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- ビル・ゲイツは、リモートで仕事をすると自発性が失われるが、2つ目のモニターを用意すれば自発性の助けになると話している。
- 彼は2つ目のモニターでホームオフィスにいる同僚全員の映像を見られるようにすればいいと言う。
- 「話すことができそうな人がいたら、その人をクリックして拡大し、チャットを始めればいい」と彼は話している。
オフィスに戻ることができると思われていた矢先、新型コロナウイルスのオミクロン株の出現により、再び多くの人たちが在宅で仕事をしなくてはいけない状況になってしまった。しかし、オフィスでの環境が恋しい人には、ビル・ゲイツ(Bill Gates)が提案する解決策が役に立つかもしれない。
新たなオミクロン株の感染拡大に伴い、企業は従業員のオフィスへの復帰を延期し始めている。イギリスのように、政府から可能な限りリモートで働くことを勧められている国もいくつかある。
ビジネスリーダーや社員がリモートワークに移行の際に最もよく訴えるのが、スタッフの協業に対する影響だ。隣の席の人と話をする機会がなければ、アイデアや創造性が失われ、若いスタッフも学ぶ機会を逃してしまうと訴える人もいる。
そこでゲイツはその解決策として、2つ目のモニターを用意し、同僚の顔が映るフィードを設定することを提案している。
マイクロソフトの創業者であり、慈善家でもある彼は、2021年12月7日に投稿したブログの中で、在宅勤務の課題や、パンデミックがどのように仕事に支障をきたしたのかについて考察している。
ビル・ゲイツは、オフィスにいないと労働者が失ってしまう最大のものは「自発性」であり、多くの人が在宅勤務をするようになり自発的な交流がなくなったと書いている。
「あなたはそもそも、リビングルームで同僚と予定外の会話をするつもりはないだろう」
彼はテクノロジーが「さらに多く」に自発性を生み出す方法に関心があり、それを家庭で再現しようとしたときに新しいイノベーションが生まれる可能性があるとしている。
ゲイツは、もし人々が安価なふたつ目のモニターを用意し、それを置く場所があれば、ホームオフィスに座っている同僚全員の映像を見ることができると述べている。
「画面を見れば、みんなが何をしているかが分かる(ただし、プライバシーを守りたくてカメラをオフにする場合もあるだろう)」とゲイツは書いている。
「話してもよさそうな人がいたら、その人の画像をクリックして拡大し、チャットを始めればいい」
ゲイツは、これは今日のコラボレーションの仕組みと根本的に異なるものではなく、現在すでにそのための帯域幅とソフトウェアがあると話している。
ただ、この解決策はすべての人に当てはまるわけではない。リモートワーカーの中には、ビデオ通話に疲れている人もいるからだ。スタンフォード大学の研究成果の報告書では、「ズーム(Zoom)疲れ」という現象について、自分の顔が常に映り込んでいることが原因のひとつではないかと推測している。
スタンフォード大学でパンデミック期間のリモートワークを研究したニック・ブルーム(Nick Bloom)教授は、チームが共同作業をしたい場合、グループ通話ではなく、複数の1対1の通話を組む方がいいと述べている。
また、ゲイツは毎年注目を集める年末のブログ投稿の中で、この1年の総括と未来への予測を語っている。
2021年、彼はバーチャルミーティングは2、3年以内にメタバースに移行すると予測していて、マイクロソフト(Microsoft)がアバターをベースにした技術を開発中であると述べている。
さらに2021年を、新型コロナウイルスのパンデミックや、27年間連れ添った妻メリンダ・ゲイツ(Melinda Gates)との離婚などもあり、彼の人生の中で「最も異常で困難な」年だったと位置づけている。しかし、ゲイツは2022年については楽観的な見方をしていて、新型コロナウイルスのパンデミックの「急性期」は、2022年内のどこかの時点で終わると考えていることを明らかにした。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)