専門家に2022年の暗号資産(仮想通貨)がどうなるのかを予想してもらった。
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- 暗号資産(仮想通貨)関連のニュースが多くあった2021年の終わりに、専門家に2022年のこの業界の予測をしてもらった。
- メタバースの争いの激化、初の10億ドル規模のハッキング、NFTを購入するためのボットの使用などが予想されている。
- 暗号経済は2022年に7.5兆ドルを突破する、ほとんどの仕事は部分的にメタバースで行われるようになる、などの回答もあった。
暗号資産(仮想通貨)の世界は動きが非常に激しい。大企業が縄張りを確保し、ブロックチェーンの技術が向上し、新規参入が容易であるならば、2022年もそのペースを維持することが予想される。
2021年に何が起こったかを振り返ってみよう。エルサルバドルは、暗号通貨ビットコイン(BTC)を法定通貨として採用した。個人投資家が仮想通貨に飛びついた。中国は暗号の採掘を取り締まった。フェイスブックがメタバースに本格参入し、ウォール街はそこに鉱脈を見出した。
仮想通貨は今や金融の主流となりつつある。アメリカでは初のビットコイン先物ETFが承認され、暗号資産業界のリーダーたちは、3兆ドル規模の産業に対してより明確なルールを提供するよう規制当局に求めた。
パンデミックと同時に起こったこの一連の動きは、投資家の間に興奮の渦を巻き起こした。この先、どのような動きがあるのか、Insiderは業界の専門家に次の展開を予想してもらった。
2022年の暗号資産(仮想通貨)に関する13の予測
1. イーサリアム(Ethereum)の価格は、プルーフ・オブ・ステークへの移行により、ビットコインよりはるかに速いスピードで上昇することになる。
資産運用プラットフォーム「Gold-i」のCEO、トム・ヒギンズ(Tom Higgins)
2. ビットコインが株式に対して優位に立つ可能性がある。
ブルームバーグ・インテリジェンスのヘッドクリプトアナリスト、マイク・マクグローン(Mike McGlone)。
3. リモートファーストにしたフォーチュン500の暗号関連企業は、いずれかのメタバースに正式な本社を置くことを宣言するだろう。
暗号スタートアップ、MeowのCEO、ブランドン・アルバナギ(Brandon Arvanaghi)。
4. メタバースは、人々がウェブと互いに関わるための新しいインターフェースになるだろう。
分散型ネットワーク、Boson Protocolの共同設立者、ジャスティン・バノン(Justin Banon)
5. 暗号ネイティブのメタバースと、メタ(Meta)のような企業が立ち上げたメタバースの争いに期待しよう。
ビットコイン財団のブロック・ピアース(Brock Pierce)会長。
6. 暗号経済の時価総額は2021年のピークの3兆ドル(約341兆円)からさらに上昇し、2022年には7兆5000億ドル(約853兆円)を超えると思われる。
インサイト・リサーチ会社、Fast FutureのCEO、ロヒト・タルワール(Rohit Talwar)
7. DeFi(分散型金融)の活動が活発化し、世界初の10億ドル規模のハッキングが起こるだろう。
DeFi(分散型金融)のクロスチェーンプロトコル、Qredoで規制関連業務を統括するベンジャミン・ウィットビー(Benjamin Whitby)
8. 2022年末までに少なくとも25カ国が中央銀行のデジタル通貨(CBDC)を使用するようになる。自国のもの、あるいは中国のデジタル人民元のような他国が発行するもののどちらかを。
Fast Futureのロヒト・タルワール
9. 投資家はNFTのミントイベントの際にボットを使って購入するため、あまり洗練されていないユーザーが締め出される可能性がある。
ブロックチェーンのデータプラットフォーム 、Chainalysisのエコノミスト、イーサン・マクマホン(Ethan McMahon)
10. ほとんどの人は、日々の仕事を部分的にメタバースで行うことになるだろう。
デジタル資産金融プラットフォーム、AscendExの最高収益責任者、シェーン・モリドール(Shane Molidor)
11. 銀行は詐欺などの不正行為に関連して暗号資産に注目するだろう
本人確認プラットフォーム、Callsignの不正行為・セキュリティ分析責任者、クリス・スティーブンス(Chris Stephens)
12. イニシャル・ゲーム・オファリング(IGO)が人気になる。ゲームストップ(GameStop)やエピック・ゲームズ(Epic Games)のような大きな組織が2022年のある時点で参入することが期待される。
分散型決済エコシステム、Divi Projectの共同創業者兼CEO、ニック・サポナーロ(Nick Saponaro)
13. 各国が敵対的な姿勢をとれば、採用されるのはもっと遅くなるだろう。
ブロックチェーンプラットフォーム、Enjinの共同創業者兼CTO、ウィテク・ラドムスキ(Witek Radomski)
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)