2021年12月12日、ケンタッキー州メイフィールドを竜巻が襲い、建物は瓦礫になった。
Scott Olson/Getty Images
- アメリカ連邦緊急事態管理庁(FEMA)のディアン・クリスウェル長官は、気候変動の影響で激しい嵐はもはや「ニューノーマル」であるとCNNに語った。
- この発言は、アメリカ中西部と南部の多くの地域を襲った猛烈な竜巻を受けてのもので、ケンタッキー州では少なくとも80人が死亡したと見られている。
- クリスウェル長官は、「気候変動の影響は、我々の世代の危機だ」と述べた。
歴史的な自然災害に見舞われた1年の最後に、アメリカ中西部と南部の一部を猛烈な竜巻が襲った。アメリカ連邦緊急事態管理庁(FEMA)は、これが普通のことになると予想している。
FEMAのディアン・クリスウェル(Deanne Criswell)長官によると、同庁は気候変動の結果として起こり、今後も続くと予想される強烈な嵐や厳しい気象パターンの増加を目にしてきた。クリスウェル長官は、2021年12月12日の朝のニュース番組で、「我々の世代の危機」に直面している中で、致命的な悪天候の発生率増加に備えるためのFEMAの方針を明かした。
クリスウェルは、CNNの番組「State of the Union」で、「これは我々の新しい常識(ニューノーマル)になるだろう」と語った。
「気候変動の影響は、我々の世代の危機でもある。FEMAでは、地域社会と協力して、これらの厳しい気象現象による影響を軽減し、地域社会を守るためのシステム全体のプロジェクトを進めるために、多くの取り組みを行っている」
クリスウェル長官の発言は、6つの州で激しい嵐と竜巻が発生し、ケンタッキー州で少なくとも80人が死亡したことを受けて行われたもので、同州のアンディ・ベシア(Andy Beshear)知事は12月11日に「州の歴史上、最も激しい竜巻」だと述べた。
2021年は、テキサス州の広い範囲を停電させて約210人の死者を出した冬の嵐や、国中を何千キロも移動する有害な煙を発生させた西海岸の森林火災、春に東海岸の多くの地域を襲ったハリケーンなど、自然災害が全米で未曾有の被害をもたらした歴史的な年になった。
クリスウェルは、ABCの番組「This Week with George Stephanopoulos」に出演し、FEMAが災害対応の改善や災害に見舞われた地域の支援に尽力している一方で、「国としてやるべきことはたくさんある」と述べた。
彼女はホストのステファノプロスに、「今回の出来事や、夏に起きた出来事から学ぶことはたくさんあるだろう」と述べた。
「ハリケーンや竜巻、山火事など、激しい嵐や悪天候が増えている。FEMAが重点的に取り組むべきことのひとつは、これらの現象が増え続ける中で、その影響をいかにして軽減するかということだ」
クリスウェルはまた、FEMAはコミュニティが悪天候に対して「より回復力のある(more resilient)」状態になることへの支援に注力していると述べた。
「FEMAは、地域社会がそれぞれのリスクを理解し、地域全体を守るためのプロジェクトを推進することへの支援を積極的に行っていく」
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)