レベッカ・スティーブンスさん。
Rebecca Stephens
- レベッカ・スティーブンス(Rebecca Stephens)さんは、イギリス人女性として初めてエベレストの山頂に到達し、7大陸最高峰を完登した登山家だ。
- 登山家として成功したスティーブンスさんだが、子どもの頃は自分が将来何をしたいか分かっていなかったという。
- 早くからそれが分かっている人は幸運だとスティーブンスさんは言う。自分の天職を探している人へのスティーブンスさんのアドバイスを紹介しよう。
わたしたちは素晴らしい功績を挙げた人を見ると、彼らは自分が将来何をしたいのか、常にプランを持っていたのだろうと考えがちだ。
レベッカ・スティーブンスさんもそう思われがちな人物だ。1993年、スティーブンスさんはイギリス人女性として初めてエベレストの山頂に到達した。その後、7大陸最高峰を完登した初めての女性になった。
『Making It Happen: Lessons from the Frontline of Strategy Execution』の著者でもあるスティーブンスさんは、幼い頃から自分が将来何をしたいのか、はっきりと分かっている人は幸運だとInsiderに語った。登山家として成功したものの、スティーブンスさんは、自分が子どもの頃はそれが分かっていなかったという。
大学を卒業した後、スティーブンスさんはジャーナリストとして数年間働いていた。山への愛に目覚めたのは、20代後半になってからだ。雑誌の取材でヒマラヤを訪れたのがきっかけだった。
「何の迷いもなく、自分がこれをやりたいと確信を持てたのはエベレストだけでした」とスティーブンスさんはInsiderに語った。
それでもスティーブンスさんが仕事を辞めて、エベレストに登るための資金を集めるまでには数年かかった。
「すごく怖かったんです」とスティーブンスさんは当時を振り返った。
「誰もが山のリスクを口にします。でも、わたしにとって最大のリスクは、住宅ローンを抱えた状態で景気が悪い中、仕事を辞めることでした」
いろいろな意味で自分は幸運だったと、スティーブンスさんは言う。世話をしなければならない家族はいなかったし、遠征中は自宅を人に貸すこともできた。チャンスも与えられた。
ただ、スティーブンスさんには若い世代 —— 周囲の期待に沿って、親が望む仕事に就く誘惑もあるかもしれない —— に伝えたい、自身の経験から得た教訓があるという。自己実現したいなら、自身の「内なる声」を聞くべきだ。
どんなキャリアパスも何から何までスムーズにはいかないし、多くの成功者は別の分野でキャリアをスタートさせ、のちに方向転換している。
例えば、ジェフ・ベゾス氏はアメリカの金融街で数年働いてから、31歳の時にアマゾンを立ち上げた。同様に、ギャップ(GAP)の創業者ドナルド・フィッシャー氏には、40歳で初めて店をオープンするまで小売業の経験はなかった。
スティーブンスさんは、自分の天職を探している人に「パニックにならないで。冒険をしていい。違うことを試していい」とアドバイスしている。
ただ、バランスも大切だ。自分のキャリアについて考えることは重要だが、やるべきことを先延ばしにするほど考え過ぎてはダメだと、スティーブンスさんは話している。
思い切って飛び込むしかない時もあれば、安定のためにその仕事を引き受けなければならないこともあると、スティーブンスさんは言う。
「スイートスポットを見つけるのが大事です」とスティーブンスさんは語った。
「ただ、自分が満たされるもの、興味のあるものを追いかけていれば、落ち着くべき所に落ち着くことが多いです」
(翻訳、編集:山口佳美)