「2022年の到来とともにに部屋から一掃すべき2021年のトレンド」について、インテリアデザイナーたちに話を聞いてみた。
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- 2021年には流行したものの、今後はやめておいたほうがいい室内装飾のトレンドについて、Insiderは複数のインテリアデザイナーに話を聞いた。
- 90年代や80年代風のレトロ調インテリアは、ありふれて陳腐になっていると専門家たちは考えている。
- 具体的には、アクセントウォール、黄色の流行、過剰さを極めたマキシマルなインテリアなどが、2021年とともに消えゆくべきトレンドとして挙げられた。
大判のウォールアートやアクセントウォールは、流行遅れになりつつある
アクセントウォールやウォールアートは「古い感じ」になりつつある。
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2022年の室内装飾の世界でも、鮮やかな色彩でアクセントをつけるスタイルはブームを呼びそうだ。だが、モース・デザイン(Morse Design)の創業者で主任デザイナーのアンディ・モース(Andi Morse)は、こうした差し色を大判のウォールアートやアクセントウォールといった形で取り入れるのは避けた方が良いと考えている。
「私はもともと、ウォールアートや、壁の一面だけ壁紙を変えるスタイルがあまり好きではない」と、モースはInsiderに語った。
「部屋全体で壁紙を統一する方が好ましいと思う」
インテリアデザイナーたちは、「90年代風インテリア」の一部については、2021年で流行が終わったほうがいいと思っている
エアーソファもそのひとつだ。
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モッジー(Modsy)のスタイル担当バイスプレジデントを務めるアレッサンドラ・ウッド(Alessandra Wood)はInsiderに、「過剰にノスタルジックなトレンドが廃れつつあるのは喜ばしいことだ。とりわけ、90年代のティーンエージャーにとっての夢の部屋のようなスタイルについてはそう思う」と語ってくれた。
1990年代風のインテリアは、2021年に入って復活を果たした。だが、楽しさや、いい意味でのビンテージ感を醸し出すはずが、単に時代遅れに見えるものある。
ウッドはこの件について、こう説明してくれた。
「私がかつて、エアーソファ(空気を入れて膨らませるタイプのビニール製ソファ)を愛用し、ロープをあしらった照明をインテリアのアクセントに使い、部屋の壁をレオナルド・ディカプリオやフレディ・プリンゼ・ジュニアの写真で埋めつくしていたからかもしれないが、このトレンドを見ていると、『YM』(かつてアメリカで刊行されていたティーン向け雑誌)のページを開いて、『今月、私の恋愛運が最高なのはどの日? チェックしないと!』と考えていた当時の気持ちになってしまう」
「80年代風のインテリア」も、一部のデザイナーには鼻につくようだ
1980年代風のスタイルも2021年限りとしたいというのが、インテリアデザイナーたちの意見だ。
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CWインテリアズの創業者で主任デザイナーのキャロン・ウールジー(Caron Woolsey)はInsiderに「80年代風のレトロなインテリアは受け入れがたい」と語った。
80年代に流行した室内装飾の要素としては、大胆な色使いや、透明なアクリル樹脂を使ったアイテム、幾何学模様の家具などがある。
「『セイヴド・バイ・ザ・ベル』(80年代末から90年代初めにアメリカで放映されたシットコム)のようなスタイルは、ダイナーの店舗内などではしっくりくると私も感じている。しかし、一般家庭向けにエレガントで時代を超えたデザインを、と考えた時に、私が採用したい美的感覚とはフィットしない」とウールジーは述べた。
2022年のインテリアは、もう少しミニマル志向になってほしいと期待するデザイナーたちもいる
賑やかなインテリアは、やりすぎになるおそれもある。
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マギー・グリフィン・デザインの創業者でリード・デザイナーのマギー・グリフィン(Maggie Griffin)はInsiderに、「安っぽい飾り物がごてごてと飾られている」家にはうんざりしていると語った。
「不動産のオンライン販売が激増したことで、誰もが、室内をたくさん飾り付け、『多いほうがいい』という美的感覚に傾いているように見える」とグリフィンは指摘する。
「良い意味で主張のあるコレクションは私も好きだが、『テーマ』ばかりにこだわる装飾を避けるよう気をつけてほしい」
つまり、家の隅々まで装飾で埋め尽くそうとするよりも、バランスに気を配る方が良いということだ。
グレーに飽き飽きしている専門家もいる
グレー(灰色)のインテリアは、退屈な印象を与えることもある。
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「グレーにはうんざりで、すっかり飽きてしまった」とモースは語る。「あまりに使われすぎていて、インテリアで冒険する気になれないという人が選ぶ無難な選択肢になっている気がする」というのがその理由だ。
グレー主体のインテリアから卒業してほしいというモースの望みはかなえられそうだ。モースの前に話を聞いたウッドも、2022年には「キャメル、トープ(灰色がかった茶色)、コニャック、赤褐色、セージグリーン」といった中間色系のアースカラーが、深みに欠けるグレーや白に取って代わると予想しているからだ。
黄色を多用するトレンドも終わってほしいという声がある
黄色の使いすぎは、くどくなるおそれがある。
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さらにモースは、グレーだけでなく「黄色を差し色に使うアイデアもあまり好きではない」という。
「この1年は黄色が一大トレンドになったが、私はこの色が好きではない」とモースは続けた。
一方、グリフィンは、2022年には他の「シトラス系」の色に加えて、黄色に魅力を感じる人が多くなると考えている。
デザイナーたちは「単語が書かれたアイテム」も好きではない
単語が書かれたアイテムは時代遅れだ。
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ここ数年、単語が書かれた品々で部屋を飾り付ける人が増えていた。こうしたアイテムとして多いのは、ポスターや雑貨、ウォールアートなどだ。
ウールジーは、こうした「単語が書かれた装飾品」が好きではないといい、その理由として「ごまかしている」感じがするからだと述べている。
インテリア専門家たちは、家のインテリアにダイナミックな感じを与えたいのなら、アンティークや、テクスチャー(ファブリックな素材感)のある家具を取り入れる方が良いとアドバイスしている。
新しいアイテムの購入を控える傾向が増えてほしいと、多くの専門家が考えている
アンティークの家具は、新品よりも環境に優しい。
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アンティーク家具の人気が増している。その大きな理由の1つが、大量に生産される「ファスト家具」に比べてサステナブルであるという点だ。
「すべてを新品でそろえるよりも、中古アイテムを地元の店舗で買い求めることを選ぶ傾向が、今後も続くことを期待している」とグリフィンは述べた。
[原文:8 home trends from 2021 that need to disappear, according to interior designers]
(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)