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- 有酸素運動はフィットネスと健康全般のために重要なものだ。
- 何時間も走る必要はない。筋力トレーニングは心拍数を上げることもできる。
- 休憩時間を短くして、より長時間のトレーニングで、爆発的な動きなどを取り入れれば、ウエイトトレーニングで有酸素運動の効果を得ることができる。
ワークアウトのルーティンで、ランニングかウエイトリフティングのどちらかに集中しなければならないというのは神話だ。有酸素運動と筋力トレーニングは互いに補い合い、両方を組み合わせることで、体全体が健康になれると専門家は以前Insiderに語っている。
これはランニングが嫌いな人に朗報だ。ランニングをしなくても有酸素運動の効果を得ることができ、有酸素運動能力を高めることができるのだから。
パワーリフティングの世界記録保持者であり、プロのボディビルダー、そしてコーチでもあるスタン・エファーディング(Stan Efferding)によると、ある種のウエイトトレーニングは、有酸素運動と同じように十分に心拍数を上げることができるという。そして、ウェイトトレーニングは一般的な有酸素運動ほど単調ではない。
「有酸素運動をすると言っても、ジョギングをするという意味ではない」と彼はInsiderに語った。
「私が誰かにトレッドミルでの40分のセッションを設定しても、それを継続的に実行できる可能性は高くないし、楽しいものでもない」
筋肉をつけるとスピードや持久力も向上するため、ランナーや有酸素運動をしている人も、ウェイトを使った有酸素運動をルーティンに加えることは有効だ。
セット間の休息時間は短くしよう
ウエイトトレーニングは、一般的には無酸素運動であり、短時間で強い負荷をかけることになる。体は燃料となる酸素を十分に取り込む時間がないため、グルコースをエネルギー源にする。その結果、無酸素運動は短い時間しか続けられない。
アスリートは、筋肉を回復させ、できるだけ多くの筋力をつける時間を与えるため、無酸素運動のセット間に数分間の休息をとることが多い
しかし、休息は心拍数を元に戻すものでもある。
エクササイズで心拍数が上がり、酸素が運動の燃料となるような状態が長く続くと有酸素運動となる。有酸素運動は、呼吸は激しくなるが、その運動をより長く続けることができる(その時間は個々の最大酸素摂取量、または酸素の有効利用能力によって変わってくる)。
ウエイトトレーニングを有酸素運動として活用するためには、休息時間を短くすることが一つの方法だ。そうすることで負荷の高い運動と休息による回復を交互に繰り返すのではなく、より長い時間、一定の強度で体を動かすことになる。
「心拍数を上げ続けるようなハードなトレーニングをすることだ」とエファーディングは言う。
休息が少ないとウエイトを上げられなくなるが、それは必ずしも悪いことではない。
さまざまなトレーニングスタイルを取り入れることで、エファーディングの話す「総合的な体力づくり」が可能になる。そのため休息を伴うハードな日と、スピードを重視したよりライトな日を組み合わせることが有益になる。
軽いウエイトでの長い時間のトレーニングを試してみよう
もう一つの方法は、AMRAPスタイルのワークアウトのように、より軽いウエイトで長時間行うやり方だ。
「目標は一定のペースで継続的に動くことだ」とダッチ・キルズ・フィットネス(Dutch Kills Fitness)のオーナーでトレーナーのドミニク・フォルティーノ(Dominick Fortino)は以前Insiderに語っている。
どんなアスリートにとっても、長時間ワークアウトをする大きなメリットは、自分のペース配分を学ぶ、つまり高い強度を保ちながら、すぐに疲れない方法を学べることだ。
トレーニングのペース配分は、体力と持久力をつけるだけでなく、自分の体の能力をより理解し、トレーニングの効果を最大限に発揮するのに役立つ。
瞬発系のエクササイズも取り入れよう
ウェイトを使ったいくつかのエクササイズは、心拍数を素早く上昇させ、有酸素運動としての効果が期待できる。ハングパワークリーン(hang power clean)、ケトルベル・スイング(kettlebell swing)、メディシンボール・スロー(medicine ball throw)、スラスター(thrusters)などの高速で全身を使った運動からは、高い効果を得ることができるだろう。
スクワットジャンプ(squat jump)、バーピー(burpee)、ボックス・ジャンプ(box jump)、タックジャンプ(tuck jump)などのプライオメトリック(Plyometric)トレーニングは、加重はないものの筋力をつけると同時に心拍数を上げることができる。これらの運動をウエイトトレーニングと一緒に行うことで、心肺機能を高め、スタミナと総合的な体力を向上させるトレーニングになるだろう。
[原文:If you hate running, you can improve your cardio with weightlifting workouts, experts say]
(翻訳:大場真由子、編集:Toshihiko Inoue)