- この記事はインサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「カテゴリー別に分析するアメリカのEコマース 2021(US Ecommerce by Category 2021)」のプレビュー版。
アマゾン(Amazon)のアメリカ国内におけるEコマースの売上高は、2020年に44.1%増の急成長を遂げた後、2021年は15.3%増の3671億9000万ドル(40兆7000億円)に達する見込みだ。
ウォルマート(Walmart)やターゲット(Target)など、より速いペースでEコマースの売上高を伸ばしている競合企業も多いが、アマゾンは依然として市場全体を上回る勢いで成長している。アメリカのEコマース売上高におけるアマゾンのシェアは、2020年の39.8%から2021年には40.4%に増加。その増加率は0.6%ポイントと、他のどの企業よりも大きい。
※この記事は、2021年7月9日に公開した記事を一部編集して再掲載しています
パンデミックを追い風に、最も伸びたカテゴリーとは?
アメリカのEコマース企業トップ10。
Business Insider Intelligence
- アマゾンの2020年の売上高は、パンデミック前の予想を超えて爆発的に伸びた。パンデミック前の予想では、2020年のアメリカ国内の売上高は17.2%増の、2608億6000万ドルだった。実際には44.1%増の3184億1000万ドルとなった。
- Eコマース全体のトレンドに沿うように、2020年のアマゾンのアメリカでの売上は、すべてのカテゴリーで予想を上回った。最も大きな上方修正は「食品・飲料」で、パンデミック前に予想されていた22.7%を大きく超えて、78.5%の増加となった。また、「住居まわりを快適にするための商品」の需要増に牽引された「その他」は、パンデミック前の予想値18.7%に対し、58.0%の伸びとなった。
アメリカにおける2021年のEコマース:カテゴリー別売上高。
Business Insider Intelligence
2021年にアマゾンがアメリカ国内のEコマース売上高の過半数を占める領域が2つある。「書籍・音楽・ビデオ(83.2%)」と「コンピューター・家電製品(50.2%)」だ。
Eコマースの巨人はさらに3つのカテゴリーでアメリカにおけるEコマース売上高の45%以上を獲得する。「その他(48.2%)」「おもちゃ・ホビー(46.0%)」「オフィス用品(45.6%)」だ。
またアマゾンは「自動車・部品」以外のすべてのカテゴリーで、アメリカのEコマース売上高の4分の1以上を占める。
アマゾンのアメリカにおける2021年の総売上高のうち、最も大きな割合を占めるのが「コンピューター・家電製品」で、4分の1以上(26.6%)。2番目が「衣類・服飾雑貨」で16%を占める。
今年、アマゾンで最も大きく成長すると予想されるカテゴリーは「食品・飲料(前年比24.7%増)」だ。食品や日用品のネット販売が引き続き好調で、同社にとっては比較的規模の小さい分野の成長を促している(2021年のアマゾンのアメリカ国内のEコマース売上高のうち「食品・飲料」が占める割合はわずか3.7%)。すでに2番目に売り上げが大きい「衣類・服飾雑貨」は前年比21.4%増となり、2番目に大きな成長を遂げるカテゴリーとなる。
アマゾンのEコマースの現況と今後の展望
アメリカにおけるEコマース売上高の推移と予測。赤線は「成長率」で、青線は「小売売上高のうちEコマースが占める割合」。
Business Insider Intelligence
- 2021年の売上高もパンデミック前の予想を上回るだろう。アマゾンの2021年の成長率はパンデミック前の予想では、15.9%増の3023億6000万ドルだった。今回は、15.3%増の3671億9000万ドルを見込んでおり、640億ドル以上の上方修正となっている。
(注:「アマゾンのカテゴリー別売上高」に関しては、パンデミック前に2021年の予測値を出していなかった)
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[原文:Forecast eCommerce trends predicted for Amazon will beat expectations in 2021]
(翻訳・野澤朋代)