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ダイビング観光を盛り上げたい! 世界各地で意図的に水中に沈められた飛行機たち

ボーイング737

カナダ沖に沈んでいるボーイング737。

Sea Proof TV

  • ダイビング観光を推進したり、サンゴ礁を作るために、一部の国々は意図的に飛行機を水中に沈めている。
  • ボーイング747やコンベア240といったさまざまな飛行機が沈んでいる。
  • 水中に沈められた飛行機は現地当局の承認を得ていて、有害な部品などは事前に取り除かれているという。

スキューバダイビングは世界有数の急成長しているレクリエーション活動の1つで、今では数十億ドル規模の産業になっている。

ダイバー

インドネシアのナブコアイランドの近くでスキューバダイビングを楽しむ家族。

Courtesy of Don Thompson

Source: Future Market Insights


Future Market Insightsのデータによると、ダイビング観光の売り上げは2015年以降6%以上伸びていて、今後10年でさらに5%伸びると見込まれている。

ダイバー

気候変動の影響を受けた岩礁を見て回るダイバー。

Max Altman

Source: Future Market Insights


スキューバダイビングの愛好家たちは、ユニークかつスリルあふれるダイビングを体験するために長距離旅行をする。水中に沈んだ飛行機は、人気上昇中のダイビングスポットの1つだ。

飛行機

バハマ、ノーマンズ・ケイの近くに沈んでいる飛行機。

Onne van der Wal/Getty Images


水中には墜落した飛行機がいくつも沈んでいて、ダイビングスポットとして使われている。パラオ沖に沈んだ第二次世界大戦の頃の日本海軍の水上偵察機や…

零式水上偵察機

パラオの岩礁に沈んだ零式水上偵察機(ジェイク)。

Eric Lemar/Shutterstock

Source: Scuba Diver Life


ハワイ沖に沈んだアメリカの戦闘機F4U コルセアもそうだ。

F4U コルセア

ハワイ沖に沈んだF4U コルセア。

Mr. James Kelley

Source: Scuba Diver Life


ただ、人工的なサンゴ礁を作ったり、水中に沈んだ飛行機を探索するユニークな体験をダイバーに提供するために、意図的に沈められた大型ジェット機も存在する。

ダイバー

Richard Whitcombe/Shutterstock


2016年6月にはエアバスA300が海中に沈められた。全長177フィート(約54メートル)、翼長144フィート(約44メートル)のこの飛行機は、トルコ政府によってクシャダスのエーゲ海沖に運ばれた。 トルコにダイビング観光で訪れる人を増やすためだ。

エアバスA300

沈められる前のエアバスA300。

Anadolu Agency/Getty Images

Source: The Guardian


ジェット機が沈むまでに2時間半かかった。水深75フィート(約23メートル)なので、経験あるダイバーなら容易にたどり着ける。

A300

沈められるエアバスA300。

Anadolu Agency/Getty Images

Source: The Guardian


「クシャダスをダイビング観光の中心地にすることがわたしたちの目標です」とアイドゥンのÖzlem Çerçioğlu市長は動画の中で語った。「水中生物を守ることがわたしたちの目標です。そして、これらの目標を頭に置いて、わたしたちは世界有数の大きな沈没飛行機を目にするのです」

ダイバー

エアバスA300のダイビングスポットを訪れたダイバー。

Anadolu Agency/Getty Images

Source: The Guardian


北米で初めて意図的に沈没させられた飛行機は、Artificial Coral Reefsがカナダ沖に沈めたボーイング737-200だ。その様子はディスカバリーチャンネルの『メガ建造~不可能への挑戦~』シリーズで放送された。

ボーイング737

カナダ沖に沈められたボーイング737。

Sea Proof TV

Source: Artificial Reef Society BC


ボーイング737-200は2002年にエア・カナダから寄贈され、2006年にシュメイナス沖のジョージア海峡の水深90フィート(約27メートル)の海底に運ばれた。シュメイナスはブリティッシュコロンビア州バンクーバー島の南部にあるコミュニティだ。

ボーイング737

エア・カナダから寄贈されたボーイング737。

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


Artificial Coral Reefsのプレジデント、ハワード・ロビンス(Howard Robins)氏は、飛行機にはもともと着陸装置が付いておらず、ロビンス氏は飛行機を海底に直接置きたくなかったので、チームは工夫が必要だったとInsiderに語った。

ボーイング737

カナダ沖に沈められたボーイング737。

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


結局、Artificial Coral Reefsは海にやさしいアルミニウムの素材を使った高さ11フィート(約3.4メートル)の専用設置台を用意したと、ロビンス氏は説明した。設置台は飛行機にあらかじめ取り付けられていて、1つのユニットとして海中に沈められた。

設置台

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


「プレースメント」と呼ばれる、機体を移動させるための特別な装置も使ったという。

プレースメント

ジェット機を沈めるためにデザインされた「プレースメント」。

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


環境への影響については、海にとって有害と考えられる塗装、部品は全て事前に取り除かれていて、残っているのはむき出しの金属と頭上の荷物入れだとロビンス氏はInsiderに説明した。

ボーイング737

カナダ沖に沈められたボーイング737。

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


「これはリサイクルであり、リパーパス(別の目的で使うこと)です。この2つがキーワードです」とロビンス氏はInsiderに語った。「海洋投棄ではありません。これはよく考えられた、慎重に練られた計画で、海洋管理、許認可を必要とするものです」

ボーイング737

カナダ沖に沈められたボーイング737。

Artificial Reef Society BC

Source: Artificial Reef Society BC


ここ20年で、他にもボーイングの飛行機2機が水中に沈められ、注目を集めた。その1つがバーレーン沖のボーイング747「ジャンボジェット」で、世界中のダイバーを引き付けることが狙いだった。

ボーイング747

バーレーン沖に沈められたボーイング747。

Dive Bahrain

Source: Dive Bahrain


このボーイング747は人工岩礁として使われている最も大きな飛行機で、Falcon Aircraft Recyclingが2019年に沈めた。同社はこのプロジェクトのために、翼など飛行機の構造に手を加えた。

改造作業

Falcon Aircraft Recycling

Source: Dive Bahrain


ボーイング747は現在、Dive Bahrainが管理していて、同社の海中テーマパークの一部となっている。広さ10万平方メートルのこのテーマパークには、船やその他の構造物も含まれている。

ボーイング747

バーレーン沖に沈められたボーイング747。

Dive Bahrain


そのデビュー以来、ボーイング747は50カ国以上のプロのダイバーたちを魅了してきた。

ボーイング747

バーレーン沖に沈められたボーイング747。

Dive Bahrain

Source: Dive Bahrain, The National News


もう1つは、アメリカのイリノイ州マーメット・スプリングス(Mermet Springs)に沈められたボーイング727だ。この飛行機は映画『追跡者』(1998年)で使用された。

ボーイング727

マーメット・スプリングスに沈められたボーイング727。

Mermet Springs

Source: Mermet Springs


映画の中でこのボーイング727は、俳優ウェズリー・スナイプス演じるCIAの元特殊工作員シェリダンを乗せたままイリノイ州ベイ・シティ郊外のオハイオ川に「墜落」した(シェリダンはこの事故を機に逃亡)。撮影終了後、マーメット・スプリングスのオーナーであるグレン・フェイス(Glen Faith)氏が1998年にこの飛行機を1ドルで買い、12マイル(約19キロ)西に移動させた。

『追跡者』

墜落した飛行機を前に電話をかけるロバート・ダウニー・Jr演じるロイス捜査官(『追跡者』より)。

Warner Bros.

Source: Mermet Springs


重さ22トンのこの飛行機は、はしけやクレーン(2基)などを使って緑色の水の中に沈められた。機首は水深50フィート(約15メートル)だが、機尾は水深15フィート(約4.6メートル)の位置にある。

ボーイング727

マーメット・スプリングスに沈められたボーイング727。

Mermet Springs

Source: Mermet Springs


マーメット・スプリングスによると、輸送のために機体は一度半分に切断され、水中に沈められる前に元に戻されたという。全長120フィート(約37メートル)の機体は、ダイバーが「炭化したコックピットや失われた翼、開いたハッチ」を見られるよう空洞になっている。

ボーイング727

マーメット・スプリングスに沈められたボーイング727。

Mermet Springs

Source: Mermet Springs


小型の旅客機も岩礁にするために意図的に沈められている。アルバ沖のコンベア240もその1つだ。40人乗りのこの飛行機は水深45フィート(約14メートル)に沈められていたが、1999年にハリケーン・レニーの被害を受け、水深80フィート(約24メートル)の場所へと移された。

コンベア240

アルバ沖に沈められたコンベア240。

ChrisDag

Source: Leisure Pro


このハリケーンで機体は2つに割れたものの、今でもダイバーは探索することができる。

コンベア240

アルバ沖に沈められたコンベア240。

ChrisDag

Source: Leisure Pro


ダイビング観光のために意図的に沈められているのは、民間旅客機だけではない。2009年には第二次世界大戦の頃の飛行機が沈没させられた。このダグラスDC-3はトルコ空軍のパラシュート部隊を運ぶために使用されていたもので、退役後に寄付された。

ダグラスDC-3

地中海に沈められたダグラスDC-3(トルコ、カシュ)。

Andrey Nekrasov/Getty Images

Source: Diver Advisor


今日、ダグラスDC-3はトルコ沖の水深55フィート(約17メートル)の海底に沈んでいる。人工岩礁とダイビングスポットの役割を果たしている。

ダグラスDC-3

地中海に沈められたダグラスDC-3(トルコ、カシュ)。

Andrey Nekrasov/Getty Images

Source: Diver Advisor


所有会社によると、エンジン、翼、コックピット、ラダー(方向舵)、着陸装置はいずれも損傷を受けておらず、ドアから中に入ることもできるという。

ダグラスDC-3

地中海に沈められたダグラスDC-3(トルコ、カシュ)。

Andrey Nekrasov/Getty Images

Source: Diver Advisor


メインキャビンはがらんとしている。ただ、コックピットは当時の面影を残している。

ダグラスDC-3

地中海に沈められたダグラスDC-3(トルコ、カシュ)。

Andrey Nekrasov/Getty Images

Source: Diver Advisor

[原文:Countries around the world have sunk aircraft like the Boeing 747 to boost diving tourism — here are 6 intentionally submerged planes

(翻訳、編集:山口佳美)

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