「我々は積極的にNFTを調査しており、より多くのユーザーがNFTにアクセスできるようにする方法を模索している」とインスタグラムのCEOは述べている。
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- インスタグラムはNFTをより多くの人々に提供する方法を「積極的に模索している」と同社CEOが述べた。
- この動きは、親会社であるフェイスブックがメタバースに軸足を移し、「メタ(Meta)」へと社名を変更した後のことだ。
- これにより、人々はインスタグラム上で直接NFTに入札できるようになる可能性がある。
インスタグラム(Instagram)は、親会社のメタ(Meta)がメタバースに進出する中で、20億人のユーザーにNFT(non-fungible token)を提供する方法を模索している。
同社のアダム・モッセーリ(Adam Mosseri)CEOは2021年12月18日、NFTを取り入れた機能の構築に取り組んでいると述べた。
NFT、つまり一点もののデジタル資産は、現代アートや映像のコレクションとして人気があるが、仮想世界内での所有権を構築することができるため、メタバースを普及させるためのデジタルの鍵にもなっている。
モッセーリCEOは、18日に投稿したインスタグラムのストーリーで、「まだ何も発表することはないが、我々は間違いなく、NFTにより多くの人々がアクセスできるようにする方法を模索している」と述べている。
「我々が遊べる面白い場所だと思うし、うまくいけばクリエイターを支援する手段にもなるだろう」
NFTはオンラインで取り引きされ、多くの場合、暗号資産(仮想通貨)と連動しており、一般的にはブロックチェーンに記録される。NFTは、2021年に爆発的な社会的関心を集めた。ナイキのようなビッグブランドがNFTや仮想世界に進出したこともあり、今年に入ってからの総売上高は120億ドル(約1兆3600億円)にまで急増している。
7月、インスタグラムの親会社は「メタ」と名前を変え、人々がアバターを使って遊び、働き、取り引きし、交流する仮想空間の総称であるメタバースに焦点を当て、メタバースへの関心に火をつけた。
CEOのマーク・ザッカーバーグは当時、「これからはフェイスブックではなく、メタバースを優先する」と述べ、フェイスブックをソーシャルメディア企業から「メタバース企業」に変身させたいと語っていた。
しかし、「分散型」仮想世界を目指すザ・サンドボックス(The Sandbox)のような暗号に特化した企業は、大手ハイテク企業がソーシャルメディアを支配するように、メタバースも支配するのではないかと懸念している。
投資家は「暗号ネイティブのメタバースと、メタのような企業が立ち上げたメタバースとの戦い」に注目すべきだと、ビットコイン財団のブロック・ピアス(Brock Pierce)会長はInsiderに語った。
CNBCによると、12月現在、インスタグラムの月間アクティブユーザー数はおよそ20億人だ。
モッセーリはインスタグラム上では詳しく述べなかったが、彼のコメントからは、写真やビデオを共有するソーシャルネットワークであるインスタグラムが、ユーザーが作成したNFTを展示するツールを提供したり、お気に入りのクリエイターをフォローできるようにする可能性があることがうかがえる。
一方、アプリ開発者のアレッサンドロ・パルッツィ(Alessandro Paluzzi)は、7月にインスタグラムのNFTに関連する計画の詳細を解析し、ツイッター(Twitter)でスクリーンショットを公開した。
彼の投稿には「collectible」ラベルが見られ、ユーザーが保有するNFTを専用のセクションで表示できるようになるかもしれないことを示している。
パルッツィはまた、ユーザーがインスタグラム上で直接NFTの入札を行うことができるようになるかもしれないことを示す機能を共有し、暗号ウォレットのCoinbaseとMetaMask、およびメタのウォレットのNoviをサポートする可能性があることを示した。
スクリーンショットでは、ユーザーがインスタグラムで直接NFTに入札することができるように見える。
@alex193a/Twitter
パルッツィは以前にも、クリエイターによる詳細なデータへのアクセスやリール・ペイメント(Reels payment)機能など、後にインスタグラムが実装することになる未発表のアップデートを公開している。
インスタグラムは、NFTの計画についてコメントを求めるInsiderの要請にまだ応じていない。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)