CEOの右腕であり門番。20カ国の従業員が活躍するコンサルファームに聞く「チーフ・オブ・スタッフ」の仕事

キャップジェミニは、フランスに本社をおくITコンサルティングファームだ。世界50カ国で展開し、31万人の従業員を擁する。その日本法人、キャップジェミニ・ジャパンは2013年に設立。当時100名ほどだった従業員は、インド、中国の連携拠点も含むと現在では約1500名まで拡大。その半数は外国籍メンバーで所属社員の国籍は20カ国に及ぶなど、ダイバーシティ組織であることも特徴だ。

多様なバックボーンやスキルを持った人材が活躍するために、どのような環境づくりや文化の醸成を行っているのか。日本企業ではまだ珍しい役職「CoS(チーフ・オブ・スタッフ)」を務めるローズマリー・シュウィッツァー氏に、人材育成や組織づくりのポイントを聞いた。

海外のスタートアップで増えているポジション「CoS」

シュウィッツァー氏1

キャップジェミニ・ジャパンCoS(チーフ・オブ・スタッフ)のローズマリー・シュウィッツァー氏。

イギリス・ロンドン出身のシュウィッツァー氏。Big4の一角を占める会計事務所系コンサルファームでキャリアのスタートを切り、人材マネジメントの分野で実績を積んだ。母親が日本人ということもあり、日本の文化などをより深く知りたいと思い日本で働くことを決意。そこで出会ったのがキャップジェミニ・ジャパンだった。2020年6月のことだ。

「キャップジェミニは欧州や北米では非常に知名度が高い企業で『有名大学の卒業生が入社するような一流のIT系コンサルファーム』のイメージを持っていました。

しかし日本ではまだ知名度も低く、ブランドとして確立されていません。でもそれは、企業の成長に自分自身が貢献できるチャンスがあるということ。以前Big4で働いていたときは、メンバーも多く自分は『その他大勢』という感覚もありました。

キャップジェミニ・ジャパンは、決して大企業ではなくまだまだ成長フェーズ。その分、責任のある仕事を任され、会社の戦略に対してイニシアチブ(主導権)を取りながら全社プロジェクトをリードできると考えたのです」(シュウィッツァー氏)

ポジションは「CoS(チーフ・オブ・スタッフ)」。アメリカのスタートアップなどで増えつつあるこの職は、一般的にはCEOが自らの業務に集中しパフォーマンスを最大限発揮できるように、決断のサポートを行う役割とされている。

「私のミッションは、多岐にわたります。CEOのサポートという意味では、プレゼンテーション資料や必要なレポートの作成、事業全体における連携、適切な情報や人材の抽出など。また、ときにはゲートキーパー(門番)としてCEOの代わりに細かな判断を行うこともあります。

それ以外にも、中期経営戦略の策定やPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション:M&A後の統合プロセス)への関与、ニューノーマルな体制へ移行する組織の変革プログラムの立案など。会社の状況などに合わせて柔軟な役割を担っています」(シュウィッツァー氏)

従業員の「ハッピー」は全ての原動力になる

オフィス

Shutterstock / 4 PM production

CoSの重要なミッションの一つに、「従業員エクスペリエンス(従業員が組織の中で経験する価値)の向上」も含まれる。これもまた、企業や組織の成長にとって重要な要素だ。

「人生における労働時間は非常に長い。それなのに、楽しく働けていない人が多いと感じます。特に日本では、他国に比べて長時間労働が目立ちます。バランスを整えてプライベートを充実させる、また働くこと自体にやりがいを持てるようにすることが組織の成長にもつながります」(シュウィッツァー氏)

従業員エクスペリエンスの向上は、優秀な人材の確保にもつながる。なにより、従業員がハッピーで楽しく働ければ、生産性も向上するはずだ。そのため、キャップジェミニ・ジャパンでは、個別の意見を取り込めるように、従業員サーベイを定期的に実施して結果をレビュー。問題があれば担当者を立てて、できるだけ早く対処するよう努めているという。

また、個別の問題に対処するためのサーベイに加えて、D&I の推進にも力を入れている。具体的には、女性の活躍や国籍の多様性を尊重する取り組みだ。

「日本ではまだまだ、IT業界で働く女性が少ないのが現実です。キャップジェミニ・ジャパンでは、フレキシブルな働き方ができる人事制度や福利厚生を整え、経営層レベルを含む女性の採用にフォーカスしつつ、女性リーダーを増やしていこうとしています。

また、当社は社員の約半数が外国籍です。特に、IT大国であるインド出身者が多いので、ディワリ(インド及び近隣諸国で祝われるヒンズー教の光の祭典)を開催するなど国ごとのカルチャーも大事にしています。もちろん性別や国籍だけでなく、障がいの有無なども含めて、あらゆるD&Iの推進が重要です。多様性を受け入れる組織づくりを行えるようブラッシュアップしています」(シュウィッツァー氏)

シュウィッツァー氏2

キャップジェミニが掲げる7つのバリューとして「誠実、大胆、信頼、自由、楽しさ、謙虚、チームスピリット」がある。その中でも、組織づくりを行う上では「楽しさ」を重要視しているとシュウィッツァー氏は話す。

「『楽しい』ことは人の原動力になると思います。仕事を通じてのやりがいはもちろんですが、従業員同氏の『つながり』も重要視しています。コロナ禍では、季節に合わせたイベントや飲み会、勉強会、コンテストなど、さまざまなイベントをバーチャルで行っていましたが、今後はハイブリッドで以前のように対面で行う機会も増やしていきたいです。

実務以外の場所での交流を楽しむことが、クリエイティビティや問題解決、個人の成長につながることも多くあります。コロナ禍に入社し、直接的なコミュニケーションがまだあまり取れていない社員もいるので、つながりを強めて楽しさを感じられるような仕掛けを行っていきたいですね」(シュウィッツァー氏)

「誰もやったことがないこと」を大胆に

シュウィッツァー氏3

シュウィッツァー氏がキャップジェミニ・ジャパンで働き始めて1年半。外から見ていただけではわからない、「中の人」となり実感した独自の組織文化はどんなものなのだろうか。

「これまでロンドンで仕事をしていたので、アジア的な仕事の進め方は初めて経験することばかり。キャップジェミニ・ジャパンには特に『傾聴する文化』があると感じます。誰も答えを知らない未開拓な領域でも、個々人の意見を聞きながら答えを探していこうとする姿勢に共感しています」(シュウィッツァー氏)

続けて「こういった民主主義なカルチャーは、今後の成長でキャップジェミニ・ジャパンが大きくなっても保っていきたい」と語るシュウィッツァー氏。その成長にために何が必要なのか。最後に、今後の戦略と展望を聞いた。

「2025年に向けてM&Aや人材採用を積極的に行い、大きく成長する展望を描いています。そういった意味では、人材の育成も欠かせない視点です。

全世界のキャップジェミニの拠点が使用するグローバルプラットフォームを活用しつつ、今後は海外研修も復活させたいと考えています。

当社の7つのバリューの中でも私は特に『大胆』が好きなんです。みんなで同じことを右に倣えで行うことも多い中、今までにやったことのないこと、インスピレーションを与えるようなことにもっと取り組んでいきたいですね」(シュウィッツァー氏)


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