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人類固有のゲノムは7%以下…固有の部分が脳の発達に関連か

※この記事は2021年7月21日初出の記事の再掲です。

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2014年9月、ロンドン自然史博物館の「Britain: One Million Years of the Human Story(イギリス:100万年の人類の物語)」展で展示された20代のネアンデルタール人の男性の模型。

Will Oliver/PA Images/Getty

  • ヒトゲノムのうち、わずか1.5%から7%が人類に固有のものであることが、新たな研究で示された。
  • 現生人類に見られる遺伝子のほとんどは、ネアンデルタール人やデニソワ人などの祖先と共通のものだ。
  • 人類に固有の遺伝子は、脳の発達に関係しており、これが我々の種を特徴付けているのかもしれない。

我々人類は、自らを特別な存在だと考えたがるが、遺伝子を見ると決してそうではない。

2021年7月16日付けで学術誌「Science Advances」に掲載された論文によると、ヒトゲノムのうちホモ・サピエンスに固有のものは7%以下でしかない。

残りの遺伝子は、ネアンデルタール人や東アジアで最初に発見されたデニソワ人といった人類の他の祖先(hominins:ヒト族)と共有している。

「進化系統樹を見ると、人類を特徴づけているゲノムの領域があることが分かる」と、カリフォルニア大学サンタクルーズ校の古ゲノミクス研究室ディレクターで、今回の論文の共著者であるリチャード・グリーン(Richard Green)は、Insiderに語っている。

「今回、そのカタログができたが、それはゲノムの中でも驚くほどわずかな部分だ」

ヒト族の祖先たちが交流し、交配していたことは、すでに知られていた。遺伝子や石器の技術を交換し、人類の進化の道筋に影響を与えていたのだ。しかし、今回の発見により、ヒト族の祖先の集団が初めて出現してから約30万年の間に、どれほど頻繁に交配が行われていたかが明らかとなった。

「分析したすべてのサンプルで、多かれ少なかれ混血しており、むしろ混血するのがルールだと言えるほどだ」とグリーンは述べている。

我々の祖先が「謎のヒト族」と交配していたことを示す遺伝子的証拠

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クロアチア北部のクラピナに2010年2月に開館したネアンデルタール博物館では、洞窟で暮らすネアンデルタール人の家族の様子が展示されている。

Reuters/Nikola Solic

ヒト族の系統樹を作成するために、グリーンのチームは世界中から採取した現生人279人分のゲノムをデニソワ人1人とネアンデルタール人2人のゲノム配列と比較した。そして、コンピューターのアルゴリズムを用いて、それぞれがどのように関係しているのかを調べた。

グリーンが数年かけて開発したというこの解析ツールにより、ヒトゲノムのどの部分がネアンデルタール人やデニソワ人などと共通していないのかを見分けるのに役立ったという。

また、さらに古い50万年ほど前に生きていた祖先から、どのような遺伝子を受け継いだかも明らかになった。この祖先からは、人類だけでなくネアンデルタール人やその他のヒト族が誕生した。

今回の研究結果は、ネアンデルタール人やデニソワ人が現生人類と混血する前に、まだ発見されていない謎の集団と交配していた可能性を示唆しているとグリーンは付け加えた。

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