メリーランド州シルバースプリングの火葬業者が、COVID-19で亡くなった人の遺体を確認している。2020年5月11日撮影。
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- アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカ人の平均寿命は予測以上に低下している。
- 2020年のアメリカ人の平均寿命は77歳で、2019年の78.8歳より低下した。
- CDCは2020年の平均寿命が77.3歳になると予測していた。
2020年のアメリカ人の平均寿命(0歳の平均余命)は1.8歳も低下し、2021年前半に予測された数値より低い結果だった。
アメリカ疾病対策センター(CDC)の下部組織、国立衛生統計センター(NCHS)は2021年12月22日、アメリカ人の平均寿命を発表した。それによると、2020年の平均寿命は77歳で、2019年の78.8歳から大きく下がった。
この低下は、第二次世界大戦以来の落ち込みだ。
NCHSは2021年7月、2020年の平均寿命は77.3歳になると予測していた。
2020年の死因として、COVID-19は心疾患、がんに次いで3番目に多いと、NCHSは報告書で述べている。
データによると、2020年のCOVID-19による死者は35万人以上で、心臓病の死者は約69万6000人、がんの死者は約60万2000人だった。
また、薬物過剰摂取を含む事故、不慮の事故の死者は、20万人以上だった。CDCは2021年始め、薬物過剰摂取による死者数は、2020年4月から2021年4月までで10万人以上となり、前年より7万8000人も増加したと発表していた。
今回と2021年7月の報告書をまとめたエリザベス・アリアス(Elizabeth Arias)は以前、COVID-19の死亡率が低下すれば、平均寿命は再び上がる可能性があると、Insiderに語っていた。
しかしながら、2019年の数値まで戻るに数年かかる可能性もあるという。
彼女は7月、Insiderに「仮にCOVID-19の死者を完全になくすことができたとしても、パンデミックの間接的な影響は、別の死因の増加として現れるだろう」と述べている。
[原文:US life expectancy declined even more than previously thought in 2020]
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)