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【更新】博報堂UoCのイベント“Z寄席!”が物議。Z落語主催者「強い不信感」と指摘、何があった?

Z落語のnote公式ページ

Z落語のnote公式ページのエントリー。

撮影:Business Insider Japan

「公開したnoteにも大きな反響がありました。にも関わらず、連絡が一切ない、説明責任が果たされていない、というのはどうなんだろう、と」(枝之進さん)

「Z世代の視点で落語を再定義、 発信する」を掲げるZ世代の落語家らでつくられたクリエイティブチーム「Z落語」が、博報堂グループの「博報堂 UNIVERSITY of CREATIVITY」主催イベント内で披露した演目「Z寄席!」の演出に不信感があると、公式のnoteで表明した。

両者の間で、一体何が起こったのか?

追記:12月10日、Z落語が博報堂UoCと和解に至ったと公式のnoteで表明しました。 2021年12月10日16:15

博報堂の「Z世代と落語」をテーマにしたセッション

ことの発端は、博報堂が設立した、創造性について研究・実験する研究機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(以下、UoC)」によるイベント「CREATIVITY FUTURE FORUM 2021」で実施されたセッションの一つだ。イベントは12月2日から5日にかけて開催された。

最終日の12月5日、Z世代に焦点を当てた「CREATIVITY Z FUTURE」の中で「Z寄席!超デジタル時代の落語実験室~『考えるな、感じろ。感じるな、笑おう。』」と題されたセッションが配信された。

公式サイトでは「超デジタル時代に、なぜかアナログでローファイな芸能『落語』が注目されている」謎を解き明かす、と趣旨を説明している。

このセッションにはファシリテーターとして博報堂生活総合研究所の伊藤耕太・上席研究員や、大学生、落語家らが登壇した。

「『写ルンです』の話、不可解さある」

クリエイティブチーム「Z落語」を主宰する桂枝之進さん。

クリエイティブチーム「Z落語」を主宰する桂枝之進さん。

撮影:岡田 清孝

「当初は名前が似ているな、程度に思っていたのですが……」(枝之進さん)

Z落語側は、イベント開幕後の12月3日にZ落語のファンから「名前が似ている」と指摘を受けたとして、Twitterで“「Z寄席」はZ落語と何の関係もありません”と表明した。

その後、12月6日夜になって、前出のnoteで意見表明をする事態になった。12月7日14時時点で、博報堂およびUoCから連絡はないという。

Z落語側が違和感を指摘している箇所は、以下の部分だ。

セッションの前半、伊藤研究員がフィルムカメラや「写ルンです」を取り上げながら、参加者の大学生にこう質問する。

「我々世代にとっては昔懐かしい、『写ルンです』みたいなものも今人気だったりするんですけれども(中略)、20代前半の若い生活の中で、友達が好きで集めるとかそういう話って実際にあったりするんですか?」

これに対し、大学生は、

「『写ルンです』とかフィルムカメラっていうものは結構身近なものかなと思っていまして(中略)ケータイのアプリでもこういったフィルムカメラに似たような機能があって、いわゆる“エモい”写真を撮るために、自分もそうですが、友達も使っているという印象があります」

と答えた。

別の参加者からも「Z世代にアナログなものが流行っている」というコメントがあり、それを受けて伊藤研究員はZ世代の価値観をこう総括する。

「今の若い人たちの特徴というのは、さまざまなデジタルのテクノロジーを使いこなしながらも、アナログなものが醸し出すエモさみたいなものを愛でる感性があるということかなと思います。さて、そこで今日の目玉は落語なんですけども、これは300年前くらいに生まれた(中略)表現形態でございます」

だが、11月17日にBusiness Insider Japanが掲載した枝之進さんの「Z落語」に関するインタビューのなかで、枝之進さんは「写ルンです」を取り上げ、落語との共通点について「Z世代が共通して持っている情緒=エモさ」という観点から説いていた。

Z落語はnoteで、この点を取り上げ、次のような声明を掲載している。

「以前インタビュー記事に掲載された内容と全く同じ発言があり、強い不信感を覚えました」

「『写ルンです』の話が、後半のセッションに結びついていなかった点や、『Z世代 落語』と検索をすると現在Z落語関連の記事が寡占状態にあるにも関わらず事前に問い合わせ等が一切なかった点など、他にも不可解な点が数多くありましたが、その後1日経った現在に至るまで、UoCの運営サイドから経緯説明や確認の連絡は一切頂いておりません」

Google検索で「Z世代 落語」「Z世代 寄席」を検索したところ。

Google検索で「Z世代 落語」「Z世代 寄席」を検索したところ。

撮影:Business Insider Japan

博報堂「援用したという認識ない」

博報堂はこうした指摘をどうみているのか。

Business Insider Japanは、博報堂UoCの担当者にもメールで取材した。 担当者によると、企画段階でZ落語については知らず、前出の記事も読んでいなかったという。

イベントの企画を具体的に検討し始めたのは10月初旬から。

「日本の伝統文化・伝統芸能の未来について考える」を念頭に置き、中旬にはその代表として「落語」を採用することが決定されたという。

ファシリテーターである伊藤研究員、登壇者らは、その後に起用が決定した、と説明する。

枝之進さんはこう語る。

「そもそも『Z落語』という言葉自体、商標登録などはしていませんでした。それは落語そのものが(先人たちが築き上げた文化の上に成り立つ)みんなの共有財産である、という認識があったから。けれどさすがに(博報堂のような)大企業に出て来られると困ってしまいます」

なお、SNSを中心に「Z寄席がZ落語と類似しているのではないか」との指摘があることについて、博報堂UoCの担当者は以下のように回答している。

「類似しているかどうかは、双方のセッションをご覧になった方が判断されることであると考えております。当方としては、意図的にZ落語さんのコンテンツなどを援用させていただいたという認識はなく、企画実施を行った次第です」

(取材・文、西山里緒

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