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- ある中小企業の管理職を名乗るレディットユーザーによる「アンチワーク」の投稿が話題になっている。
- 投稿者によると、30人近くいる全スタッフに10%の昇給と月曜日の任意の出勤を提案したという。
- この提案を実行しても、会社の収益は減少しなかったどころか、パンデミックにもかかわらず「大幅に増加」したという。
約30人の社員を擁する会社の経営者が、新型コロナのパンデミック期間に売り上げが好調だったことから、ボーナスやイベント開催で社員をねぎらおうと考えていた。
しかし、その会社のシニアマネージャーは別の提案をした。投稿型ソーシャルサイト「レディット(Reddit)」のユーザーである彼の提案は、急激に人気を集めている「アンチワーク」というサブレディット(スレッド)に触発されたものだった。
「このサブを見て、なぜ人は生活するためだけに人生の大半を働いて過ごすのか、本当に疑問を感じるようになった。だから、仕事の時間を減らし、プライベートな時間にもっと余裕を持たせようと提案した」という彼の投稿は、大きな話題を呼んだ。
私は中小企業 (従業員30人以下) のシニアマネージャーです。需要の多い業界で、在宅勤務ができるようになり、多忙な時期に売り上げが急増しました。私の上司である経営者は、チームにどのような報酬を与えるかについて、私に意見を求めました。彼はイベントやクリスマスのボーナスを考えていました。
このサブは、なぜ生活の大半をただお金を得るためだけに働いているのかと私に疑問を抱かせました。そこで私は提案をまとめた。仕事を減らし、個人的な生活の中でより多くのスペースを与えようではないか、と。
私の提案はこうです。
・全従業員に対する10%の恒久的な昇給。
・年に5日間の追加休暇の付与(私は4週間の休暇が標準の国にいるので、これで合計5週間に増えました)
・月曜日を任意の勤務日にする
先週の仕事は全部終わった?よかった、出勤しないでいい。週は正式には火曜日から始まり、その日にみんなが集まります。少し遅れている?月曜日は家で仕事をして遅れを取り戻すための日です。他の人と会ったり、会社で仕事をしたりする必要はありません。
4カ月前、この提案は受け入れられました。その成果について、私は叫ぶしかありません。会社の収益が減ることもなく、これほどまでに社員の幸福度が上がるとは。
通常ここに掲載されているものとはかなり異なるストーリーだが、このサブがなければ私はそのようなことを提案しようとは思わなかったので、共有したかったのです。
彼は、経営者に3つの提案をしたという。それは、全社員に10%の昇給をすること、休暇を5日増やすこと、月曜日の出勤を選択制にすることだ。
「4カ月前、この提案は受け入れられました。その成果について、私は叫ぶしかない。会社の収益が減ることもなく、これほどまでに社員の幸福度が上がるとは」と彼は書き込んでいる。
この投稿は匿名アカウントで行われており、Insiderは投稿者に連絡を取ろうと試みたが、彼の主張を確認することはできなかった。
それでも、この投稿は、2000件以上のコメントや8万3000件以上の賛成票(「いいね!」に相当する)を集めた。さらに、よりかしこまったさいとであるリンクトイン(LinkedIn)のレディット公式アカウントがこの投稿をシェアしたところ、3万件以上の「いいね!」や300件以上のコメントを集めた。
リンクトインのコメント欄では「月曜日出勤の選択制」という戦略に関心が集まった。投稿者はこれを「キャッチアップの日(追いつくための日)」と表現しているが、「週4日勤務」と言っていいだろう。
この投稿者が後日コメントしたところによると、彼の会社ではすでに多くの社員がリモートで働く、比較的柔軟な勤務体制を取っていたが、今回の新たなポリシーによって、月曜日には会議や強制的なアポイントメントをとりつけないことが明確になったという。
「先週の仕事は全部終わった?よかった、出勤しないでいい」と、提案内容を説明した投稿の中で、彼はそう書いている。
「少し遅れている?月曜日は家で仕事をすればいい」
この新たなポリシーの導入によって、会社の収益は悪影響を受けなかっただけでなく、社員の離職率が下がり、経費削減にもつながっているという。
「5年前、この会社は離職率が高く、まだスタートアップの段階にあった」と投稿者は言う。
「そのような経験があったからこそ、経営者は社員に対して敬意を払うようになった。将来のストレス(と潜在的な資産の損失)を軽減するために、社員にお金をかけるという提案ができたのもそのおかげだ」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)