ファラオの埋葬地で発見されたミイラ、古代の歴史を覆すものだった

※この記事は2021年11月8日初出の記事の再掲です。

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2019年4月13日、エジプトのカイロ南部にあるサッカラ遺跡で、古代エジプトの貴族クウイの墓を発見したエジプト調査団団長モハメド・ムジャヒド(Mohamed Mujahid)(左)が墓の内部の壁を調査している。

Mohamed Al-Shahed/Getty Images

  • 高度な技術で防腐処理が施されたエジプトのミイラは、当初考えられていたよりもはるかに古いものかもしれないという。
  • この発見は、高度なミイラ作りの技術がこれまで考えられていたよりも1000年早く使われていたことを示している。
  • 専門家によると、この発見は「ミイラ作りの進化についての我々の理解を覆す可能性がある」という。

古代エジプトのミイラの新しい分析結果で、これまで考えられていたより1000年も早く、高度なミイラ化技術が使われていたことがわかり、これまで考えられていた古代エジプトの葬儀の歴史が塗り替えられそうだという。

今回の発見の中心は、高位の貴族だったと考えられている「クウイ(Khuwy)」と呼ばれるミイラだ。クウイはカイロ近郊にあるエジプトのファラオや王族の広大な古代埋葬地で2019年に発掘された。

現在、科学者たちは、クウイが生きていた時代がこれまで考えられていたよりもはるかに古く、エジプトの古王国時代にさかのぼると考えており、そうなるとこれまで発見された最も古いエジプトのミイラのひとつだとイギリスのガーディアン・メディア・グループの日曜新聞、オブザーバー(The Observer)は報じている。

エジプトの古王国時代は、紀元前2700年から2200年の間で、「ピラミッド建設者の時代(Age of the Pyramid Builders)」と呼ばれている。

クウイの体はそれよりもずっと後に開発されたと思われていた高度な技術を用いて防腐処理されている。彼の皮膚は木の樹液から作られた高価な樹脂を使って保存され、体に樹脂を染み込ませ、上質な麻の衣装で覆われていた。

今回の分析は、4000年前の古代エジプト人が高度な埋葬を行っていたことを示している。

カイロにあるアメリカン大学(American University)のエジプト学部長であるサリマ・イクラム(Salima Ikram)教授は、「我々のミイラ作りの進化についての理解を完全に覆すだろう」とオブザーバーに語っている。

「もし、これが本当に古王国時代のミイラであれば、ミイラ作りや古王国時代の歴史に関するすべての書物を改訂する必要がある」

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