Web3、メタバース、暗号通貨、NFT(写真のアートワーク)はすべて、次世代のインターネットで重要な役割を果たすだろう。
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- 「Web3」とは次世代のインターネットであり、ブロックチェーン上に存在する。
- 分散型のネットワークを基礎としているため、フェイスブックやグーグルのように誰かにコントロールされることはない。
- ツイッター、ゲームストップ、レディット、アンドリーセン・ホロウィッツなどが、Web3の構築にリソースを投入している。
次世代のインターネットでは、プラットフォームごとにソーシャルアカウントを持つことはない。1つのソーシャルアカウントがあれば、フェイスブック(Facebook)やツイッター(Twitter)からグーグル(Google)、ショッピングサイトなどのさまざまなサイトに移動できるようになる。
ユーザーの動きは、アマゾンウェブサービス(AWS)のような巨大テック企業のサーバーではなく、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の基盤になっているブロックチェーンにカタログ化されるだろう。つまり、現在はフェイスブックやグーグルなどがそれぞれの帝国を支配しているが、Web3では1つの組織がインターネットを支配することはない。
Web3の世界へようこそ。Web3とは、巨大テック企業が市場の大半を支配する現在のWeb2の次の世代のインターネットだ。Web2の前にはWeb1があり、そこでは単にWebページ上の情報を読むだけだったが、Web2ではよりソーシャルなインターネットへと移行した。
インターネットの進化に関する他の多くの考察と同様に、Web3はまだ単なる概念、あるいはベーパーウェア(実現するかどうかわからないもの)でしかない。また、期待されているほど善良なものではないかもしれない(ソーシャルメディアがどうなったのかを考えてみるといい)。
しかしその支持者は、暗号資産(仮想通貨)やメタバースのように、これこそが未来だと言っている。
NFT、メタバース、Web3、そして仮想通貨はつながっている
VRゴーグルを装着する男性。
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メタバースでは、1つのアカウントで複数のプラットフォーム間をバーチャルに行き来できるようになるだろう。Web3でもそうなるはずだ。
また、仮想商品の所有権を表す代替不可能で唯一無二のトークンであるNFTは、Web3のような空間では、仮想通貨でより簡単に売買できるようになるだろう。
イーサリアム(Ethereum)の共同設立者ギャビン・ウッド(Gavin Wood)によって名付けられたWeb3は、巨大テック企業のプラットフォームから支配力を奪い、オンライン上のパワーを均等に分配することを目指している。Web3の基盤となるブロックチェーンは、一般に公開されたデータを格納するコンピュータのネットワークによって構築されている(イーサリアムはブロックチェーンの一例であり、イーサという独自の仮想通貨を持っている)。
Web3の使い方に関しては、今のインターネットの使い方とあまり変わらないだろう、とウッドは2018年に書いている。
公共ラジオのNPRが報じたように、例えばブロックチェーン上のネットワークに写真を投稿するなどしてWeb3に参加すると、トークンが手に入る。そのトークンによって所有権が与えられ、誤報を含むある投稿を削除すべきかどうかなど、そのプラットフォームで行われる意思決定に参加できるようになる。
現在はインターネットプラットフォームが独自のルールを作り、それをオンラインで実行しており、保守政党からは検閲を行っているのではないかと非難されることもあった。そのような現状と比べると大きな変化になるだろう。
また、Web3が反トラストの問題や独占的なビジネス慣行を解決する可能性があると言われているのもそれが理由だ。この次世代Webでは、巨大企業が突出したプラットフォームではなくなるため、その権力を奪うことになり、少なくとも仮説の上ではそれを人々に分配することになる。
多くの技術者がWeb3に賛成しているが、そうでない人もいる
ツイッターは暗号資産やWeb3など、いくつかの分散型技術に取り組んでいる。
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テスラ(Tesla)のCEOでビットコイン愛好家のイーロン・マスク(Elon Musk)は、Web3を「でたらめだ(BS:bullshit)」と断じている。
しかし、ベンチャー企業や大企業は、すでにその構築に時間と資金を投じている。
ツイッターは、「Bluesky」というプロジェクトでWeb3へのステップとなる独自の分散型ソーシャルメディア・プラットフォームの構築に取り組んでいる。ま た、2021年11月には「ブロックチェーンとWeb3の中核的な研究拠点」となるために、暗号専門チームを立ち上げると発表した。
ゲームストップ(GameStop)は2021年10月にWeb3ゲーミングのリーダーを募集しており、レディット(Reddit)は自社のプラットフォームにWeb3の機能を導入しようとしている。
また、シリコンバレーの著名なベンチャーキャピタルであるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:略称a16z)は、暗号資産を主流に押し上げようと活動しており、議会に対してもWeb3を支持するよう強く働きかけている。
a16zの公式サイトに掲載されたブログには「始める時が来た」と書かれている。「よりよいインターネットを構築する時が来たのだ」と。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)