テキサス州オースティンにある極小住宅の村を取材してきました。
Joey Hadden/Insider
- アメリカのテキサス州オースティンにある極小住宅の村「ビレッジ・ファーム・タイニーホーム・コミュニティ(Village Farm Tiny Home Community)」では、人々が協力し合ってそれぞれ広さ399平方メートル(約37平方メートル)の家で暮らしている。
- 住民たちはバーベキュー用のグリルや集会スペースなどを共有し、希望者は農作業をすることもできる。
- 極小住宅で暮らすなら、筆者はこの村のような極小住宅に住みたい。
筆者は以前、Insiderの取材で広さ250平方フィート(約23平方メートル)の極小住宅に2泊し、極小住宅に住む自分をイメージすることができた。
筆者と滞在した極小住宅。
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それもあって、筆者はテキサス州オースティンへ行った時に極小住宅の村「ビレッジ・ファーム」を訪れた。
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ビレッジ・ファームは結束の固いコミュニティーで、住民が共有する設備は自分が極小住宅に住むならそうあってほしいと思うものばかりだった。
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広さ30エーカー(約12万1400平方メートル)のこの村には、約70軒の極小住宅と広さ2エーカーの農場などがあると、ビレッジ・ファームの代表レベッカ・パワーズ(Rebecca Powers)さんはInsiderに語った。
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このコミュニティには家族連れも暮らしているものの、住民の多くはカップルや独身のミレニアル世代、リタイア組だとパワーズさんは話した。
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パワーズさん自身もコミュニティ内に家を持っていて、2年前から家族4人で暮らしている。極小住宅で生活をすることで、10エーカーの家と敷地の購入に備えて貯金をする助けになったという。
自宅前でポーズを取ってくれたパワーズさんと飼い犬。
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「これは"犠牲"ではありませんでした。極小住宅での生活をわたしたちは本当に楽しんできました。フルサイズの家に求める設備は全て揃っています。ちょっと小さいだけです」とパワーズさんは話した。
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村に建つ極小住宅のレイアウトは何種類かあるものの、その広さはいずれも399平方フィートだとパワーズさんは教えてくれた。
ロフト付きの極小住宅。
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キッチンや寝室が広めの家もあれば、リビングやバスルームが広めの家もあると、パワーズさんは語った。
キッチンが小さめの極小住宅。
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ロフト付きの家もあって、こちらは家族向けにはいい間取りだが、一般的に高齢者や背の高い人にとっては不便だと、パワーズさんは付け加えた。
ロフト付き極小住宅。
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「我が家の場合は、子どもたちが眠る用の2階のスペースがなかったらこの極小住宅に2年は住めませんでした」とパワーズさんは語った。
極小住宅のロフト。
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いろいろなタイプの家を見て回るうちに、上下に重ねられた洗濯機と乾燥機や引き戸といったスペースを節約するためのさまざまな工夫に気付いた。
(左)洗濯機と乾燥機、(右)引き戸。
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コミュニティの事務所まで極小住宅だった。事務所に立ち寄ると、何組かの住民と出会うことができた。
コミュニティの事務所。
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この村に住んで2年が経つジャクリン・ブリザード・キャロン(Jacqualyn Blizzard-Caron)さんとその家族は、近く引っ越しをするという。ご近所さんたちと離れるのが寂しいとInsiderに語った。
ジャクリン・ブリザード・キャロンさんとその家族。
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屋外での集まりやイベンドなどで極小住宅に住む他の住民たちと交流していたと、ブリザード・キャロンさんは話した。
村で行われたかぼちゃを彫るイベント。
Village Farm
「これまで暮らしてきた場所で、これほどご近所さんと親しくなったことはありませんでした。ご近所さんとの別れがこれほど悲しくなるなんて、思いもしませんでした」
コミュニティ内のファイアー・ピットに集まる住民たち。
Village Farm
この村には、バーベキュー用のグリルやファイアー・ピット、プール、ハンモックなどコミュニティの拠点になるような場所がいくつもある。
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こうした屋外の設備は、住民のニーズに基づいて用意されているとパワーズさんは語った。
花壇もその1つだ。
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ビレッジ・ファームでは2025年までにコミュニティが極小住宅170軒、住民約300人に育つことを願っているという。
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パワーズさんによると、ビレッジ・ファームでは有機農場「グリーン・ゲート・ファーム(Green Gate Farms)」も運営している。温室や畑もあるという。
グリーン・ゲート・ファームの納屋(右)と温室(左)。
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畑は最大で55人を食べさせることができると、パワーズさんは明かした。
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コミュニティの住民なら、ガーデニング・クラブに入れば誰でも無料で農作業を学び、実践することができるという。
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「これはプロジェクトをやり遂げ、その過程で学び、コミュニティの結束を高める楽しい方法です」とパワーズさんは話した。30人ほどが定期的に集まっているという。
ガーデニング・クラブのイベントに参加する住民。
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また、農場に建っている「ベルグストロム・バーン(Bergstrom Barn)」はイベントやワークショップ、コミュニティの集まりなどに使われている。
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建物の中をのぞいてみると、1階にはガーデニング・クラブの情報がたくさん書かれた黒板やイベントで使われるものが置かれていた。
1階。
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2階は太陽の光が差し込む広々としたスペースだ。結婚式やクラブの会合、その他のイベントに使われているという。美しい。
2階。
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あちこちにドライフラワーがあることに気付いた。パワーズさんによると、コミュニティで開催したリース作り教室のためのドライフラワーだった。
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この建物の向かいにはファームハウスがあって、イベントや住民の集まりに使われているという。
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極小住宅に住むと、自宅で友人や家族の集まりを開くことはできないと筆者は思っていたが、こうしたファームハウスやファイアー・ピットのような共有スペースがあれば、それも可能になると気付いた。
ファームハウスの中の様子。
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ビレッジ・ファームは、店やレストランもある昔ながらの村のようなコミュニティを作りたいと考えていると、パワーズさんは語った。どちらも現在、開発が進められているという。
店とビストロがもうすぐオープンすることを知らせる看板。
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地域の強い連帯感は、極小住宅で暮らすという選択肢をより魅力的に感じさせた。見学を終え、筆者はこのコミュニティのような極小住宅の村に住む自分をイメージできる気がした。
見学を終えた筆者。
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…そんな村がニューヨークにあれば。
ニューヨーク。
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(翻訳、編集:山口佳美)