サンタクロースはフィンランドのオフィスでクリスマスの準備ができている。
Reuters/Pawel Kopczynski
- フィンランドのロヴァニエミには、郵便局とトナカイが揃ったサンタクロース村がある。
- 毎年、何千人もの観光客がサンタクロースに会いに訪れ、手紙を送る人もいる。
- ロイター通信などのカメラマンがこの魔法のような村を取材した。
フィンランドのロヴァニエミには、通年営業のサンタクロースのオフィスと村がある
フィンランド、ロヴァニエミのサンタクロース村。2021年12月3日撮影。
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このサンタクロース村では、多くの国の言葉を話すサンタクロース役の俳優が、何千人ものファンに会い、クリスマスを盛り上げるという重要な仕事を日々こなしている。
ロイターのパウエル・コプチンスキー(Pawel Kopczynski)をはじめとする何人かのカメラマンが、雪に覆われたきらびやかなサンタクロース村を訪れ、その中の様子を取材した。
公式観光サイトによると、フィンランドの都市ロヴァニエミは、第二次世界大戦によってほぼ壊滅状態にだったという
サンタクロースのオフィス。
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しかし、1950年、アメリカのファーストレディー、エレノア・ルーズベルト(Eleanor Roosevelt)がロヴァ二エミを訪れ、復興状況を視察したことから、その状況は一変した。彼女の旅に先立ち、市当局はロヴァニエミ市の北、北極圏の場所に山小屋を建てた。この小屋は、現在もサンタクロース村に残されている。
その数十年後にサンタクロースが登場した
イギリスから来た兄妹が、サンタクロースに手紙を手渡している。
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サンタクロースの家は、フィンランドの人里離れた秘密の場所にあり、選ばれた一部の人しか知らないという伝説がある。そこで1985年、市当局は地元関係者の協力を得て、ロヴァニエミの山小屋にサンタクロースの公設オフィスを開設することにした。そうすれば、サンタは1年中子どもたちと挨拶ができ、この地域にたくさんの観光客を呼び込むこともできるからだ。
その後、この「村」は営業を開始し、2010年にはついに公式にサンタクロースの故郷と呼ばれるようになった
フィンランドでは1年中、サンタクロースの姿を見ることができる。
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もちろん、一番の目玉はサンタに会えることだ。この記事を書いている時点で、毎年約50万人の訪問者が押し寄せているという。
ツアーに参加した子どもたちは、魔法のような出会いがあった証を手に、家に帰ることができる
村の郵便局では、お土産も販売している。
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村では、「本物」のサンタに会ったことを証明する証明書を販売している。
フィンランドまで足を運べない人には、手紙を書くという方法もある
村の「妖精」の一人であるエリナ(Elina)が、世界中から送られてくるサンタ宛ての手紙を読んでいる。
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毎年、サンタクロースの公式郵便局に50万人以上の子どもたちが手紙を書き、届いた手紙を妖精たちが国別に仕分けている。
この郵便局は、北極圏の特別な消印がある本物の郵便局だ
サンタクロース村の2人の「妖精」と消印のイメージ。
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消印には、サンタとトナカイの絵が描かれている。
サンタクロース村にはこれまでに198カ国から郵便物が届いている
サンタクロースの郵便局には、世界中から届いた手紙が保管されている。
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大切な人へ手紙を送ることもできる。
サンタクロース宛ての手紙に絵を描く子どももいる
この手紙の子どもは、化粧品とニンテンドーDSのゲームが欲しいと書いている。
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数千通の手紙は、「開封」「仕分け」「返信」の山に仕分けされる。
村には大人の訪問者向けのエンターテインメントもある
サンタはすべての人のことを思っている。
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敷地内にはスノーマンワールド・アイスバー&レストラン(The Snowman World Ice Bar and Restaurant)がある。グラスさえも氷でできている。
氷雪を固めて作ったイグルーホテルは、筋金入りの雪好きなら予約したいところだ
スノーマンワールドにあるホテルの部屋の壁にはデコレーションが刻まれている。
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この部屋には、サンタクロースとトナカイが空を飛ぶ姿が雪に描かれてる。
村の中にあるコタホヴィ(Kotahovi)というレストランでは、フィンランド最北の地であるラップランドの料理を楽しむことができる
レストランの建物はラップランドの小屋をイメージしている。
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コタヴォイ・レストランでは、さまざまな料理とともに、ライブ演奏も楽しむことができる。
トナカイのそりに乗ったり、トナカイの牧場を見学したりすることもこの村の人気アトラクションだ
トナカイたちは、大切な夜のために準備をしなければならない。
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空飛ぶトナカイはサンタクロース専用であることを、来場者には前もって伝えている。ロヴァニエミの公式観光サイトによると、「熟練した運転技術を習得するのには何世紀もかかる」からだという。赤い服を着た人に任せた方がいいだろう。
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)