。

最後に、マーチャントの請求処理を請け負う「サブスクリプション決済ソリューション提供企業」と、これらの企業のサービスを使って事業運営や決済処理を効率化したい「サブスクリプション・サービス企業」、それぞれへのアドバイスを提供する。

本レポートで言及される企業:

ACI Worldwide, Adyen, Amazon, AMC, American Express, Apple, The Atlantic, Automated Clearing House, BarkBox, BigCommerce, Birchbox, Blue Apron, Braintree, Chargebee, Chargify, Discover, Disney, Dollar Shave Club, EMVCo, Fusebill, GoCardless, Global Payments, Grubhub, Harry's, HBO, HelloFresh, Hulu, JCB, Loot Crate, Lyft, Mastercard, Magento, Mailchimp, MoonClerk, Netflix, Nets, The New York Times, Ordergroove, Pandora, Panera Bread, Patreon, PayPal, PayWhirl, Peloton, PlayStation, The RealReal, Rebillia, Recurly, Rent The Runway, Shopify, Spotify, Square, Squarespace, Stitch Fix, Stripe, Target, Tidal, TSYS, Uber, UnionPay, Visa, The Wall Street Journal, Walmart, Weebly, Wix, WooCommerce, WordPress, Zoho, Zuora, 24 Hour Fitness, 3dcart

本レポートのキーポイント:

  • 消費者とマーチャントの双方が、サブスクリプション・モデルに魅力を感じている。このモデルはさまざまな業界に広がり、大きな収益を生み出している。「継続的な課金」により、マーチャントは独自サービスの提供や、収益増が可能となる。消費者はより便利に安く幅広いサービスを受けることができる。
  • サブスクリプション市場のさらなる成長にビジネスチャンスを見出しているのが決済ソリューション・プロバイダーだ。これらの企業にはいくつかのタイプがあり、それぞれ強みと弱みを持っている。だが、どのタイプも成功のチャンスがある。
  • サブスクリプション決済を成功させるためには「ソリューション・プロバイダー」と「マーチャント」の双方が、自社サービス領域でのペストプラクティスを理解しなければならない。「ソリューション・プロバイダー」は解約件数をできるだけ減らし、決済プロセスを改善・改革していく必要がある。「マーチャント」はサブスクリプション・ソリューションの自社開発を検討したり、サブスクリプション収益を獲得するための新たな機会を探す必要がある。

本レポートの完全版では:

レポート

  • さまざまな業界のマーチャントやサブスクリプション・ソリューション・プロバイダーにとって、サブスクリプション決済が生む機会について解説する。
  • マーチャントや消費者がサブスクリプション・モデルに魅力を感じる理由を整理。サブスクリプション・サービスのビジネスチャンスが増えている要因を分析する。
  • 「サブスクリプション型」と「売り切り型」の決済プロセスの違いについて説明する。
  • マーチャントやソリューション・プロバイダーがサブスクリプション決済を取り扱う際の主な問題点とその解決策を示す。
  • ソリューション・プロバイダーやマーチャントが、サブスクリプション決済の分野でパフォーマンスを最大化するための指針を示す。

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[原文:THE SUBSCRIPTION PAYMENTS ECOSYSTEM: Consumers' rising interest in subscriptions is driving merchants to offer these services — here's what solutions providers need to know to capitalize on the opportunity

(翻訳・野澤朋代)

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