メンタルヘルスの専門家が明かす、ソーシャルメディアを休むことの重要性とその具体的な休み方

スマートフォンを使う女性

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  • ソーシャルメディアのチェックのし過ぎは、ストレスや不安、うつを高めることもある。
  • ソーシャルメディアから少し距離を置くには、通知をオフにしたり、時間制限を設けるといい。
  • 数時間、数日間、数週間の"休憩"はいずれも、わたしたちの健康や幸せにとってプラスになる。

携帯電話から少し距離を置きたいけれど、ソーシャルメディアをチェックせずにはいられない… と思ったことはないだろうか? 今、世界では約39億6000万人がソーシャルメディアを使っていて、毎日平均して2時間24分をソーシャルメディアに費やしている。

ソーシャルメディアはわたしたちを誘惑し、ハマり続けるよう作られていることから、どのようにして休憩を取るか知っておくことは非常に重要だ。ソーシャルメディアを休んだ方がいい時にしばしば見られるサインと、具体的な休み方をいくつか見ていこう。

なぜソーシャルメディアから少し距離を置くことが大切なのか?

健康という観点からすると、ソーシャルメディアは諸刃の剣だと、マサチューセッツ総合病院とハーバード医科大学院の児童青年精神科医ニーア・チョーダリー(Neha Chaudhary)氏は言う。

「(ソーシャルメディアは)互いのつながりを維持し、孤独感と闘う役に立ちます。これまでの研究で社会的孤立や孤独感が健康に負の影響を与えることが分かっているので、わたしたちの健康にとってプラスになるかもしれません」とチョーダリー氏は語った。

「その一方で、ソーシャルメディアはネットいじめや社会的比較(周囲の人々と自分を比較することで、自分の社会における位置を確かめること)、その他わたしたちの健康に悪影響をもたらすような事象としばしば関連しています」

ソーシャルメディアから健康にとって良い影響を引き出すには、自分のソーシャルメディアの使い方を意識することが重要だ。つまり、ソーシャルメディアをいつ休んで、自分の注意を他のものに向けるか、知っておく必要がある。

覚えておこう。ソーシャルメディアは座りがちな行動だ。友人と"おしゃべり"していたとしても、ソーシャルメディアはあなたの人と対面でやりとりする能力を制限するし、現実世界で過ごす時間を減らしてスマートフォンやパソコンで過ごす時間を増やす。加えて、ソーシャルメディアで他人の生活と自分の生活を比べていると、ストレスや不安を感じたり、うつになることもある。

「メンタルヘルスに関する限り、(ソーシャルメディアは)わたしたちの自尊感情に影響を与え、完璧に見える編集された写真や生活ぶりと自分とを比べることにつながりかねません」とカタラ・マッカーティ(Katara McCarty)氏は言う。マッカーティ氏は、黒人、先住民、有色人種の女性のための健康アプリ「EXHALE」のクリエーターだ。

「長時間、ソーシャルメディアをやり続けている場合、わたしたちは自分のからだを労わったり、ソーシャルメディアの外の生活を楽しむ時間を取っていないのです」

ソーシャルメディアから少し距離を置いた方がいい時に見られるサイン

ソーシャルメディアを少し休んだ方が良さそうな時に見られる主なサインとしては:

もう楽しくない

フェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instagram)、ツイッター(Twitter)といったソーシャルメディアは、家族や友人と楽しくつながる方法の1つであるべきだ。もう楽しくない、つながりを感じられないと思ったら、休み時かもしれない。

他人と自分を比べている

「ニュースフィードを見ながら、自分はダメだ、かわいくない、成功していないと感じるようなら、休みを取ることを考えるべきです」とマッカーティ氏は言う。

「ソーシャルメディアを利用した後に自己嫌悪に陥っているようなら、(ソーシャルメディアは)あなたのこころの健康にとってプラスになっていません」

ネガティブな情報ばかり読み続けている

ネガティブな情報ばかり読み続けてしまうドゥーム・スクローリングは、ソーシャルメディアを何も考えずに絶え間なくスクロールし続けている時に起こる。最新ニュースからトレンドになっているトピックまで、世界で起きている全てのことを常に知っておかなければと感じて、やってしまうのかもしれない。何時間も経ってから初めて、自分が同じ体勢のまま長時間スマートフォンやパソコンを見ていたことに気付く場合も。

就寝前、最後に目にしたのがソーシャルメディア

寝る前にスマートフォンを見ていると、頭が冴えてしまって睡眠が妨害されることもある。スマートフォンのブルーライトは睡眠を司るホルモン「メラトニン」を抑える。わたしたちのからだはブルーライトを浴びると、日中と勘違いして、エネルギーが湧いてきて、睡眠へ向かうことに抵抗する。

ソーシャルメディアが"あるといいもの"から"ないと困るもの"に変わった

「(ソーシャルメディアを)休むと決めることは、経験上有用です」とチョーダリー氏は言う。

「つながりを維持したり、生活を向上させるために(ソーシャルメディアを)時々使っているなら、それは"あるといいもの"です。ただ、自分が抱えている不安と向き合うための不健全な方法として使っていたり、しばらくチェックしていないと苦痛を感じるようなら、それはあなたが休憩を必要としているサインかもしれません」

ソーシャルメディアをどう休むか?

自身の健康を改善するために、ソーシャルメディアを休むべきだと頭では分かっていても、実行に移すのは難しいかもしれない。多くの人にとって、ソーシャルメディアをスクロールし続けるのは"中毒性のある刺激"で、こうした習慣を打破するにはかなりの意志が必要になる。

「本当に休みたいと思うなら、意図的に休みを取らなければなりません」とチョーダリー氏は言う。

「約束を守れるよう、友人か家族を引き入れるのもいいでしょう」

ソーシャルメディアから少し距離を置く助けになる5つの方法を見ていこう:

SNSの通知をオフにする

投稿に「いいね」や「コメント」が付いたことを知らせる通知が来ると、「ポジティブな社会的刺激とドーパミンの流入」につながる。薬物使用とも関連するこの刺激は、ドーパミンを放出させる。こうしたドーパミンの快感は病みつきになり、ソーシャルメディアを避けることが難しくなることもある。また、通知音が絶えず鳴り続けていると、携帯電話をチェックしたい気持ちがさらに強くなるだろう。"通知オフ"は、ソーシャルメディアを休むという自分自身との約束を守る役に立つ。

セルフケアを優先する

ソーシャルメディアの使用を携帯電話のいらない、気分を上げる他のアクティビティーと置き換えることは、非常に有効な方法だ。ソーシャルメディアをチェックしたくなったら、次に挙げるような別の健全な選択肢を試してみよう:

  • 友人と対面で過ごす予定を入れる
  • 散歩やハイキングに出かける、自転車に乗る
  • 自分の好きな料理を作る
  • 15分間、日記をつける

ソーシャルメディアを使う時間をあらかじめ決めておく

チョーダリー氏は、どんなコンテンツが自分の気分を良くさせ、どんなコンテンツが自分の気分を悪くするのか把握しておくようアドバイスしている。「そこから自分の気分を悪くさせるものを制限する計画を立てることができます」と同氏は言う。

「どこまでが楽しめて、どこからが不安やその他のネガティブな感情につながるのかによって、(ソーシャルメディアに)使う時間に制限をかけます。その転換点は人それぞれ異なります」

夜はスマートフォンを別の部屋に置いておくことで、寝る前に見られないようにする

この方法を取っておけば、なかなか寝付けない時でもソーシャルメディアをチェックし始めずに済むだろう。わたしたちの健康を向上させ、孤独や不安といったソーシャルメディアの使い過ぎによるネガティブな副次的影響と闘う助けになる、より良い睡眠が取れる可能性も高まるだろう。

ソーシャルメディアの利用を制限するアプリを使う

もしあなたがiPhoneを使っているなら、それぞれのアプリのスクリーンタイムを調べて、特定のソーシャルメディアの使用時間を制限することができる。「わたしのiPhoneは前週との比較を表示してくれるので、毎週少しずつそのパーセンテージを下げられるよう努力しています」とマッカーティ氏は話している。

まとめ

ソーシャルメディアから少し距離を置くために使える方法はいくつもある。SNSの使い過ぎは、低い自尊感情、孤独、不安につながる可能性がある。スマートフォンを手放すことは、こうした感情を和らげる役に立つだろう。

「こころの健康のためにソーシャルメディアを休むことは、からだに良いことです」とマッカーティ氏は話している。

「自分を取り戻し、自分自身に集中するために、1日のどこかでこころの休憩を取ることは自分にとってプラスになります」

[原文:How to take a break from social media and why it's so important, according to mental health experts

(翻訳、編集:山口佳美)

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