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Pinterestが養子、NICU入院、流産を経験した社員に給与100%の長期有給を付与。妊活も全額補助する理由

NICU

養子、NICU入院、流産…画像共有サイトのPinterestが多様な出産や家族の形に寄り添う、画期的な福利厚生を新設しました(写真はイメージです)。

shutterstock / Pushba

画像共有サイトの「Pinterest(ピンタレスト)」が新たな福利厚生を発表した。

養子を迎えたり、新生児がNICU(新生児集中治療施設)に入院したり、流産や死産などの妊娠喪失を経験した社員に対し、長期間、しかも給与の全額が補償される有給を付与する。対象は性別を問わず「両親」とし、事実婚や同性パートナーなど法律婚以外のパートナーシップも含まれる。

さらに体外受精や卵子凍結の費用も全額補助し、こちらも婚姻の有無は問わない。

画期的かつ先進的な取り組みの背景を取材した。

対象は「両親」、法律婚かどうかは問わない

病院

shutterstock / megaflopp

以下はPinterestの新たな福利厚生の一部だ。

  • 養子を迎えた両親に対し、20週間以上の育児休暇を付与。加えて最高100万円の育児給付金を支給する。
  • 新生児がNICUに入院した両親に対し、8週間の有給休暇を付与。
  • 妊娠喪失を経験した両親に対し、4週間の有給休暇を付与。
  • 体外受精及び卵子凍結の費用を全額補助。

有給期間中は給与は全額補償。

両親には、事実婚同性パートナーなど法律婚以外のパートナーシップも含まれる。

Twitterで体験者から共感が相次いだ理由は

pinterest

出典:Pinterest HP

記者がこれらの福利厚生が発表されたことをツイートすると、体験者からの共感が相次いだ。

「めっちゃいいな。娘はNICU入ってたから適応されるとゆっくりできてありがたい。念のためでも精神的にしんどかった。養子もOKなのも素敵」

「流死産した社員に4週間の有給休暇!これはすごい。 死産で法定の産休8週間を取ったけど、これが4週間でも有給休暇ならどれだけありがたいか。辛い時にこういう制度があると少しの心の支えになるのでは。妊娠週数を問わないことも画期的

「え!流死産した社員って女性に限定されないんだ!両親ってある…すごい…涙出てきた流死産は夫もものすごく辛いんだよ。周囲の『奥さん支えてね』って気にかけてくれた言葉に傷つく男性がいるんだよ。夫側の辛さに夫の周囲は寄り添ってほしい」

プライバシーを守ったまま利用できる仕組みに

Pinterest

Pinterestジャパン・カントリーマネージャーの成田敬さん。

提供:Pinterestジャパン

流産・死産などの妊娠喪失について、日本の労働基準法は女性は8週間の産後休業を取得できると定めている。ただしこれは妊娠4カ月以上の場合のみだ。

Pinterestの新福利厚生は前述の通り両親が対象。いつ妊娠喪失したか時期も問わないため、病院などの書類を提出する必要もない上司に事実を伝えさえすれば有給が取れる仕組みになっている。

「妊娠喪失は非常に悲しい出来事です。身体的な負担が母親にかかる一方で、悲しみは父親も同じです。そして人に伝えること自体が精神的な負担になることも多い。

プライバシーが尊重され、かつ両親共に休むことができる制度にしなければならないと思いました」

そう語るのは、Pinterestジャパン・カントリーマネージャーの成田敬さんだ。

死産届や死亡届の提出、火葬の手続きなど妊娠喪失後にやるべきことは少なくない。母親が体を回復させている間に父親がそれらを担うケースが多く、グリーフケアの期間を考えても、両親ともに長期間取得できる有給は重要だろう。

充実の福利厚生は社員との対話から生まれた

ビジネス街

shutterstock / Rawpixel.com

今回の福利厚生は、社員の声をもとに作り上げていったという。

「赤ちゃんが数週間NICUに入らなければならず、心も痛む厳しい状況の中で仕事との両立は難しいという社員の方がいました。

他の制度も社員との対話の中で生まれたものです。社員が実際に直面した課題に対し、会社として何ができるかを一緒に考えて作り上げていきました」(成田さん)

新たな福利厚生を利用できるのは、2022年1月から。Pinterestの世界3000人超の全社員が対象だ。

「現代社会には多様な家族の形、家族計画があります。社員1人1人にあった福利厚生を作っていくことが、良いパフォーマンス、中長期的には優秀な方の採用にもつながっていくと考えています」(成田さん)

多様な出産・家族の形と、それに伴う痛みにも寄り添う福利厚生。法律の一歩先をゆくPinterestの取り組みから、国も企業も学ぶべきことがあるだろう。

(文・竹下郁子

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